2017年2月15日(水)
名門、東芝の行方は?
トランプ新大統領と安倍首相の会談が終わり、トランプ大統領から『尖閣諸島は日米安全保障の対象』との確約が取れた事、日本の対米自動車輸出問題に言及がなかったことで大喜びでお帰りになったようですが、ひとまず落ち着いたということでしょうか。 昨日のテレビで驚いたことに、アメリカ新政権内部が揺らいでいる感じがするニュースがありました。就任早々の重要ポストのフリン大統領補佐官(国家安全保障担当)が辞任しました。非常に慌ただしい動きを見せています。 日本では東芝の経営が揺らいでいます。ゴタゴタが収まらず、次第に名門が崩壊へ向かっているような気がします。東芝に何があったのでしょう? 東芝は、『虎の子』事業がいくつかありました。原子力発電事業・半導体フラッシュメモリー事業・医療機器事業・電車など運輸交通インフラ事業・白物家電事業・AV関連事業などですが、既に白物家電事業は東芝ブランドだけ残して事業は中国の企業に売却済みです。東芝の家電商品は従来の東芝製品ではありません。 MRIやマルチスキャンCTなどの先端医療機器事業は昨年、キヤノンに6000億円で売却済みです。売却先はキヤノンと富士フィルムが手を上げて競争しましたが、キヤノンが落としました。株式市場からキヤノンが割高の買い物をしたと言われていたが、この医療機器分野で本年度、数百億円の利益を稼ぎ、本業のカメラ事業部門や半導体製造装置事業部門の減収、減益をカバーし貢献しています。 東芝は売れる事業は売って、とにかく現金が欲しいという状況に至っています。 東日本大震災の福島原発事故をきっかけに、世界各国が安全基準の強化に乗り出しました。それにより設計の見直しや、工事のやり直しや、そのため工事の遅れが出て、従来のペースで工事が進まなくなったのです。 そういう中で、東芝は原子力分野を経営の大黒柱に据えて取り組んで来たのです。その結果、2016年度、原子力事業に於いて7125億円の赤字を出してしまいました。これにより東芝の純損益は4999億円の赤字となりました。前年も4794億円の赤字を計上しているので、2期連続赤字に陥ることになります。 2016年12月にすでに債務超過になっていたようで、2017年3月末の債務超過を避けるため、事業の虎の子の半導体事業を本体から切り離し、分社化して株式を売却し、その売却益で3月末の債務超過を回避したいということです。 昨夕、記者会見があり、その状況をテレビで見ましたが、どうやら会見当初は「株式の20%ぐらいを売却する」ということでしたが、記者に詰め寄られて、「過半数以上(マジョリティー)に拘らない」という話までされていました。 そうなると、東芝半導体事業は東芝から離れて、他の会社の名前や所有になってしまう可能性があります。 ここまで、電源を切っても記録が保持されるフラッシュメモリーに注力して、やっと日本の半導体技術が花を咲かせるところまで回復してきた矢先に、社内の他事業の赤字補てんのために虎の子事業を売ってしまわなければならないほど厳しい状況に堕ちいっています 中学生時代からラジオ少年だった小生にとって、東芝は『マツダ真空管』を造り、寿命が長く、性能が高い優れた商品として有名であった。 ![]() また、家電分野では、いろんな商品で国内初を商品化して、松下電器と並んで人気がありました。 この名門東芝がこういう状況になったのは、アメリカで名門の重電メーカであったWH(ウェスチング・ハウス)の原子力部門を買収し、その株式保有を87%にまで高めていました。東芝は原子力発電にかけたと言ってもいいかもしれない。しかし、結果は2017年度12月末で自己資本はマイナス1912億円債務超過になり、このままでは2018年度3月末で純損益が3900億円の赤字となり、再び1500億円の債務超過になる。 何故、このような巨額の赤字に陥ったのか不思議な気がする。 その経過を少し追っかけると、WHがアメリカ国内で受注した原発4基の建設工事費が当初見積もりより6900億円も増加したことが背景になっている。 2008年4月にボーグル3号機・4号機、5月にVCサマー2号機・3号機の4基を続けて受注した。WHは工事を行う子会社CB&ストーン・アンド・ウェブスター社を買収して工事の進行を早め、何とか収益の回復をしたい画策した。 それが裏目に出てしまった。世界の原発の安全基準は厳しくなり、これを満たすために設計変更や追加工事が必要になり、完成が遅れ、人件費なども増大しコストがかさんだ。 発注先の電力会社とWH、WHと工事会社のコストをめぐる訴訟など泥仕合をしている。 今後、まだ何か出てきそうな予感がする。 本当に東芝は生き残れるのだろうか? 半導体事業は順調に稼いでいて、事業価値として1兆5000億円ぐらいだそうだから、株式の20%を売却すると、手に入る金は3000億円ぐらいになる。これではまだ自己資本比率が安全圏とは言えないので、昨日の社長のテレビ記者会見でも、「予断を持たずに半導体事業の売却を考える」というような発言をしていた。 名門企業、東芝がなぜこのような状況に堕ちいたのか? 直接的には経営の失敗につきるが、一口に経営の失敗と簡単に言い切れない。 企業風土が大きく関与しているような気がする。 詳しくは社内に入ってみなければ分からないが。 ①正しいことや、本当の姿が経営に反映されない。⇒TOPが聞く耳を持たない ②『チャレンジ』という言葉で、数字だけの指標を目指し強権経営をしてきた ③経営の風通しが無くなってしまったこと このような状況は東芝だけだろうか? グローバル時代で、世界を相手に企業間競争が厳しくなると、どうしてもそういう経営の姿が定着してくるような気がする。 近年、日本の超大企業が潰れたり、潰れかけたりする事例をたくさん見てきた。 三洋電機、SHARP、松下電器、SONY、そして東芝、・・・・ 企業経営者の経営力、判断力が落ちてきたのだろうか? 一方で、日本電産のように、創業者(永守社長)が力強い経営を行い、世界NO.1のモーターの会社を目指し発展を続けている会社もある。 東芝と日本電産を対比した場合に、何がどう違うのか? よく見てみたい。 |
2017年2月11日(土)
ユビキタス・ネットワーク時代の到来
(ディスプレイの過去と現在と将来の夢)
パソコンや、ケイタイや、スマホ等の電子機器がたくさん身の回りに転がり、常に『つながっている』という日常生活になってきました。 『ユビキタス・ネットワーク』という言葉が10数年前に流行り、ITが進化すれば『いつでも・どこでも・ネットにつながる』という時代になると言われましたが、今はそれが当たり前になりました。 おかしなもので、周囲がそういう状態になれば、それが当たり前になり、何も感じなくなり、従来のままで過ごしている人を見ると、逆に変わった人だなというほど違和感を感じることがあります。 ケイタイやスマホはもう誰も持ち歩いていますので、持っているのが当たり前で、持っていない人が居れば『なぜ?』という感じになりますね。 電車に乗ると、周囲に10人いれば7、8人はスマホに興じています。ゲームをする人、メールをする人、ネットを見る人など様々ですが、最近、ゲームをしている人は一時より何故か減ったような気がします。 私はガラケー派でスマホを持ちませんので、その理由はよく分かりません。 テレビは100%、デジタル化され、ハイビジョンテレビに変わりました。画像は非常にきれいになりました。この綺麗なテレビを毎日見ていると、それが当たり前になり、特に何も感じません。 たまに、番組の中で、一部の画像が登場する時がありますが、『以前はこんな画質だったのだなあ!』と懐かしく思い出す程度です。 さて、最近は、IoT時代と言われるようになりましたが、このIoTとは、Internet of Thingsの略で、その意味は、『あらゆるものがインターネットを通じてつながることによって実現する新たなサービス、ビジネスモデル、またはそれを可能にする要素技術の総称』ということです。 ですから、IoTはつながることが前提ですが、もう一つの重要な要素は画面(画像)があることです。 人が情報を情報として理解するには、視聴覚または五感で得られるからです。その内で視覚は最重要で、それは画像から得ますが、その画像を表示するディスプレイについて触れてみたいと思います。 以前の古いテレビはブラウン管という一種の特殊な真空管でした。正しくはCRT(カソード・レイ・チューブ)の事で、電子銃と言われる部分から電子を発生させ、それを電子レンズと呼ばれる部分で細く絞り込んで、高電圧をかけて電子の束(ビーム)を加速し、蛍光塗料を塗ったガラス面に照射しました。電子が蛍光塗料に当たると光が出るという仕組みでした。 その際に、電子を画像信号に合わせて、強弱と、画面の上下・左右に移動させることで、画像を再生しました。これが白黒テレビや、以前のカラーテレビの原理でした。 それが、液晶テレビやプラズマテレビに変わりました。 液晶テレビとプラズマテレビは原理的には全く違う方式ものです。カラーテレビはどういう方式にしろ、R・G・B(赤・緑・青)の3つの色(光の3原色)を組み合わせで、いろんな色合いを再現します。 プラズマテレビは、RGBの蛍光塗料に電子を照射して直接発光させます。その際、RGBの超微細な粒々の蛍光塗料に対して、超微細な部屋(穴)から電子を発生させるのです。その電子の強さを変化させることで、いろんな色を再現させる構造でした。 ですから、画面の裏側に自発光するRGBの蛍光体が塗布されていました。 これに対して、現在のほとんどすべてのテレビは液晶カラーテレビになっています。 液晶という物質は電圧をかけると光を遮断する性質があり、光のシャッターのような働きをさせることができます。液晶は自分自身では光を発することができませんので、後ろから光を当て、その光を通過させるか、遮断するかの動作をさせるのです。 その液晶の前に、RGBのカラー模様の膜を置くと、RGBを通過する光の強さが液晶のシャッターで制御できます。そういう原理で、液晶カラーテレビが映るわけです。 液晶の窓の大きさは、半導体ICを造る技術の延長線で可能ですので、半導体ICの微細化と呼応してどんどん進化し、フルハイビジョンの画像の約207万画素を造ることが出来るようになりました。 フルハイビジョンは、横方向に1920個、縦方向に1080個の穴(ドット)で構成されていますので、縦横で約207万ドットになります。 その後、液晶テレビはRGBカラーフィルターと言われる膜が改良され、大変きれいな色で高精細度の画像を表現できるようになりました。また、バックライトと言われる液晶の後方から照す光として、当初は直径が数mmの細い蛍光管が何十本も使われていました。これは一般の蛍光灯より効率が高くて、スイッチオンですぐ点灯し、しかも長寿命でした。 その後、青色LEDが大量に安く生産されるようになり、バックライトは全てLEDに変わり、一層低消費電力化しました。 一方、プラズマテレビはパイオニア、日立、NEC、松下電器が製品化していました。 しかし構造的に微細な部屋(セル)を造ることが難しいこと、フルハイビジョンにすると画面が暗くなること、電気を食う(消費電力が大きい)こと等の理由で各社が撤退し、最後まで頑張っていたPanasonicは西宮市の巨大なプラズマ工場建設にもかかわらず撤退しました。このため、Panasonicは数千億円の損失を計上しました。 このプラズマテレビの特徴は、液晶テレビでは再現が難しいような微妙な色合いを自然に表現できる利点を持っていました。自己発光型ですので、色表現にすぐれていましたが、液晶テレビは各社が参入することで急速に周辺の技術改良が進み、省電力やコストダウン等の商品力で圧倒しました。 その結果、液晶テレビが対プラズマ戦争に勝利し、決着がつきました。 現在、店頭には4Kテレビと表示したテレビが沢山並んでいます。 これは通常のフルハイビジョンテレビは、約207万画素で構成されていますが、4kテレビはフルハイビジョンの4倍の画素数で、約800万画素になります。 2Kテレビ 1920×1080≒ 207万画素 4Kテレビ 3840×2160≒ 800万画素 8Kテレビ 7680×4320≒3300万画素 (注)2k、4k、8Kという呼び方は、横方向の画素数で表現したものです。 全画素数で言うなら、2kに比べて、4Kは4倍、8Kは16倍になります。 日本では2018年に4Kや8Kテレビ放送が始まる予定ですので、東京オリンピックは現状の2Kハイビジョンテレビ放送(地デジ)に加えて、4Kや8Kテレビで見ることが出来ます。未だ現状では放送がされていませんので、デモ用画像でしか見ることが出来ません。 4Kや8Kテレビの放送は、地上波電波では送るための電波の空きがありませんので、BS(放送衛星)や、110度CS衛星を使うことになります。 少し難しい話になりますが、きれいな画像を送るためには、電波の占有帯域という 周波数の幅が必要になります。これはきれいな画像は沢山の情報量が必要ですので、それを送るための電波の幅と考えれば理解できます。 大量の荷物を運ぶには、幅の広い高速道路でないと運べないのと同じことです。 今までのフルハイビジョン(2Kハイビジョン)は、アナログテレビ時代に使っていた電波の幅と同じ1チャンネル当たり6MHzと言う周波数占有帯域で送っています。 これが地上波デジタル(地デジ)です。 この地デジ電波はアナログテレビから切り替える際に、周波数をUHF帯域という高い周波数に移行しました。ですから地デジを受信するアンテナはUHF用ですので、形が小さくなっています。従来のアナログテレビはVHF周波数を使っていましたので、受信アンテナは結構大きかったのです。 VHF帯周波数:30MHz~300MHz UHF帯周波数:300MHz~3000MHz(3GHz) 周波数が高くなると、電波の波長が短くなりますので、アンテナも小さくなります。 さて、4Kや8Kテレビを受信するには衛星からの電波を受けることになります。 4Kや8Kテレビ放送は、1チャンネル当たり34.5MHzという広い周波数占有帯域を使いますので、パラボラアンテナで受信するか、ケーブル回線か光回線で受信するかです。 現在、4K対応テレビは店頭に並べられ販売されていますが、これは4kの放送がされていませんので、受信画面は2Kフルハイビジョンと同じになります。4Kの画質にはなりませんので、買う際は注意して下さい。 今売られている4K対応テレビは4K放送受信チューナが内蔵されていませんので、 4K放送が始まると、別途パラボラアンテナを設置するか、ケーブルか光ケーブルと契約するかが必要になります。 その上で、4K受信用チューナとハイスピードHDMIケーブルで4Kテレビと接続して 初めて4K放送が4K画質で見ることが出来ます。 もうすぐ、4Kテレビが商品化され発売されるはずです。 4Kや8Kの放送が開始されても、地デジのフルハイビジョンテレビ放送は継続されますので安心して下さい。 50インチテレビ程度の大きさなら、通常、家庭でテレビを見る上では、4Kや8Kテレビとの画質の差はあまり感じられないと思います。 IoTというテーマに戻すと、究極の高画質・低消費電力を実現するテレビやディスプレイは、有機ELということになります。 有機ELとは、organic light emitting diodeの略です。 現在、有機ELを商品化しているのは、韓国のサムスン電子の子会社サムスンディスプレイだけです。 テレビ用としてLG電子が商品化している有機ELテレビがありますが、構造的に全く違うものになります。 有機ELは材料自体が自ら発光する性質を持っています。自家発光しますのでバックライトが不要で、省電力・薄型・軽量化が可能になります。有機ELは電圧をかけると発光します。RGBの3原色を発光するので大変きれいで、明るいディスプレイが実現できます。 ただし、現状では製造技術の課題が沢山あり、量産が難しく歩留まりの問題も大きな課題です。有機ELの製造方法は、真空蒸着という方法で真空装置内で固形の材料を加熱し蒸発させ気化した材料を基板に蓄積させるのですが、3原色の材料をミクロン精度で塗布する技術が非常に難題になっています。ですから、現状の技術では大きな画面を量産することができません。サムスン電子だけがスマホ用として量産に成功しています。 JG電子の有機ELテレビは、サムスン電子のスマホ用の有機ELとは全く違った方式です。これは白色発光する有機ELを基板に一様に真空蒸着します。その上にカラーフィルターを形成し、RGBカラーを得る方式です。この方式は歩留まりが高く、大画面でも量産が可能ですが、カラーフィルターを通してRGBを得ることになりますので、発色の色領域が狭くなり、色の再現性が自家発光タイプに比べると劣ることになります。 また、フィルターを通すため画面の明るさが犠牲になりますので、消費電力が液晶に比べても劣るようです。 3原色独立発光方式の大型テレビが将来量産できるかどうかは、今のところ未定です。何か、技術のブレークスルーがあれば道は開けるかもしれません。 それまでは、現状の液晶テレビの改良が進められるはずです。 サムスン電子の有機ELディスプレイを採用したスマホを手に取ってみたいですね! |
2017年2月10日(金)
地デジとBSテレビをeo光に変更
テレビの地上デジタル放送が2011年7月に完全移行して、早くも6年あまりが過ぎました。デジタルテレビハイビジョンの映像は、それまでのアナログテレビ放送時代とは隔世の美しさで、うっとりするぐらいでした。 我が家は生駒山の送信所から距離的には近いのですが、生駒山系が入り込んだ山合いにあり、それまでのアナログテレビはゴーストが出て、画像の輪郭が2重、3重になり、ボケたような感じで見苦しい状態でした。 この原因は電波が飛んでくる間に、山で反射した電波と直接届く電波の僅かの時間差でそういう現象が起きていました。アナログ放送では取り除くのが非常に難しい現象です。FM放送でも同様に、音がグジュグジュと雑音のような歪音が聞こえます。 それを低減するためには直接届く電波の強さを強くするか、反射して届く電波を弱くするかです。ですからアンテナの高さをできるだけ高くすれば、直接波を強く受信できますから、各家の屋根の棟にアンテナを上げていたのです。 それが、地デジ(地上波デジタルテレビ放送)に変わって、このゴースト現象がゼロになり、非常に鮮明な画面になりました。しかも我が家はPanasonicのプラズマテレビの最後の頃の商品ですので、フルハイビジョンで受信できますから、画質はとても優しく綺麗で最高です。 さて、我が家は地デジ放送(UHF電波)とBS放送を受信するアンテナは自分で設置しました。地デジはアマチュア無線タワーの中間ぐらいの位置に固定して、生駒山と神戸方面に向けて2個取り付け、二つのアンテナの信号を混合器で1つにしています。さらに、玄関の隅にBSパラボラアンテナを高さ1m程の位置に取り付けて受信し、その信号を同軸ケーブルで15mほど引っ張り、先ほどの地デジの信号とブースター(増幅器)につないで、電波を増幅して、各室内のテレビ受信用端子に接続しています。 テレビは1階の居間にPanasonicプラズマ50インチテレビがあり、2階の自分の部屋に28インチ液晶テレビがあります。 今まで順調に映っていたのですが、時々、雨や気象条件で画面にブロック模様が出ることがありました。これは電波の伝わり方が悪い時に出る症状で、電波はある一定のレベルより下がると、画面が固まったり、画面の中に黒い四角の部分が表示されたりします。デジタルテレビの特徴です。 以前のアナログテレビでは、電波の弱い場合は雑音によって、画面が薄くなったり、雪が降ったりするようなノイズが多い画面になりました。デジタルテレビでは、正常に映るか、それ以下の電波では画面が固まったり、ブロックの画面が出たりします。 数日前から、テレビ大阪(7チャンネル)だけが映らなくなりました。リモコンでアンテナ入力レベルを表示させますと、極端にテレビ大阪だけ受信レベルが下がっていました。今まで入力が40(デシベル)だったものが、なぜか急に20(デシベル)しかありません。半分です。少なくても38以上ぐらいないと映らないので、20では到底何も映りません。 原因不明でしたので、リモコンで再度、テレビの全チャンネルのチューニングを取り直しますと、何とかテレビ大阪で40ぐらいの数字に戻りました。これで現在は全チャンネル正常に受信できています。 アンテナや同軸ケーブルなどは長年の使用で劣化します。その結果、受信感度が次第に落ちてきますので、これを機会に思い切って、eo光テレビを申し込みました。 既に、10年ほど前からeoネットを使っていまして、光電話とインターネットは光ケーブルになっていますので、今回はケーブル引き込み工事はなくて、今使っている光ケーブルにeoテレビ受信端末を設置し、室内の同軸ケーブルの基に接続するだけとなります。 今日は、係員の方に来て頂き、現調(現地調査)をしてもらい我が家のテレビ受信システムを説明しました。 工事は後日(2週間ほどかかるかも?)になるという話です。 最近、UHFやBSパラボラアンテナで受信する方法から、インターネットや光電話とテレビの組み合わせで契約する人が増えてきたようです。 光テレビなら電波が十分高いレベルで送られてくると思いますので、今後は受信障害は起きないと期待しています。 しかし、光ケーブルが何かの原因で切断されると、全く映らなくなりますが、・・・・。 工事は完了しましたら、電界強度(電波の強さ)を図って、この続きを報告します。 |
2017年2月8日(水)
「話を聞いて下さい」
(作者不明)
私の話を聞いて下さいと頼むと、あなたは助言を始めます。 私はそんなことを望んではいないのです。 私の話を聞いて下さいと頼むと、あなたはその理由について話し始めます。 申し訳ないと思いつつ、私は不愉快になってしまいます。 私の話を聞いて下さいと頼むと、あなたはなんとかして 私の悩みを解決しなければという気持ちになります。 おかしなことに それは私の気持ちに反するのです。 祈ることに慰めを見いだす人がいるのはそのためでしょうか。 神は無言だからです。 助言したり調整しようとはしません。 神は聞くだけで 悩みの解消は自分にまかせてくれます。 だから あなたもどうか黙って私の話を聞いて下さい。 話したかったら、私が話し終わるまで少しだけ待って下さい。 そうすれば私は必ず、あなたの話に耳を傾けます。 |
ある研修会で、講師から配られた資料の中にあった『詩』です。
インターネット上にも掲載されていますので、拝借しました。
作者不詳と書いていました。この詩には何か訴えるものがある
ような気がします。聞く事の神髄を表現されているからでしょう。
2017年2月7日(火)
トランプ大統領の家系も移民家族だった
ドナルド大統領は難民移住の入国拒否の書面にサインして、世界から批判され大騒動を起こしているが、アメリカ司法裁判所が大統領令を無効として扱う仮処分を出し、今は何とか、難民のアメリカ入国ができているようですが、大統領はこの司法裁判所の決定を無効として争う手続きを取ったとか、大変な状況になっています。 2月2日(2月5日一部改訂)の記事でも少し触れましたが、アメリカ合衆国という国がヨーロッパや日本や中国と違い、移民で発展を遂げてきた国であることに興味を持ち、ドナルド・トランプ大統領のルーツを家系図に表してみました。 ![]() ヨハネの病気の治療にお金を使ったので、家計は貧しく、フリードリッヒは14歳の時に近くの街に理髪師の修行に出て毎日休みなく働いたが、彼が16歳(1885年)の時にドイツのブレーメン港から蒸気船アイダー号に乗り込み10日間かかって新大陸に向かった。 ニューヨークには姉のカタリーナが既に結婚して住んでいた。また、当時、ニューヨークはドイツ人の移民が多く、移住者協会の受け入れ態勢ができていた。 フリードリッヒという呼び方はドイツ語の名前だったので、英語のフレデリックと名前を変えた。彼は理髪師として、ここで6年間、理髪師として働いたが、それで満足せず、自分がコツコツ貯めた金と、姉からも資金援助を受け、1891年大陸横断鉄道に乗り西海岸のシアトルに移った。当時のシアトルはひと月で人口が1000人も増えるという活況を呈していた。 フレデリックはこの頃から金儲けの才覚を発揮し出した。 多くの人が西海岸地方の開拓に集まってくる。彼は数百ドルで粗末な建物を買い求め、飲食店(the Dairy Restaurant)を始めた。この頃、アメリカ合衆国の市民権を得ている。 1894年にこのレストランを売却し、ワシントン州のモンテ・クリストに移った。これは金鉱が見つかったのでゴールドラッシュを当てにしたものだったが、めぼしい鉱山が見つからず、再びシアトルに戻った。 その後、ユーコン川で砂金が取れるという噂が広まり、一攫千金を夢見る人々がアメリカ全土からこの地に集まり、いわゆる『ゴールドラッシュ』が起きた。金を目当てに危険な場所で働く人々は、酒と女(セックス)に目がない人たちだった。 フレデリックは、なぜか金鉱や金採掘には直接手を出さず、そこで働く人々に彼らが求めるものを提供した。それが宿と酒と女である。それで大儲けした。 その後、ベネットやホワイトホースでレストランやホテル経営など手を広げ大当たりしたが、ゴールドラッシュが収まりかける直前に、売春などの規制が強まることを察して、この商売を切り上げ、ドイツに帰国し、32歳の青年実業家として故郷に錦を飾った。 彼は『アメリカンドリーム』の成功者として一躍名をあげた。 そして、1901年に凱旋帰国し、実家近くの幼なじみだったエリザベート(エリザベス)当時20歳と1902年に結婚しニューヨークに移住した。ニューヨークでは理髪店も経営し大当たりした。しかし、彼は1918年、当時流行していたスペイン風邪にかかり49歳で急逝した。 フレデリックとエリザベスとの間には3人の子供が生まれ、長男がフレッド、長女(姉)と弟が居た。フレッドは1905年にニューヨーカとして生まれた。彼はニューヨーク近郊の街で労働者のために住宅建設業を営み、アパートが多い中で彼の建てる家はレンガ造りの高級な感じで大変人気があり、事業は急拡大した。それを支えたのは彼の母だったエリザベスとの共同経営の会社運営にあった。エリザベスもフレッドも共に経営者としての資質に富んでいたようだ。この当時、ニューヨーク周辺の地でトップの住宅建設会社に成長した。 フレッドは実直な性格で、事業を着実に伸ばしていった。フレッドはメアリーと結婚した。妻のメアリーは18歳の時、スコットランドのルイス島から移民としてやってきた。10人兄弟の末っ子で、1912年生まれで、2000年に生涯を閉じている。 この二人の間には5人の子供ができ、二男として生まれたのが、主人公のドナルド・トランプである。ドナルドについては、すでに2月2日の記事に掲載したので読んでほしい。 ここで、驚くのはゼロから移民としてスタートしたトランプ家が移民3代目で、大富豪になり、かつアメリカ合衆国第45代大統領に上り詰めた事だ。 まさに、アメリカンドリームを地で行くような話だ。フレデリックがアメリカに渡った時に持参した金と、現在のトランプ家の資産の増大率は1000万倍以上にもなりそう。(注) しかもお爺さん、おやじ、本人の3世代でそれをやってのけた。 この3人には、それを実現にするための才覚と、強烈な上昇志向を持ち合わせた事だ。 祖父のフレデリック(フリードリッヒ)は理髪業から身を起こし、ゴールドラッシュで沸き返る人々に一番飢えているものを提供することで金儲けをした。 これは世の中のニーズを見てとり、うまくそれを提供したと言える。わずかな元手で店を出し、次第に大きくしていった。そこにゴールドラッシュという千載一遇のチャンスが訪れ、その波を掴み、うまく乗った。波が収まりかけるのを早く察するや、すぐ身を引くという引き際も素晴らしい才覚を持っていた。 父のフレッドは不動産業を営み、ビジネスセンターとして大発展するニューヨークの中心街マンハッタンに勤務する労働者に、近郊のブルックリンやブロンクスやクィーンズ地区に高級感のある個人住宅を提供した。これが大当たりして、フレッドはこの地区の建設業NO.1となり、トランプ王国の礎を築いた。 そして、ドナルド・トランプは父の着実な住宅不動産業から、新しい時代の高層複合ビルをニューヨークの5番街の目抜き通りに建て高級を売り物にし大成功した。 この3人に共通する特質は、 ①並外れたビジネス感覚(嗅覚)や、ビジネス才覚を持つこと ②3人とも強烈な上昇志向の持ち主である事 ③妻たちは3人とも貧しいヨーロッパの環境の中で生きてきた強い精神力と体力を持ち合 わせた人たちだった事 そういうたぐいまれな強烈な遺伝子が組み合わされ、3代にしてアメリカ大統領を育んだと言えそうだ。 (注)祖父がドイツを出国した際に持参したお金を数百ドルとするなら、現在のドナルド・トランプ氏の総資産は約5000億円と言われていますので、3世代の間に、その伸び率は、ざっと1000万倍以上になります。 しかし、これに驚いていては世間知らずです。 パソコンのOS;Windowsを開発したビル・ゲイツの総資産は何と9兆5000億円です。 ちなみに日本の全法人税収が10兆円でした(平成26年度) アルゼンチンとギリシャの国家予算合計が約10兆円ということですので、ビルの資産は国家予算並みと言えます。 世界の富豪で10億ドル(約1000億円以上)の人は1,826人も居ますよ。 |
2017年2月2日(木)
2月5日一部改訂
トランプは断絶の時代の異彩の大統領だ!
トランプ新大統領に、安倍総理の日本の常識が通じるか?
ドナルド・トランプ 第45代アメリカ合衆国大統領 1946年6月生まれ、身長191cm 大柄で、エネルギッシュで、赤ら顔で、目の周りがなぜか興奮すると白っぽく見える。 そして演説中によく指をさす。また周囲の女性連中は美人が多い。 圧倒して世界NO.1の注目を集める人物で、アメリカ大統領としてこれだけ話題を集めた人はいないだろう。世界一の経済大国、アメリカ合衆国大統領として、並外れた過激で、型破り、常識破りの発言や行動を繰り返している。そして、その周囲の批判を全く意に介しないばかりか、むしろ楽しんでいるように見えるところがすごい! 言っていることが間違っていれば大変なことになるが、必ずしもそうではない。やはり、一理があることを言っている。彼の発言や行動は従来の常識の延長線上のものでなく、違った価値観によるものなので、一挙手一投足が非常に目立つ。人が代わればものの見方や考え方が違うということである。 トランプ氏はストレートに行動や言葉に出してしまうので、国の最高責任者として今までの、どの大統領より過激で、異彩で、独断的で、妥協しないで、周囲の空気を読まず行動や発言が続いている。これは一面素晴らしいことで、尋常ではできるものではない。 大統領選挙中も、そのスタイルは同じであったが、本人も、周囲の誰もが大統領にはなれないと思い込んでいたようだが、あまりの過激さと異質さが際立ち、『ひょっとしたらやってくれるのではないか?』という期待に変わったのかもしれない。 『彼ならやってくれる!』という期待をアメリカ国民が持ち始めたことは事実だ。 言い換えると、それだけアメリカの社会に根強い不満が鬱積していると言える。 その不満の原因は富の偏りであり中間層の没落または消失であり、ごく一部の上流富裕層と大多数の貧困層にアメリカ社会が二極分化してきたことによる。 従来、貧困層はヒスパニックと呼ばれる人々に多かったが、最近、白人系社会にも広がってきている。白人系の工場労働者、いわゆるブルーカラーの人たちだ。工場が無くなったので、働く場が無くなり、仕事が無くなり、そして貧困化した。その不満のはけ口として登場したのがトランプと言える。 ドナルド・トランプはトランプ財団を牽引し、財を成した人物であり、大金持ちの人物である。大型のジェット旅客機(ボーイングB757)を所有し、アメリカはもとより、ヨーロッパを飛び回っている。政治家とは縁もゆかりもない財界人だ。 本屋に行けばトランプ関連の本が山積みされ、ネットからいくらでも情報が手に入る。先日、下記の文春新書版、ドナルド・トランプ『劇画化するアメリカと世界の悪夢』佐藤伸行著780円(税別)を見つけ読みつつある。 本の見返りには次のように記されている。 ![]() トランプはレーガンの劇場型政治を模倣しているが、俳優というより劇画コミックの主人公だ。トランプ自身もそのことを自認している。大統領選も自分のビジネスに利用する男が本当に世界最重要国の大統領になってしまうのか? この本は、初版が2016年8月20日発行なので選挙中だったため上記のような?記述になっている。その内容は詳しく調査、整理されていてトランプ大統領の家系や生い立ちや子供の頃からの性格や、大人になってからの行動などが分かりやすく書かれている。 目次を上げると 序 章 トランプとレーガン 第1章 トランプ家創業者はドイツ貧農 第2章 トランプを造った男 第3章 トランプはやはり問題児だった 第4章 トランプの結婚 第5章 トランプのビジネス 第6章 政治家トランプの肖像 第7章 トランプと「怒りの時代精神 第8章 トランプの宗教戦争 第9章 福音派とトランプ 第10章 封じ込めドクトリン あとがきに代えて、21世紀の「アメリカ問題」 となっている。 トランプという異彩な人物を知り、今後のアメリカを観察するには良いお手本だ! ドナルド・トランプ氏の生い立ちなどに少し触れると、トランプ家のルーツは、祖父がドイツ、ラインランド地方の貧農の出身で、フレデリック・トランプという人で、アメリカに渡り移民一世としてよく働き、酒が好きで49歳で亡くなっている。エリザベートと結婚し、3人の子供に恵まれた。 この3兄弟の第一子は女でメリーアンと呼んだ。メリーアンは成績が良く連邦裁判所判事も務めた。第二子のフレッド・トランプは長男で、この人がドナルド・トランプの父親である。 ドナルド・トランプのお祖父さんは、ビジネスの才覚のある人で、人が集まるようなところに安い宿を造り、居酒屋を併設し、娼婦も置いてアメリカの開拓時代の活気あふれる時代を上手く生き抜いてきた。世の中の主流の事業に手を出すのではなく、主流事業の傍流で設けた人と言える。宿、酒、女の3拍子は開拓時代の大きな要素だった。 フレッド・トランプはニューヨークで生まれ育ったニューヨーカーで、大工仕事が好きで、母のエリザベートと『エリザベート・トランプ・アンド・サン』という会社を造り、住宅建設業を営み大成功した。しかし、1929年に起きた第一次世界大戦後の世界大恐慌による株価大暴絡や不況で経営が苦しくなったが、スーパマーケットなど今までなかった商品の売り方でこの苦境を凌いでいた。その後、フランクリン・ルーズベルト大統領のニューディール政策による住宅建設促進等の大型公共投資で、今までの逆風が急に追い風に変わり、ニューヨーク近郊のクイーンズ地区やブルックリン地区の庶民の一般住宅建設を手掛け、ブルックリン最大の建設会社になった。レンガ壁のアパートをたくさん建てた。 この父親のフレッド・トランプは勤勉な人で、実直な性格で、事業の目線は常に庶民を相手にしたものであった。子供のドナルド・トランプに対しては、常に上昇志向を植え付けるような「一番になれ!」とか「とびっきりの人になれ!」というような言葉をかけていたそうだ。 母親はメアリーで1912年生まれ、10人兄弟の末っ子だった。第一次世界大戦で出兵した多くの若者が戦死し、結婚相手が少なくなったこともあるが、18歳になった1930年、アメリカへの渡航を決意し、身一つでイギリスの北部、スコットランド最果ての島ルイス島を捨て、アメリカにやってきた移民一世の人で経済難民だった。 そして、パーティでフレッド・トランプと知り合い1936年に結婚し5児の母親になった。母親のメアリーは社交的で陽気で快活な性格で世間の注目を浴びるのが好きだった。ドナルド・トランプは、この母親の性格を譲り受けたものだと言えそう。 子供の頃のドナルド・トランプはガキ大将で、やんちゃ、わんぱく少年だった。素行が悪かったようだ。父親は厳しく育てるため、新聞配達をさせていた。しかし、ドナルドの素行に手を焼いた父親は学校を転校させ、ニューヨークの『ニューヨーク・ミリタリー・アカデミー』(陸軍幼年学校)という軍の規律を教える寄宿舎(学校)に入れた。そこで、自分勝手な行動を慎むことに気付かせる期待をしたようだが、本人の性格は変わらなかった。 その後、ドナルドは大学に進み、フォーダム大学や、ペンシルバニア大学経済学部(ウォートン校)を卒業し経済学士号を取得した。本人の自叙伝では優等生として卒業したと言っている。 社会人になっても、ドナルドの自己顕示欲は旺盛で、ニューヨーク5番街の目抜き通りにトランプタワーを建設し、高級アパート、ショッピングセンター、テナントオフィスなどの高級複合ビルを建てた。この一等地を手に入れるのに、彼は3年間地主と折衝し、たまたま地主が経営的な問題を抱え、この土地を手放すことになり、千載一遇のチャンスをものにし買い取りに成功した。その後、ビルオーナー・資産家として成功の道を歩みだした。また各地にトランプタワーを建設したが、すべての建物が事業として成功したわけではない。 父親フレッドは常にビジネスの目線は庶民を相手にしたもので着実であったが、ドナルドはそうではなかった。儲けるためには手段を選ばずというスタンスであった。 一般に、アメリカの富豪は慈善事業や活動に精を出す人が多いが、ドナルド・トランプは殆ど興味を持たなかった。このようなアメリカ人は珍しいと言われる。 ドナルド・トランプについてはそういう人物像が浮かび上がる。 日本の政治家、特に安倍総理のような政治家の家系ではなく、祖父が貧しいドイツからの移民で、その後、宿や居酒屋や売春宿などを併設し儲けた。そういう機転の効く才能があったらしい。父親は実直に建売の建設業を大きくした。そういう事業家として食うか、食われるかのビジネス世界を生きてきた家系の出身者である。 そして子供の頃から徹底してたたき込まれた上昇志向、第一主義の志向が身に着いたドナルドは他人から言われたことを『はい!そうですか』と聞き入れるはずがない。 日本は2017年度国会が開催中で、連日、テレビ、ラジオで中継されているが、『丁寧に説得する』というスタンスの国会答弁になっているが、ドナルドは果たしてそういう手法が通じる相手だろうか? 昨日、民進党の辻本清美さんが、『総理は人が良すぎる。相手の手の内で転がされている』というような質問とも、提言ともいえる発言をしていたのが気にかかる。そうならないことを祈っているが、多分、ドナルドは聞き入れないだろう!。 他の人ならうなずけるが、トランプには『説得』という態度でいくらやっても通じないように思える。彼は説得できない人だというスタンスで臨む方がベターかもしれない。 彼が、『どう考えて行動し、発言しているのか』を分析すれば、トランプに対する対応策が見えてくるような気がする。 ドナルドの原点は、アメリカ人(白人)の雇用を増やすことが中心に据えられている。 中国や日本が大量の電気製品や自動車を持ち込んだため、アメリカの製造業が無くなり、白人の工場労働者の雇用が無くなったと言う発言が繰り返されている。それは、今の日本の姿にも通じる。 家電業界の工場は中国などに移り、日本の工場は消滅寸前の状態で、青息吐息になっている。アメリカはこの状態が既に数十年前に起きている。 しかし、アメリカは順調に発展してきたともいえる。アメリカ経済が持ちこたえられたのはデジタル化やIT化の新しい技術開発の流れの中で、新しい産業である半導体産業や、コンピュータソフトウェア、パソコンのOSなどで活路を開いてきたからだ。 現場の作業レベルの仕事や労働集約的な仕事を他国(後進国)に移管しながら、先進技術や、頭脳労働を切り開いて世界に供給し、大もうけしたのである。 しかし、一般のアメリカ国民からみれば、昔、中間層を形成していた工場(製造業)の現場で働くブルーカラーの労働者が居なくなった。それは工場が無くなったからだ。 だから、アメリカは輸出に比べ、膨大な輸入を計上している。これは一般商品(生活必需品などのコモディティ商品など)に対して貿易バランスの問題である。 知的財産権(特許料)や、マイクロソフトやアップルなどのコンピュータソフトウェアの売上費は計上されていない。 アメリカは世界の工場としての役割は終わったが、それに代わる新しい知的産業は相変わらずアメリカが主導している。このことにドナルド・トランプは触れていない。 しかし、彼は第二次産業(製造業)の工場を復活させ、それによりアメリカ人(白人)の雇用を確保するためには何でもやる!と言い切っている。TPP離脱も、FTAの見直しもその一環だと言っている。 これができる力は、アメリカなら可能かもしれない。 なぜなら、アメリカ合衆国の国内消費額は相変わらず圧倒的に世界一であり、非常に大きいマーケットがあるからだ。だから国内需要を見込んでモノづくりをしても十分採算が合う。その真逆は韓国だ。韓国は国内需要が日本の国内需要の半分以下であり、韓国は自国の市場を相手にモノづくりをしてもペイできない。 サムスンも、LG電子も生産品の大部分を輸出することで成り立っている。特にアメリカ市場向けが大きい。これがストップすれば韓国の製造業は大打撃を受け、国の経済は成り立たないはずだ。 日本の自動車についてドナルド・トランプは大量の自動車を持ち込んだため、アメリカのDMやフォードやクライスラーなどの3大自動車メーカは大打撃を受けた。だから日本車には高い関税をかけるというような発言を繰り返している。一見、当たり前に見える内容であるが、これは間違っている。 自動車のような高額なものを買う際は、安くて、性能が良くて、燃費が良くて、故障しないで、デザインが良くて、安心して乗れるものを吟味して買う。 アメリカの自動車メーカがそういう条件に合う車を造っていれば、日本車の入る余地がなかったはずだ。何も日本車をわざわざ買うことはない。 その証拠の一つとして、テスラモーターズというEV(電気自動車)の会社は、全く新規の会社として立ち上げたにも関わらず、急速に成長を遂げている。 メーカのモノづくり競争に負けたことを認めないで、現状の貿易収支や、雇用だけに焦点を当てて政策に反映するなら国民のためにもならないし、世界秩序が乱れる。 しかし、ドナルド・トランプのスタンスは明快だ! 彼の判断基準は『ディーリング(取引)』である。要は『儲かるかどうか』だ! 『損することはしない』『それをやればアメリカが儲かるのか?』これが彼の判断の基軸にある。 さて、10日に安倍、トランプ会談が行われるそうだ。 あいかわらず『丁寧に、時間をかけて説明し、理解を求める』というスタンスのようだが、これで課題解決につながるだろうか? 相手は一方的な商売人だ! 共存共栄、三方善しという日本の商売の考え方が伝わればいいがさてどうなるか? 多分、ノーだと思う。以上は私見です。 『ドナルド・トランプ』の新書は途中までしか読んでいないので、読み終えれば再度、感想を書いて見たい。 |