2013年4月9日~10日
藤村を訪ね、小諸散策

 社用で、長野県上田市近郊にある青木村に出かけた。青木村は長野県小県郡青木村という何とも田舎風の名前で、大変自然豊かな場所である。
ここで、ハウス工場(あい友農園)を営み、『サンチュ』を通年栽培している。

今回は、大阪で『ジャンボびっくり見本市』というイベントがあり、サンチュを展示することになり、ハウスで育成していたサンチュを引き取りに出向いた。

いつもは、東京から上田までJR長野新幹線で約1時間で着く。
今回はマイカーで、名神、中央高速道を約450km走り、サンチュを50株段ボール箱に入れ、車に積んで運んできた。

青木村というところは、日本で一番日照時間が長い。周囲の民家の屋根には太陽光発電パネルが沢山取り付けられている。
この辺一帯には温泉がたくさんあるが、すぐ近くに、『ささらの湯』という温泉施設がある。ここは上田市が運営している温泉施設で、立ち入り湯が500円で入れる。大変いい温泉で、湯につかると、肌がすべすべになる。

ひとりで500Km近くを運転するのは少々不安があるので、今回は、家内を助手として連れて行った。彼女も高速道を運転することができるので、何かあれば変わってもらえるので安心できる。

上田市から20kmほどの距離に、小諸市がある。今回は小諸市に宿を取り、島崎藤村を訪ね、『懐古園』を散策した。
宿は藤村ゆかりの『中棚荘』という由緒ある年代を感じる木造旅館だった。
小諸の老舗旅館である。広い敷地に、建屋がいくつか増築されている。
 
平日だったので、泊り客が少なく、4部屋もあるゆったりした部屋を用意してくれた。部屋の名前が『初恋』というわくわくする名前の部屋であった。

チェックインした後、旅館から歩いて『懐古園』に行き、公園を散策した。
園内に島崎藤村記念館があったが、閉館時間だったので入らなかった。
懐古園の近くに『小諸義塾』という学校(校舎)がある。

小諸を流れる千曲川の周囲は、断崖になっていて、家内の話ではあれは氷河に削られた後ではないか?ということだったが、真意は分からない。
いつものように、何枚か写真を撮ってきたので、紹介する。

 中棚荘
   
中棚荘の玄関先
時代を感じる佇まい
   
玄関先の庭と食堂棟
 
書庫と、燃え盛る囲炉裏
落ち着いた応接
   
館内案内図
左は泊まった部屋「初恋」
   
旧館の藤村が泊まった部屋
一番奥にある
廊下に飾られている藤村の肖像
   
壁にかかった額と花飾り
   
水明館と案内板
   
館内の温泉と露天風呂
懐古園 
   
懐古園から千曲川を望む
右は園内の石垣
   懐古園の門と庭園内の池
   
園内の藤村記念館と
藤村の像
小諸城大手門 
 
小諸城の大手門
天守閣はなくなっている 
小諸宿本陣主屋 
 
大名の参勤交代時の宿 

 千曲川のスケッチ
私は盛んな青麦の香を嗅《か》ぎながら出掛けて行った。右にも左にも麦畠がある。風が来ると、緑の波のように動揺する。その間には、麦の穂の白く光るのが見える。
「学生の家」より

南風が吹けば浅間山の雪が溶け、西風が吹けば畠の青麦が熟する。これは小使の私に話したことだ。そう言えば、なまぬるい、かすかな西風が私達の顔をでて、窓の外を通る時候に成って来た。
「青春の熟する時」より
  http://www.aozora.gr.jp/cards/000158/files/1503_14594.html