2013年12月19日~20日
洲本温泉と北淡震災記念公園を見学

今年も残り少なくなりました。例年のことですが、この時期になると一日が経つのが早く感じられます。
車のページにも載せましたが、年末に車を入れ替えました。注文は9月中旬にしたのですが3か月待ちで、やっと入ってきました。ディーラから連絡がありましたのでFIT3ハイブリッドで走ってみたいと旅行を計画しました。

 当初の予定は11月末の納車と聞いていましたので、ちょっと遠乗りして玉造温泉旅館に予約を入れました。1週間、2週間と納車日が遅れ12月も半ばになりました。
 
 この頃になると山陰地方は雪が舞う季節になります。大阪から車で島根に行くには中国自動車道を走り、落合JCTから米子道に入り蒜山高原を走り山越えをします。
 この付近は雪が多い地方ですので、注意が必要です。

 アマチュア無線で米子の局と交信し情報を集めました。みなさん、慣れない雪道は事故が多い、特に雪が降り始める季節は特に大事故になるので、止めたほうがいいと言われました。そういう局長さんが何人か居られましたので、忠告に従い今回は島根行きは止めました。今年は出雲大社の遷宮で観光客でにぎわっているようです。

 納車日が12月15日(日)に決まり、19日に出かけることに決めました。天気予報では寒波がやってくるということでしたので、「カニ」を諦めたのが正解でした。
 
 近場で雪の心配がない淡路島の洲本温泉にしました。淡路インターナショナルホテルというすごい名前のホテルを予約しました。

 家からホテルまでの距離は150Kmほどですので、玉造温泉に行く半分ぐらいです。所要時間は2時間程度ですので出発は10時過ぎにし、中国道から山陽道、明石大橋、淡路高速道路を走り、北淡ICで降りて、神戸・淡路大地震の震源地付近の北淡町にある「北淡震災記念公園野島断層保存館に行きました。
入館料700円(大人一人)

 典型的な直下型地震で、地割れ・断層など生々しい状態が保存されています。
保存のために鉄骨で建屋を作り、屋根で覆った建物の中に恐ろしい地震の跡が保存されています。

 この公園内に立派な鉄筋コンクリート造りの民家が一軒建っています。この家は基礎や構造が鉄筋コンクリートでしっかりしていたので、家はヒビが入った程度で、「地震後数年間持ち主が生活していた」と案内書に書いていました。

 その家の周囲はコンクリート塀が張り巡らされていましたが、まっすぐの塀は土地が1.2m水平にずれ動いたため塀が2mほど『く』の字に曲がっていました。
 上下には30cm断層があり、水平方向に1.2mも動いたようです。大きな断層のずれは1m以上もあったそうです。

 福島第一原発は地震による大津波で全電源喪失により原子炉の冷却不能に陥り、メルトダウンによる水素爆発を起こし放射能汚染を引き起こした。幸い、炉心爆発という最悪のシナリオの一歩手前で留まったが、未だに終息のめどが立たず、今後何十年もかかると言われている。
 
 
この野島断層保存記念館で見た光景は福島の光景とは大きく異なります。
地層のずれ、活断層が上下、左右にずれる! 直下型地震のすごさを初めて目にしました。
テレビ映像で世界の地震など時々報道されているが、現地の姿を自分の目で見たのは初めての経験でした。
 我々が生活している日頃見慣れている地面の姿と、地中の姿が大きく違うことを知りました。

 
 原子力発電所が日本の狭い土地、海岸線上に54基も並んでいる。
 この記念館内には、地球上の火山地帯を赤い点でプロットした地図が架けられている。(下の写真を見て下さい) 日本列島の火山帯は点々というより、世界地図上で見れば赤い線状に見えます。

 この火山や活断層が至る所に分布した日本で、原発施設に対して、津波による被害の対策は今回の福島第一原発の教訓を生かせばできるかもしれない。しかし、それも想定範囲内のことしかできない。想定を上回る津波が来れば、また同じようなことが起きる。
ここでは、百歩譲って津波対策はできるとしましょう。
 
 しかし、断層や火山の噴火が原発の直近または最悪、直下で起きない保証は全くないのです。現に民家の30cm離れた所に野島断層が走っていたので、水平方向に1.2m、上下に30cm以上もずれた現場を見ました。テレビのニュースで、原子力委員会と電力会社が『活断層だ!』『いや、何十万年も動いていない!』と互いに言い合いをしている。滑稽な話だ!
 活断層でなくても、断層があれば動かない保証はない。保証がなければ原発は造ってはならない。
 
 直下型地震が原発の直近、直下で起こればどうなるだろうか?
 炉心や重要施設は耐震設計や耐震構造、耐震工事で守られるかもしれない。しかし、原発には無数の配管が走っている。水などの液体を流すいろんな太さの管が無数にあり、また電気ケーブルの配線やケーブルを覆うための管も無数にある。これらのケーブルや配管が、断層が動けば引きちぎられる損傷を受けることは明らかである。
 管が引き裂かれるような損傷を受けると、電気系統や冷却系統が作動しなくなる。そうなれば炉心がいくら地震に耐えたとしても、「体は何とか大丈夫だったが、神経がマヒした人のような状態」で複雑な原発のシステムを安全にコントロールできるはずがない。

 安倍総理以下、自民党の原発推進派議員は、政権党の責任として、日本経済を支えるため電力の安定供給が欠かせないとおっしゃる。確かにそのとおりである。
しかし、これが本音だろうか?
 電力会社から強烈な支援をもらっている自民党は、電力会社と手を組み、原発を推進したいという背景が強い。

 しかし、原発は再稼働させるためには、絶対安全でなければならない。火力発電所とはわけが違う。
所詮人間がやることなので、『絶対安全はない』。だから原発は都会の人口密集地から遠く離れた辺ぴな海岸線に造られている。安全と言いながら、その保障が出来ないからだ。
 本当に安全であれば、電気をたくさん使う都市部の近くの海岸に造れば、送電線も短く工事も安く、送電線の電力損失もなくすべてが合理的である。しかし、原発はわざわざ、都市部から遠く離れた地に建設されている。これは原発は安全と言いながら、実は何が起きるか分からないからだ。
その証拠に、安全な火力発電所は都市部の近くの海岸に建設するのが常識だ。

今一度、国政に当たる責任者は是非、野島断層の現場を見るべきだ。
 断層が起こす直下型地震のすごさを知り、それでも原発を推進しようとするなら、原発の安全神話の亡霊に取りつかれているとしか言いようがない。
 
 日本で住む以上、地震、火山、津波は避けられない。『自然災害は忘れたころにやってくる。』
 そういう自然の怖さを知り、謙虚に自然に立ち向かうため、この記念館が建てられ、直下型地震の恐ろしさを忘れさせないように現場が保存されている。

 『喉もと過ぎれば熱さ忘れる』という諺があるが、福島原発はまだ喉もとを過ぎる状況ではない。
 多くの作業員が被ばくを受けながら、生活のため(お金のため)に危険を承知で働いている。
 まだまだ、先が見えない戦いの最中である。


この記念館内に地震体験室があり、震度7と震度5が体験できました。
とてもまともに立っていることや、歩くことなどできない揺れでびっくりしました。椅子に座っていたのですが、揺れで体がねじれて、腰の筋を少々痛めるほどでした。
  淡路インターナショナルホテルは海岸に面して建ち、大変眺望がいい部屋でした。
 紀伊水道を行き交うコンテナー船や漁船がひっきりなしに通過しました。

 このホテルの温泉は泉源からタンクローリで毎日運んでくるという話でした。
ラドン温泉で、少しぬめりのある水質でした。











 
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 淡路島 洲本温泉、サントピアマリーナ内に構える観光ホテル旅館。
全室オーシャンビューの部屋からの眺めは最高。

 春は鳴門明石の桜鯛、夏は沼島の鱧、由良産赤ウニ、秋はひらめや松茸、冬は福良の3年フグ等の旬。また伊勢海老やあわび等の新鮮な魚介類、最上級の淡路牛を使用した会席料理等、四季折々の淡路島洲本温泉にきっとご満足いただけます。
 
 露天風呂に大浴場、打たせ湯、サウナ、釜風呂(ミストサウナ)など豊富な風呂も楽しみの一つ。洲本温泉のお風呂でゆっくりとおくつろぎください。
 当ホテルは淡路島観光の拠点にもおすすめです。渦潮(うずしお)観潮、イングランドの丘、花さじき、おのころアイランド、野島断層、震災記念館などの淡路島観光スポットを満喫できます。











    北淡震災記念公園建屋と玄関
阪神淡路大震災で大きな被害を受けた地域

オレンジ色や橙色で表示されている部分
特にオレンジ色の場所は震源域

断層に沿って、線上に連なっている。
一般住宅が記念館として地震の当時のまま保存されて展示されている。
 メモリアルハウス










写真は、海側から見た塀の右横に大きくずれている姿が分かる。矢印が地割れした断層

住宅の真下に断層が走り、水平に2mずれた姿。

 ものすごい地割した地表
平地が地割れで大きく沸き立っているように見える。
地震のエネルギーの巨大さを実感する。
この写真は地震で現れた断層の姿。

左側が沈み、右側が浮き上がって上下に斜めにずれた姿が明確に見える。

左右の断層で土地の色が違うことが分かる。
左右にも他の断層の線が何本か見える。

これだけ明確に断層が見えるのは珍しいようだ。
土表から見ると、上下に2段になって表れた断層が線上に連なっているのが良く見える。
約30cmほどずれている。


世界の地震の巣地図


日本は世界中で最も危険な3つのプレートが重なる国土
このプレートの真上に、原発が54基も並んでいる!





 ヨーロッパ・ロシア・アフリカ・インド・中国や南北アメリカ大陸(西海岸を除く)等では上図で見ても分かるとおり、赤い線が見えない。その地方に住む人は、一生で一度も地震を経験したことがない人が殆ど。それくらい地盤が強固で安定している。そういう土地では原発を稼働させても、危険率は大きくない。

 一方、日本は毎日、どこかで揺れている。常時、地殻変動が起きている。
 だから、地震がない国の原発安全対策に比べて、日本政府は『日本の原発安全対策は世界一厳しい安全基準を採用し、厳しい審査をしているから、今後、再稼働させる原発は世界一安全だ!』と公言しているが、この理屈は全く成り立たないことが分かる。再稼働したいがための言い訳に使っているだけの話。

 再び、マグニチュード9クラスの地震が原発近くで発生した時、原子炉の冷却に失敗する可能性はゼロではない。原発は何があっても、安全に停止し、完全に冷却して炉心溶融が起きてはならない。敦賀付近の原発銀座と呼ばれる地域で、もし福島と同様な事故が起きれば、原子炉崩壊が連鎖的に起きて、琵琶湖を水源とする下流地域は生活出来なくなる。まさに日本沈没になる話だ。

 原発のエネルギーコストは安いという話は、ウラン燃料が石油や天然ガスに比べて
安いという話だが、原発の建設費や、40年、50年後の膨大な撤去費用、燃料棒の廃棄処理費用などトータルコストを計算に入れると、原発のエネルギーコストは決して安くない。さらに、放射性廃棄物の燃料棒の処理や保管場所すら決まっていない。

 だから現在、各原発の原子炉建屋の横に、プールを造り、その中に水を入れて放射性燃料棒を浸して保管している。このプールは原子炉等に比べると、強度的に一般のプールと同じなので地震の揺れにはあまり強くない。

 通常はプールに水を満足した状態で燃料棒から常時出る熱を水を循環して冷やし続けている。もし、循環ポンプが止まり、何かの原因で水温が上がり、水が蒸発して燃料棒がむき出しになれば大量の放射能が空間に飛び出す。

 燃料棒は水がなくなると、原子崩壊が始まり、臨界状態になり2000度近い高温になり、囲いのない状態でメルトダウンする。こうなれば更に膨大な量の放射能が飛び出してしまう。

 こういうシビアアクシデントは考えたくないが、起こり得る可能性が零ではない。零ではないことは、逆に起きる可能性があるという事。
 
 だから、日本は自然エネルギーで電力を得るような方針に切り替えることだ。福島原発事故を見て、地震がないフランス以外のヨーロッパ諸国(ドイツなど)が脱原発を打ち出している。

 一番危険な、しかも事故を経験して、その終息も出来ない内に、次々と原発再稼働を進めている。この日本人の優柔不断さは国民性がなせる業だと思う。
 もっときっぱり、脱原発を表明し、自然エネルギーに転換しなければ、日本沈没が起きるかもしれない。未来に大きな禍根を残す事になる。