イギリス旅行

2009年7月2日〜11日
JTB旅物語の『スコットランド・湖水地方と英国周遊10日間



ツアーの行程

7月2日  関西空港 ⇒ フランクフルト ⇒ エジンバラ 
 7月3日  エジンバラ→スターリング(スターリング城)→エジンバラ(エジンバラ市内観光)
エジンバラ城・ホリールード宮殿・カールトンヒル
 7月4日  エジンバラ→湖水地方
グラスミア(ダウコテージ&ワーズワース博物館)・ウィンダミア湖クルーズ   
ビアトリクス・ポターの世界展示館
 7月5日  ハワース(ブロンテ博物館・パリッシュ教会・市街観光)→チェスター(大聖堂) 
 7月6日  ストーク・オン・トレンド(ウェッジウッド)→ストラットフォード・アポン・エイボン  
シェークスピアの生家、妻のアン・ハサウェイの家
 7月7日  コッツウォルズ地方(バートン・オン・ザ・ウォータ、バイブリー)→ウッドストック 
世界遺産ブレナム宮殿、
 7月8日  バース(世界遺産、ローマ浴場跡)→ストーンヘンジ →ロンドン 
 7月9日  ロンドン市街(バッキンガム宮殿、大英博物館、国会議事堂、ロンドンアイなど)
午後、自由行動
 7月10日  ロンドン・ヒースロー空港 ⇒ フランクフルト ⇒ 関西空港

 イギリスは現役の頃、ロンドンに何回か立ち寄ったことがあるが、観光地や地方に行くのは今回が初めてで、イギリスと言う国に抱いていたイメージが大きく変わった。
旅行の度に、現地に行って、初めて知ることの多さに旅行の意義と価値を感じる。

日本とイギリスは世界で数少ない島国であり、お互いに長い歴史を有し、近代史上、世界に完たる経済発展を遂げた両国である。 共通点もあり大きく違う点もある。

イギリスの歴史は有名なストーンヘイジの石器時代から始まり、ケルト人の侵攻、ローマの侵攻を受けながらも、ヨーロッパの強国として独自の発展を遂げてきた。

国旗のユニオンジャックはイングランドとスコットランドと北アイルランドの国旗が重ね合わせてできたもの。 
ウェールズは1282年エドワード1世が併合したので国旗には入っていない。


イングランドのセント・ジョージズ・クロス     St.George's Cross
スコットランドのセント・アンドチューズ・クロス St.Andrew's Cross
アイルランドのセント・パトリックス・クロス   St.Patrick's Cross

     

イギリスの正式国名はイングランド、ウェールズ、スコットランドと北アイルランドの連合王国として、
グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国 
United Kingdom of Great Briten & NorthenIreland;略して UK

 基本情報 
 国土面積  24万4000平方キロ   日本の約2/3 
 人口  約 6000万人(ロンドン;750万人)  日本;1億3000万人(東京;1200万人)
 緯度  54度〜60度  北海道;43〜45度 
 時差  9時間(サマータイム期間;8時間) 
 夏は午前3時半ごろ夜明け、午後10時半ごろに薄暗くなる

行ってみて分かったこと

イギリス人はまじめで、紳士で、物静かな国民と思っていたが、行ってみて歴史を少し知ると、戦いの歴史を繰り返し生き残ってきた国で、この抱いていたイメージとは程遠い感じを受けた。

イギリスの通貨はポンドで、すべての紙幣にはエリザベス女王さまの顔が印刷されている。スコットランドはスコットランド内で通じる独自のポンド紙幣(20,10,5£)を発行している。
なぜ、基本通貨があるのに独自紙幣まで発行するのか? またそれを許すのか?  
また、EUに参加しながら、通貨はユーロに移行せず自国のポンドを継続している点も強烈な民族意識・自立意識を感じる。この辺が日本人の国民性と随分違うように感じた。

スコットランドは独自の通貨だけでなく、独自の教育制度、法律、などを有する。また、スコットランドはイングランドと、対抗意識が強くサッカーではイングランドと他国が試合をする場合、他国のチームを応援する人が多いと聞いた。自分達の歴史、伝統、独自性、自立性を誇りとし大切にする強い民族性を有するようだ。

イギリスの住宅はスコットランド地方では石造りの家が多い、中部湖水地方では黄土色のハニーカラーの石灰石の家が多い。南部のイングランドでは赤いレンガ造りの家になる。
地域、地域で産出する材料を生かし家作りをしている。移動するに従い風景が変わる。屋根の上には必ず何本かの煙突が突き出ている。煙突の数でその家の間取り数が分かる。

夏は27、8度で涼しく、湿気が低いので過ごしやすく、汗をかくことはない。朝夕は15.6度になるので、上着を羽織らなければ少し寒い。旅行中は日中24、5度で快適であった。
年に一、二度、30度を越えることがあり、たまたま到着した日は31度あり、地下鉄は40度を越えて蒸し風呂状態になったらしい。地下鉄、バス、乗用車にはエアコンは付いていない駅も冷房がない。大型の観光バスはガラス窓が嵌め殺しなので、エアコンが効いている。

夏の天気は晴れ、曇り、雨という何でもありの状態で、朝晴れわたっていても、昼に曇って急に雨が降る。しばらくすると日が照る、めまぐるしく変わりやすい天気で傘はいつも必要。街を歩く人は雨が降っても、傘もささずに歩いている人が多い。すぐやむからでしょう?
ロンドン市内の地下鉄は日本と同様、表示は分かりやすく、誰でも乗りやすくできている。ゾーンにより料金が決められているが、殆どの市内の観光スポットはゾーン1,2で行ける。1dayチケットを買うと、一日中乗り放題で超お得券。バスにも乗れる優れものです。

どこの市内に行っても、配電線が見当たらない。地中配線で街全体がすっきりしている。
日本は電柱が道沿いに立つのが当たり前になっているが、汚くて道幅も狭くなる。
この点、日本は後進国だ。箱物を造る金があるなら、こういうところに使ってもらいたい。

スコットランドは水道水は軟水なので飲める。わずかに黄濁している。これは泥炭の成分が混入しているため。 一度沸騰させれば、飲めるそうですが、ミネラルウォータが安全。
ホテルには電気ポットとコーヒセットが置かれているところが多かった。

喫煙者には厳しい国である。 レストラン、駅、ホテルの部屋は禁煙が徹底されている。
喫煙場所は戸外の灰皿のあるところに厳しく限定されている。

ヨーロッパ各国に共通するが、街中の広告塔・看板が目立たなく落ち着いた感じを受ける。日本や中国や東南アジア各国の街中は、ところかまわず張り紙や看板で埋められている。見慣れると当たり前になり何も感じないが、綺麗な所を見るとやはり日本の異常さを感じる。「どこでも他人より前に出たい」という意識の現われだろう。大人の礼儀をわきまえているかどうかであり、そういうある意味の謙虚さが紳士の国『イギリス』と言われる所以か?

不景気で、至るところにSaleとかTO LETの看板が見える。 特に「TO LET」という看板が目立つ。これは最初、有料トイレの表示かと思ったが、「貸家」の表示です。
よく見ると、「TO LET」の文字の下に管理者と電話番号が表示されている。

英語の名前によくマック・・・と言うのがあるが、これはスコットランドの北のハイランド地方の氏族の名前でよく聞く名前に、マッカーサー、マッキーン、マックドナルド、マッキントッシュ、マックミランなど沢山ある。マックドナルドは「ドナルドの息子」と言う意味で同族を表す。

連結アパートには半地下部屋が付いているが、建設当時は使用人の部屋だった。今は改装してアパートとして一般の住居として使っている。

イギリスはヨーロッパで唯一、日本と同様「人は右、車は左通行」の国。高速道路は無料。料金所がないので、一般道から高速道路への出入りが自由。だから渋滞もない。片側3車線で、左端レーンが一般道に出入りするレーン。日本のような大規模なサービスエリアはない。高速道路走行中のトイレ休憩は一般道に出て、近くのみやげ物店が集まった広場があり、そこにトイレが併設されている。
高速道路自体は、中央分離帯に鉄の柵があるだけで、片側3車線、3車線になっていて、道路の両端は柵もなく、自然のままで、草の手入れは2mほど刈っているが、それ以上、手入れはしていない。高速道が無料なので、維持費に金はかけないように工夫している。日本の高速道路はメインテナンスがよく整備されているが、高速料金が高い。工事費や維持費を工夫して経費を下げ、高速道路は無料化を実現したいものだ。

イギリスの自動車産業は各国の競争に敗れ、走っている車は全て外国車になっている。よく目に付いたのは、ヨーロッパ車では、ベンツ、BMW、VW,、ボルボ、ルノー、アウディ、日本車ではホンダ、トヨタ、日産、三菱、マツダ。 韓国車は見なかった。FTAの関税率のために値段が合わないらしい。近々FTAが合意されるとドッと韓国車が増えるかも・・・・。
エアラインは関西空港〜フランクフルト間はルフトハンザ;Airbus(エアバス)A340-600、往路フランクフルト〜エジンバラ、復路ロンドン〜フランクフルトはルフトハンザ;A321-200、エアバスA340-600は新鋭機、4発ジェットエンジン、306人乗り、機内のトイレが客室の階下にあり数も多く、広くて衛生的。階段を下りると、ちょっとした空間があり屈伸運動や背伸び体操ができる。
サービスカウンターには、飲み物や軽食、おにぎりなど用意されて、いつでも飲食できる。もちろん、食事タイムには通常の機内食、食前・食後の飲み物のサービスがある。
関西空港〜フランクフルト間;往路は12時間、帰路は11時間


感じたことのまとめ
 (1)イギリス人は強い自立性を有し、自分の居住地の伝統や歴史に誇りと自尊心を持    っている。他に比べて同じようにして欲しいという要求より、自分達の独自性を大切    に守っている。それが『identity』という言葉になっている。
   他県と比べて何々がないと、ないものねだりをする日本の地方の県とは全く逆に感    じる。
   われわれは日常生活において、すべてのことを全国民が平等に満たすことはでき    ない。『ないこと』『不便さ』が逆に日常生活や精神の豊かさになっていることが多い。
   都会生活に比べて、田舎の生活は何かと不便が多い。その分、ゆったりとした時間   や自分のペースで思うままに、豊かな自然の中で生活ができる利点が得られる。
   どちらをとるかであり、両方をとることはできない。
   このことをよく理解するべきである。
   しかし、田舎生活者も健康や安全、安心は享受できるインフラの整備は必要である。

(2)地方のそれぞれの特徴を活かし、それが活力になっている。 
   家の作り方も地方により違う。自治体の制度(自治、教育、税制など)も独自に決め   て取り組んでいる。
   国は外交、安全、セイフティーネットなどの基本部分を管理して、他は地方自治体に   委ねる方法をとっている。

(3)イギリスは工業国と思っていたが、地方を廻ると広々とした丘陵地帯が広がり、羊や   牛が放牧され、広大な土地には麦、ナタネ、牧草、果樹が植えられている。
   ジャガイモ、豆類、野菜も豊富に作られている農業国である。
   バスの車窓から風力発電の羽根や高圧送電線の鉄塔、送電線がところどころに見   かける。
   いつも、海外旅行中は、車窓から送電線と出会う頻度や、電線の太さや碍子の数を   見て、どれくらいの電力需要があるのかを見て、その国の工業力を推測するようにし   ている。
   イギリスでは28万ボルトから50万ボルト級の超高圧送電線もよく見かけた。
   やはりイギリスは一流の工業国である。

旅先のスナップ

カメラ;    キヤノン EOS Kiss X3
レンズ;TAMRON B003E 18-270mm

   エジンバラ市街
ところどころに教会の
尖塔が見える。
   フォース鉄橋、1890年完成、
突風が吹く地方の鉄橋
として独自の構造。
今も電車が走る。
   スターリング城
スコットランドの歴史の
舞台。
石造りの頑丈な要塞
   スターリング城内
グレートホール(大広間)
広間天井の木組み
   スターリング城内
壁に下がったタペストリ
   スターリング城
城壁に大砲が並ぶ。
ここは要塞だった。
   カールトンヒル
ネルソン記念碑
アテネの神殿を模倣?
   ホリールード宮殿
英国女王が滞在する
こともある
   ホリールード宮殿
   エジンバラ城
岩盤の上に立つ強固な要塞
   エジンバラ城
   昼食をしたレストラン
壁にツタが這い、
花が飾られ風情がある
建物
   レストランから100m
ほどの牧場。
こういう景色は日本では
見られない。
    湖水地方、
グラスミア
ダウコテージ&ワーズ
ワース博物館
  ワーズワース博物館の
近辺の街角風景


ひっそりとした素朴な
田舎を感じさせる。
  ワーズワースの墓
詩人ワーズワース
ここに眠る。
  ワーズワース墓の近く
自然豊かな地
   ビアトリクス・ポター
展示館入口
   ハワース
ブロンテ博物館
  ブロンテ博物館近くの
パリッシュ教会

レンガ造りの建物
   ハワース市街
   ハワース市街
   チェスター大聖堂
   チェスター大聖堂
高い天井
   チェスター大聖堂
中庭のモニュメント
男と女の人魚?
  チェスター旧市街
柱を見せる建て方に
特徴がある。
  チェスター市街と城壁
  チェスター市街と城壁
  チェスター市街と城壁

城壁はローマ時代の
遺産
  ストラットフォード・
アポン・エイボン


シェイクスピアの墓が
ある教会
   シェイクスピアの妻 
アン・ハサウェイ生家
美しい茅葺の屋根
   シェイクスピア生家
   シェイクスピア生家

(別の角度から)
   コッツウォルズ地方
バートン・オン・ザ・
ウォータ
  コッツウォルズ地方
バートン・オン・ザ・
ウォータ
   世界遺産
ブレナム宮殿


名宰相チャーチルが
生れた
石灰岩造り建物

大理石のヴェルサイユ
宮殿に比べると質素
  ブレナム宮殿 庭園

ヴェルサイユ宮殿と
類似
広さや大きさは小規模
  ブレナム宮殿 中庭
  バイブリー村

ウィリアム・モリス
(詩人)がイギリスで
一番美しい村と称えた
ところ

澄み切った小川には
水草が生えて綺麗だ
   バイブリー村
小川のほとりに建つ
しっとり落ち着いた
家並み
   バイブリー村
  ロイヤルクレッセント
曲線で構成された
一見、スタジアムの
ような建物

バース近郊
  ロイヤルクレッセント
の庭園の花壇
   
世界遺産
バース
ローマの大浴場跡
  ローマの浴場跡
円形の小浴場
英国で唯一の温泉
今も水が流れていたが、
不潔らしい。
  バース市街を流れる川
  世界遺産
ストーンヘンジ

緑の丘に巨大な石柱

何のため、何の目的に
建ったのか?不明
  ウィスリーガーデン
大庭園
国立園芸協会
  大庭園内
イングリッシュガーデン

生憎の小雨模様
   大庭園内
イングリッシュガーデン
を堪能する。
   バッキンガム宮殿
女王様の旗が見えない
  バッキンガム宮殿前
広場
  ロンドンアイ
世界第二位の大回転
展望塔

一位は上海に取られた
  国会議事堂
ビックベン


手前;テームズ川
   大英博物館

ここには何回足を運んだか。
この広さには感激する。
同時に広過ぎて疲れる。


大英帝国時代に略奪し、
持ち帰った遺産が並ぶ。
   博物館内;
 
ロゼッタ石
   博物館内;
 女性彫像
   ロンドン塔(城塞)

牢獄・拷問・処刑の場
ジュエルハウスには国王
即位の王冠、宝珠など
多数展示されている。
金、ダイヤモンドを
ふんだんに使ったもの。
写真禁止なので残念。
  タワーブリッジ
1894年完成
中央が跳ね上がる
  セントポール大聖堂
1675年から再建開始、
高さ111m、大建造物

巨大さと重厚さに驚く。


ご注意
イギリスは240ボルト(50Hz)を配電している。日本は100ボルトであり、そのままプラグを差し込むと電子機器は壊れるが、最近のデジカメ、ビデオの充電器は100ボルト〜240ボルト対応なので、そのまま使える。
注意すべきはケイタイ電話の充電器です。最近の海外でも使えるケイタイ電話の充電器は、100ボルト〜240ボルトまでそのままで使える。充電器の銘板を見ると、使用電圧が表示されているので、必ず確認することが大切です。
コンセントの形状が全く違うので、日本のプラグのままでは差し込めない。
これは電圧が240ボルトと高いので、安全の配慮をしているからです。 



ホテルの壁のコンセントとスイッチ、下の白い部品はどんなコンセントにも使えるプラグの写真です。T字の逆になった部分がコンセントで、下の2つの穴が240ボルトの端子、上の穴がロックのための穴で、ここに四角の棒を差し込まないと、プラグが挿入できない構造になっています。
下の二つの白いプラグを組み合わせるとうまく使えます。
白いプラグは組合わせでどこの国でも使えるように工夫されています。