2020年3月7日(土)
「ついに日本は終わった」Newsweekのショッキングな記事
新型コロナウィールスの世界的な蔓延が収まらないどころか、ますます拡大してきた。ここにきて日本政府は、小中高校の全国一律休校を要請し、前代未聞の様相を呈してきた。それも唐突名発表だ! さらに、昨日、中韓からの入国禁止など『今更?』と思える方針を発表した。 コロナウィールスが武漢で発生して現地で大騒ぎになり、クルーズ船内感染が叫ばれている時でさえ、多くの中国人が、引き続いてドンドン日本に来て、観光をしていた。彼らは、安全な日本に逃避しようという意図もあったのかもしれない。その画面をテレビで見て、『これで大丈夫なのだろうか?』と疑問に思った。入国制限せず、ごく普段通りにやって来ていた。大阪市内の道頓堀界隈で観光を楽しむ中国人が沢山見受けられた。 その頃は外国人の入国制限もしないで、習近平首相の訪日延期の発表の日に、中韓からの入国禁止を発表した。テレビやネットで大騒ぎしていたが、これは事実だ。 そういう状況の中で、下記のコメントがNewsweekに掲載された。まさに現在の安倍政権を見事に表している。 日本人の独特の思考回路、『和をもって尊し』『仲良しクラブ』『優柔不断』など挙げられるが、ここ一番の際に決めるプロセスと、リーダーシップの欠如が大きな禍根を残すことになる。 言葉では『しっかり・・・・』『出来る限り・・・・』『徹底して・・・・』など勇ましい修飾語が並ぶが、実際の姿は何も特別なことは出来ていない。言葉だけ、言うだけが殆どだ。 もう一つはある方向に向かい出すと、方向転換ができない点を挙げられる。『猪突猛進』。 それを象徴している出来事は、勝てるはずがない太平洋戦争への突入であり、戦前戦後を問わず日本人の気質に組み込まれているような気がする。 要は論理的な思考が吹っ飛んでしまい、理性を無くして突進することだ。 今回の学校閉鎖や、中韓の入国禁止などもそういう範疇に入るような気がする。 以下、Newsweekの記事より 安倍首相は5日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、中国、韓国からの入国者(両国から帰国する日本人も含まれる)に指定場所で二週間待機し、国内の公共交通機関を使わないことを要請すると表明した。 終わりだ。 学校の一斉休校要請は99%誤りだが、これは200%誤りだ。 価値観の違い、見通しの違い、事実認識の違い、すべてを超えて、あらゆる面で誤りである、どのような立場を採ろうとも、この施策は誤りであり、意味がないどころか、日本を決定的に積極的に駄目にする決定だからだ。 水際対策は、いまや意味がない。やるなら1月せいぜい2月頭だ。感染拡大防止をするなら、国内の対策がすべてであり、それ以外は意味がない。 いまや中国や韓国から観光に日本に来る人はほとんどいない。来るのはどうしても必要だからで、ビジネスだ。そして、日本人も含まれ、これは100%ビジネスか、現地からの退避者で、日本経済をつぶすだけでなく、日本国の同胞を犠牲にする(隔離されるなら帰国せずに現地でリスクにさらされる(肺炎のリスクだけでなく、様々な社会的リスク)ことになる)措置であるからだ。 なぜ、こんなことになってしまったのか。 <指導者の行動バイアス> 安倍首相の個人的な誤りではない。 リーダーを危機で支える。それがスタッフの役割であり、日本では官僚の役割だ。それに失敗している。すべては一部の官邸官僚および彼らに付随する贋の専門家たちだ。 私が政府で働いたときに学んだことは、リーダーは危機では重圧で身動きがとれなくなることがある。判断も鈍るし、事実を正確には把握できなくなる。そのようなときに、正確なファクトを伝え、事実からいって誤りでない、ただし、考え方、価値観によってはいくつかの選択肢があり得るから、それを提示し、決定するのはリーダーであり、政治である。あとは意思決定後にリーダーシップを遺憾なく発揮できるように支えることだ。 すべて逆を行っている。それが官邸の首相の取り巻きたちだ、と想像する。 あり得ない選択肢は、何をもってしても止めなくてはいけない。意見が異なるのは仕方がないし、当然だ。しかし、どんな立場でもあり得ない意思決定をさせてはいけない。そして、リーダーは焦る。危機においては焦る。さらに、危機で手を尽くし、あとは待つしかない、というときに、その待つ時間が長いと、リーダーはさらに焦る。もどかしくなり、何も動かない自分を責める。自分から動きたくなってしまう。正義感のあるリーダーほど、素直でナイーブであればなおのこと、動くべきでないところで動いてしまう。そういう行動バイアスが存在する。それを止めるのが、側近、ブレーン、スタッフの役割だ。 <危機に弱い日本> 日本はもともとそういう危機に弱い。太平洋戦争もジリ貧で、座して経済的な敗北を受け入れなければならないときに、我慢できずに、勝てないギャンブルをした。 2011年3月11日もそうだ。原発事故は、反省するが、起きてしまった事故を受け入れ、淡々と処理するしかなかったのに、首相自ら福島第一原発現地に乗り込んでいくというような無駄な動きによって、事故を拡大し、世界的な悪評を高め、風評を世界的にも、国内的にも広げ、無駄に経済的危機を拡大した。 今回の危機は、第2次大戦、2011年の震災に比べれば、たいした危機ではない。SARSでも新型インフルエンザでも起きたことで、世界的に政治、社会の意思決定、判断、感情的な反応レベルがヒステリックになっている中で、経済的に無駄な危機が起きているだけのことだ。しかし、その経済的危機は、これまでのどれよりも大きくなる可能性がありそうに見える。危機自体は、軽微なものなのに、それへの対応を誤り危機を前代未聞のウイルスによる経済危機にするのは(実際はスペイン風邪の方が大きいが)愚か以外の何物でもない。 ではどうするか。 建設的に提案しよう。諸悪の根源のスタッフ、側近、贋の専門家を交代させよ。そして、中立的で、まっとうなスタッフ、真の専門家を官邸に招集せよ。 リーダー自身を交代させるという案も理論的にはありうるが、妥当ではない。危機のさなかにリーダーは交代すべきではない。さらに、今回は、リーダー自身の問題ではない。リーダーのいくつかの意思決定が決定的に誤っていただけだ。しかも、その誤りは、私的利害から出たものではなく、危機の中での正義感から来る焦りが誤った動きとなってしまった、という行動経済学から見れば、典型的な行動バイアスだからで、このバイアスは次のリーダーも持ちうるものであり、このバイアスを取り除くのは、リーダー自身が自分で除くのではなく、スタッフとの関係、関係構造を変えることによってしか実現しないからだ。 それでも官邸が生まれ変わらなかったら、そのときが、リーダーが交代するときだ。 となっている。 早くコロナウィールスが収束してもらいたいものだ! このままでは、東京オリンピックも開催が危ぶまれる! |
2020年3月6日(金)
『運気を磨く』を読んで!
心を浄化する三つの技法
あなたは「強運」であることに気がついているか
最先端量子科学が解き明かす「運気」の本質!
田坂 広志 著
光文社新書
本体820円(税別)
世の中の成功者に、「あなたはどうして成功できたのですか?」と尋ねると、「偶然」「たまたま」「ふとしたことで」「折よく」「幸運なことに」と言った「運の良さ」を語る言葉が返ってくる。 「他人より努力したおかげで」とか「家が裕福だったので」とか「大学を出たので」というような答えは返ってこない。 そういえば、松下電器の創業者、松下幸之助さんがいつも話された言葉に、「自分は強運に恵まれた」と言われていた。 幸之助さんは、子供の頃に父親が穀物相場に手を出して、失敗し家財を失ってしまい、一家は貧乏のドン底に落ちてしまった。その後、彼は大阪に出て、丁稚奉公をするのだが、初めは「火鉢屋」、その後「自転車屋」、鉄道会社、電気工事などを転々とし、大開町で開業する。 その経歴を読めば、家系は結核を患い、次々と身内がなくなり、自分も病もちで病弱な体質だったと言われている。自分だけが何とか生き残ることができたことを自分は運が強いと思った。 幸之助さんは病弱な体質で、丁稚奉公に出されるような貧乏の身で、学校にも行けなく、人生の貧の3拍子を一身に背負ったような状況であった。普通の人なら、自分は世の中の厄介者、役立たず、将来がない、人生を諦め悲観してしまう。ところが幸之助さんは、その逆境をバネにして生きる力に変えた。それは、「自分は強運に恵まれた人間だ!」と強く意識したこと。 どうしてそういうことができたのか? 今までの苦境(逆境)を悔やむのではなく、『三ない尽くし』を『だから、素直に受け入れ、こうしよう』と気づき、逆境を乗り切ってきた。 ・自分は病身だ、体力が弱い ⇒ 人に助けてもらおう。回りの人の力を借りよう。 ・自分はお金がない ⇒ 知恵を出そう。 ・自分は学歴がない ⇒ 知識や学のある人の教えを素直に受けよう。 幸之助氏のたくさんの著書を読むと、その一部始終が書かれているが、普通の人間、生身の人間では考えられない逆境にもかかわらず『何故、そう言うことができたのか?』 その疑問をずっと持ちながら来たが、本書に出会って、その疑問が解けたような気がする。 本書と松下幸之助氏の生き様を対比させて考えれば、なるほどと納得がゆくことが多い。 本社は、書店の棚に並んでいる「ハウツー本」や、「心理学本」や「宗教めいた本」と違い、 著者の素晴らしい知見(見識)を活かした科学的な思考で、人間の奥深い心理や考え方の根源に根ざす哲学めいた考え方が披露されていると思う。 著者の田坂氏は、東京大学で原子力工学を学んだ工学博士であり科学者だ。宗教家でも心理学者でも哲学者でもないが、本書で展開されている『運』という観点について、大変奥深く掘り下げて分かりやすく記述されている。 要は、心には表に現れる心に基づいた思考や行動と、その逆になる裏の心が元になる思考や行動が存在する。プラス思考とマイナス思考と言ってもいい。 今までの本は、プラス思考を伸ばす、成長させるにはどうすればいいかが述べられてきた。これは間違いではなく、物事をプラス思考で考えることで、うまくゆくことが多い。 しかし、本書はもう一歩踏み込んで思考している。プラス思考を進めると、逆に深層にマイナス思考が生まれ、プラス思考を強くすればするほど、マイナス思考も強くなると言っている。 仕事で期待される成果が大きくなればなるほど、もし失敗したらどうしようという不安が大きくなるのと同様だ。 これを乗り越えるため、さらにプラス志向を強めると、マイナス思考がその分、ますます強くなる。これをどう乗り越えるのか? 本書では、マイナス思考を消すような努力をすればいいとなっている。具体的には本書を読んで頂きたい。 このプラスとマイナスの関係は、電気の±と同じように、自然界、宇宙に存在するものすべてに言えることで、±はチャラだという考えに由来する。 だから、本書の表題が『運気を磨く』となっている。 なかなか奥深い話でうまく表現できないところが多いので、ぜひ、一読して頂きたい。 読後感は、さっぱりとした晴れやかな気分になれるはず。 |
2020年2月21日(金)
『縮小ニッポンの衝撃』を読んで!
NHKスペシャル主題班 編集
講談社現代新書
本体740円(税別)
2060年までに、日本の人口は約30%減少する!
「人口急減社会」で実際に何は起こるのか?
まだまだ若いと思っている内に、後期高齢者となり、この2,3年間にご近所でも先輩の高齢者がお亡くなりになる方が増えてきました。子供と同居して生活している家族はほんの少数世帯で、しかもその子供が未婚で、親の家から働きに出ている家族があちこちに見受けられます。 そうでない家族は同世代の高齢者夫婦か、連れ合いを無くした老人が一人で住んでいる家庭があちこちに増えてきました。 食料品や生活用品の買い物も、車やバイクに乗れなくなった高齢者は買い物バス等を利用してお店に行くか、宅配を頼んで生活用品を手に入れるしか方法がありません。 スーパーやコンビニが近くにあれば、歩いて買い物ができますが、そうでなければ買い物すら不便な状況になります。 このまま行くと、いずれ我が家も同じ状況になると思います。若い頃は他人事と思ってきましたが、最近切実に歳を感じるようになりました。 交野市は以前から高齢者の便宜を図るため、『ゆうゆうバス』を呼ぶ無料のバスを市内に巡回させていますが、市の財政赤字が積みあがる中で、無料バスの運行サービスを続けることが住民サービスになっているのか大きな疑問です。無料バスの運行には年間数千万円の維持費がかかります。 高齢者の福祉サービスを充実するに越したことはありませんが、一方で持続可能な市の財政運用を考えないと、北海道の夕張市のような財政破綻指定市に陥る可能性があります。 今まで、『ゆうゆうバス』が何の不思議もなく運行されてきたのに中止になると、「福祉サービスの切り捨てだ!」と騒ぐ人たちがいます。市議会の各党が各戸にチラシを配り、あたかも自分たちの訴えが正しい、住民の見方だ!と言わんばかりの内容を書いています。 財政が湯水のごとくあれば、言い換えれば、市が儲かっていれば、福祉サービスの充実を図ることで、ますます交野市が住みやすい処だということで、転入する人が増え、好循環すると考えられます。そして、市の財政が増えれば結構な話です。 実態はそういう甘い話にはなりません。 基本的な日本全国の状況と同様に、交野市でも将来は人口減少が起きることは自明です。 今から、将来の姿をもっと真剣に考え、市政の在り方を考えなければならないと思います。 そこで、『今後の日本がどういう社会問題を抱えているのか』ということにも相通じるのですが、そのことにつき、NHKが調査し将来を見つめた姿まとめた文庫本を読みましたので紹介します。 これは、『NHKスペシャル』で放映されたものです。 今後、日本は少子化、高齢化が進み、人口が激減する3重苦に陥るという暗い話です。しかし、いずれ訪れる状況ですので、それを事前に知り、いかに対応するかという手立てを考えておかないと、課題を先送りし、その場しのぎでやっていると『ゆでガエル』になってしまいます。 本書のプロローグでは、私たちが生きる日本。これから先、どんな未来が待っているのでしょうか?という書き出しです。 2016年の国勢調査によると、日本の総人口は1億2709万人。5年前の国勢調査と比べて、96万2667万人減少しています。これは1920年(大正9年)初めての国勢調査以来100年の歴史上初めて総人口が減少しました。大きな節目になりました。 大阪府も68年ぶりに人口増加から人口減少に転じ、全国の8割以上の自治体で人口が減少しました。これから経験するのは、誰も経験したことがない「人口の急降下」です。 国土交通省のデータ;年代の人口推移をみると、 ・鎌倉幕府設立当時: 750万人 ・室町幕府設立当時; 818万人 ・江戸幕府設立当時; 1220万人 ・明治維新当時 ; 3330万人 ・終戦当時 ; 7199万人 ・2008年 ;1億2808万人 ・2016年 ;1億2711万人 ・2050年 ;1億0192万人 ・2100年 ;7285万人(高位推計) 5972万人(中位推計) 4906万人(低位推計) 今、生まれたばかりの赤ちゃんが、2100年を迎える頃(約80歳になった頃)は、日本の人口が何と、今の人口の約半分近くまで減少するという話です。 明治から昭和にかけて、特に太平洋戦争前に『産めよ、増やせよ』の国策で、人口が急増しました。日本はOECD参加国(先進国)中では、アメリカに次いで2番目に人口が多い人口大国です。だから、GDPはアメリカに次いで、2番目だったのですが、最近、中国が急速に経済成長して2番になり、日本は3番になりました。 人口は日本に対して、アメリカが2倍、中国が約10倍です。中国のGDPが世界2番になったのは人口が多いことに由来しています。 一人当たりのGDPを見れば、中国は先進各国から比較して、低い位置にあります。 その人口大国、日本がここに来て、今後すさまじい急降下を描いて人口減少が始まります。 今は未だその不気味な「静かさ」の時間にあります。この先はジェットコースタのような目もくらむ断崖絶壁が待ち受けていると言えます。 これから50年後には、3901万人の日本人が減少するのです。同時に急速な高齢化が進みます。 この状況は、国土庁が推測した公式資料で日本の未来図です。 今、コロナウィールスで大騒ぎしていますが、今年7月には、久々の東京オリンピックが開催されます。コロナウィールスの収束に失敗すれば、オリンピックも開けません。 東京はオリンピック景気で大いに盛り上がってきました。あちこちで建設ラッシュが起き、工事が進んでいます。そのため、深刻な人手不足を招いているとも聞いています。 こういうオリンピック景気も、コロナウィールスの流行によるインバウンド需要の減少や、景気の腰折れで、オリンピック後の景気が心配されています。 今後、30年経った2050年の日本は、国土を1キロ四方の網目(メッシュ)で表示しますと、人が住まない「無居住化地域」と言われる地域が全国に点在することになります。 2010年に人が住んでいた地域の約2割が2050年になれば無居住地域になるという話です。 その結果、人口減少、高齢化、それに伴う財政難で地方自治体は財政破綻するところが増えることが予想されます。2006年に353億円の赤字を抱え北海道の夕張市が破綻しました。 市が破綻するということは、市の行政が国の管理下に置かれて、あらゆる市の自治活動が国の認可を取らなければなりません。自分で市財政計画を立て実行できなくなります。 交野市はそういうみじめな局面にならないよう財政運用を堅実に進めなければなりませんが、昨今のご近所の様子を見ると、日本の姿の縮小版が身近にあるような感じを受けます。 交野市は大阪市内などに勤める会社員が多く住んでいるベッドタウンのような地域に発展してきました。JR学研都市線(旧片町線)は、朝夕の通勤時間帯には、4分、5分間隔で電車が運行されるようになり、大変便利になりました。以前は考えられないような発展を遂げつつあります。これは結構なことですが、今後も今までと同じように、人口増が期待できません。 星田駅の北の広い田んぼを住宅地に転換し、高層マンションや戸建て住宅を建設する計画で工事が進められています。そういう工事を見ていると、人口減少が起きることなど考えられないですが、ある時を境に、急速な人口減少が始まり、住宅余りや空き家が増えてくることが考えられます。 東京圏は地方から人を吸収し、人口増を繰り返し、日本の成長エンジンの役割を果たしてきましたが、この状況も2025年には人口が減少に転じると予測されています。すでにそのはしりが若者の街、池袋を抱える豊島区で新規の若者の流入は減り、かつて流入した世代が高齢化して自治体の負担になる可能性があることを指摘されています。東京ですらそういう状況になるのですから、大阪や我が交野市はいううに及ばないでしょう。 交野市が消滅することはないでしょうが、今までと同じような福祉やサービスを受けられる余力がないことを知らなければなりませんん。 そういう将来を見通した姿を市長や市議会議員は住民に分かりやすく説明し、その上で『ゆうゆうバス』の運行などについて議論すべきです。 既得権など振りかざす状況ではないことを知るべきです。状況をよく説明して納得させる努力が求められます。 島根県の江津市の山間部落では、住民がゼロになって朽ち果てた家が残る地域が次第に増えてきているそうです。そこまで至らない地域でも、数百戸が生活していた地域が、数戸しか住まないような過疎になっている所もたくさんあるようです。 そういう地域では、集団で町の中心部に疎開や移住することが求められています。山間部の数戸に対して、電気や水道や道路の補修などのサービスに手が回らないのが実情です。 本書の主な内容を紹介します。 プロローグ 第一章;東京を蝕む一極集中の未来 第二章;破綻の街の撤退作戦① 第三章;破綻の街の撤退作戦② 第四章;当たり前の公共サービスが受けられない 第五章;地域社会の崩壊 集落が消えてゆく エピローグ となっています。 さて、人口が現在の半分になった日本の社会はどうなるかですが、本書にはその解が見出せなかったということで、書かれていません。 小生は、ヨーロッパの国々を旅行して感じたことですが、ヨーロッパは国土面積に対して人口が少ない国が多いことです。しかも、居住地が田舎にちらばって集落を造り、数十戸や数百戸程度の小さな町が点在している景色をよく見ました。集落には必ずキリスト教の教会が建っています。どうやら、集落ごとに、自己完結して生活しているように見受けられます。 日本で見慣れるようなどこまでも家が建っているという景色ではなく、家が建ち並んだ集落を通過すればしばらく平原の畑が広がり、処によればバスで1時間走っても平原や畑が広がっている景色が続きます。 日本は山が極端に多くて、38万平方キロの国土の70%以上が山で占められていますので、広い国土面積の割に有効活用できる平地面積が極端に少ない珍しい国だと言えます。 だから、昔教わったように、日本は狭い島国だということになるのですが、国土面積はドイツやフランスよりも広いのです。地方は地方の独自の特徴を生かす自治を目指すべきだと思います。 何かきらりと光るものがあるはずです。その光るものを見つけ、生かすことを考えることが大切です。 今までは、地方の子供たちは、長男が家を継ぎ、次男、三男は都会に出て行くことが多く、それが日本の労働力を生み出してきました。産業構造が変わり、製造業が中国はじめ発展途上国に移り、サービス業などが中心になり、今後は今までのような人の流れを維持することはできません。少子化も進みますので、ますます人の供給が難しくなります。 地方で生まれた子供は、地方で特産物(光るもの)を育んで、産業として発展させることが解決策だと考えています。 それは世界遺産、観光でもいいし、農業でもいいし、加工業でいいし、いろんなアイデアで自治体を支えることができる産業を持つことです。 それには、日本の地方が人口減少で崩壊しないように、ヨーロッパの国々の生活スタイルを学ぶ必要があるのではないかと思います。 『清貧の思想』や『武士は食わねど高楊枝』など、質素倹約を教えられてきましたが、このグローバル化した時代に昔に戻って生活することはできません。ヨーロッパの国々の人たちが、どういう田舎生活をし、どういう都会生活をしているかを学び、量を追うのではなく、質を高めて生きることを志向すべきだと思います。 いずれにしても、過去に事例がない、世界にも事例がない人口減少が急速に迫ってきていることは避けられないことです。 |
2020年2月18日(火)
いつまで続く『桜を見る会』のゴタゴタ!
何ともみっともない話だ! これが日本国の国会かと思うと情けない! どうしてここまで国会の権威や威厳が損なわれてしまったのか? 森友学園や加計学園騒動に始まり、総理の疑惑がさらに国会の混乱を招いている。 昨日の予算員会で、野党連合?(立憲民主党)の辻本清美委員が質問に立ち、ANAインターナショナルホテルにメールで問い合わせ、ホテルの回答文を読み上げた。 これには安倍総理も背筋が凍ったと思うが、持ち前の屁理屈?『一般論と個別論』といかがわしい答えに終始し、ファクト(真実)はいまだにはっきりさせない。 国会ではよく「一般論としては、・・・。個別事案にはお答えできません」という言い方をする。 言い換えれば、これは二枚舌である。 記憶が正しければ、予算委員会を一日開催すると、億円単位の金がかかると聞いた。その費用は全て我々の税金から支払われているので、野暮な国会質疑を見逃すわけにはゆかない。 日本人はおとなしい民族だから、余り正面切っては怒らない。 しかし、これからはおかしいことはおかしいとはっきり主張できることが、世界を相手にビジネスを行うには必要な条件となる。 国権の最高機関である国会が、2020年度の国家予算を審議する場で、『桜を見る会』のようなくだらないことで、グダグダしている場か!と言いたい。 しかし、政権の中枢が腐っておかしなことをやっているのなら、それは一大事でもある。時間をかけずに国民が納得する解を示して、瞬時に解結してもらいたい。それができないのなら、いさぎよく辞めて頂き、信頼できる政権に、一刻も早く移行すべきだ。 白黒は速やかに誰もが納得できるような説明責任が政権側の総理や内閣や与党にはある。 それを都合が悪いことは、明確に答えずうやむやにする。このとんでもない行為が許されるなら、日本の社会秩序や国民の倫理観が崩壊する。 身に覚えがない場合や、指摘された事柄が間違っているなら、それを事実(FACT)で証明すれば済む話だ。今回の『桜を見る会』が安倍総理の後援会が主催して大勢の後援会の人を連れてANAホテルで前夜祭をした。後援会の行事だからそれは何の問題もないはずが、費用処理が法令や費用の額などが常識に反するような行為があればアウトになる話だ。 どうもすっきりしない総理の説明や、事実を証明する資料を出さないところを見ると、責任問題になる様相を呈している。 安倍総理は野党の追及に対して、自分の主張を何回も同じことを繰り返し、繰り返し反論して 何とか自分の主張を押し通そうとするが、その反論が納得行かない内容になっている。 しかし、飽きもせずに、全く同じ答弁をいやになるほど繰り返す。総理が言っている。「同じ質問をされるから、同じ答弁になる」と。 これでは、単なる時間の浪費だ! 何の解決にもならない! こういうやり取りは、過去にあまり見たことがない。 少なくとも、質問者が納得できる答弁をしなければ、答弁者としては失格だ。 質問者が納得できる答弁なら国民も納得するはず。 今の答弁では、国民の80%近くが、総理の答弁に不信感を抱き納得していない。このことをどう考えるのか? 不思議の思うのは、予算委員会に出席している大臣や自民党、公明党の議員や、内閣府の職員が総理の返答を聞いて、おかしいと思わないのか? 国民の80%が『おかしい、納得できない』と言っているのに、彼らが総理に『おかしいでしょう』と言えないのないのなら、同じ穴のムジナだ! 総理と同罪と言える。 まさに、辻本議員が言ってのけた「頭から腐る」ということだ。 辻本清美議員は、元社会党の故、土井たか子さんの薫陶を受けたそうだが、一本筋が通った質問をするので、見ていて頼もしい。それだけに総理側は質問されれば色めき立つ。 要は痛いところを端的に突いてくる質問者だからだ。 昨日の予算員会の午前中の質問に対して、午後、総理から回答があったが、山口県の安倍事務所がANAホテルと電話で確認した内容だとして、予算員会で説明したが、何とも常識の世界では誰が聞いても筋が通らない話をごり押ししいているとしか感じられなかった。 アベノミクスの3本の矢で、デフレ脱却をすると高らかに宣言した当時の安倍さんに期待する気持ちが次第に萎えてきた。相変わらず未曽有の金融緩和を続けているが、経済、景気は一向によくなった感覚はないし、経済指標は悪化している。 銀行は超低金利政策で経営が破綻寸前になり、生き残りをかけて競合同士が合併するなど、従来では考えられない事態になっている。一方で預金者は金利がゼロに近く生活も大変だ。 家を買う際のローン金利はゼロ金利の恩恵を受けて借りやすいこともあるが、賃金が上がらないので借金する側も大変だ。 アベノミクス政策もいよいよ行き詰まりの様相を呈してきた。そういう中で、森友学園や加計学園のお友達との絡みのゴタゴタや、今回の後援会のゴタゴタを立て続けに問題となっては、もうそろそろまともな人物に総理をやってもらわないとこの国は持たないような気がする。 昨日の辻本清美議員の予算委員会の質問を、彼女のホームページに掲載されているので、コピーした。(下記、原文のまま) <全文テキスト> ○棚橋委員長 これにて伊佐君の質疑は終了いたしました。次に、辻元清美君。 ○辻元委員 辻元清美です。 本日の委員会の冒頭、安倍総理から、今月十二日の私に対する不規則発言についての謝罪がございました。これは、私個人の問題だけではなく、行政府の長として立法府への謝罪であると私は受けとめました。 総理、五年前にも、その席で、安保法制のときに私に対して、早く質問しろよとやじを飛ばされて、謝罪されたのを覚えていらっしゃいますか。そのとき、総理はこうおっしゃいました。辻元議員の質問の際に、私の不規則発言に関し、中略、重ねておわび申し上げるとともに、御指示を踏まえて真摯に対応してまいります。 またなんですよ。私は、このときも思ったんですけれども、私ごときの発言に自分を抑え切れなくて、たびたび憤慨するような総理大臣では、危機対応、大丈夫かしらと心底今心配しております。私は、歴代十三人の総理大臣とこの場で激しく議論してまいりました。小泉総理ともかなりやり合いましたよ。でも、やじを飛ばしまくる総理って初めてです。私もはっきり物を言いますし、総理にとったら嫌なこともあるかもしれません。でも、野党がきっちり行政の監視をしなくて誰がするんですか。 悪いけれども、自民党の皆さん、頑張ってほしいですよ。桜を見る会だって、公務員の不祥事だって、誰一人おかしいと、石破さん、頑張ってや。 ○棚橋委員長 辻元委員、ここは答弁者に聞いてください。自民党の委員に聞かないでください。 ○辻元委員 その委員長の采配、おかしいですよ。 委員長、私たち議員は、衆議院規則四十五条一項で、「委員は、」「自由に質疑し及び意見を述べることができる。」となっているんですよ。それで、厳しいことを言っても受けとめてほしいんです。そうじゃないと、みんながイエスマンに議会がなったら、議会は大政翼賛会になってしまうと思うんです。 ですから、先ほど二度とこういうことはないようにと、五年前にも私におっしゃったんですけれども、今度こそ、総理、よろしくお願いしますね。私は、タイは頭から腐るという言葉を総理に申し上げて、たくさんの、失礼だというお叱りもいっぱい私いただきました。ですから、この週末、私も胸が痛かったです。 でも、桜を見る会にしても、私、一番気になっているのは、ここで質問しました安倍方式。総理大臣、トップ、リーダー、頭があの安倍方式についてお墨つきを与えてしまったら、全国津々浦々まで広がってしまうわけですよ。ですから、トップ、リーダーが一点の曇りもないようにしておいてほしいという思いで私は質問しています。 総理は、一年生になる前、覚えてはりますか、フロンティア2。総理が当選される前なんですよ。会報を出していらっしゃる、後援会の。これは社会新報に載っていて、私、感動いたしました、読んで。総理がまだ当選する前ですよ。こう書いているんです。政治資金制度の改革、政治資金の出入りは完全にガラス張りにしなければなりませんと書いているんですよ。そして、腐敗と決別することができると確信しています。 私は、桜を見る会は完全にガラス張りじゃないと思いますよ。それを、総理がお墨つきを与えてしまうということに、全国に広がったらどうしようと心配しているんです。 ちょっと一、二点、お聞きしたいと思います。 総理は、私、明細書を出してください、領収書も出されたらこの問題は終わるじゃないですかと申し上げてまいりました。今、新型コロナウイルスの危機が広がっております。前々回の質問では、総理大臣の言葉が信頼できる、信用できる国に日本をしたいと申し上げたんです。領収書と明細書、やはり出していただけませんか。いかがですか。 ○安倍総理大臣 まさに政治資金の出入りは、これは透明化しなければならないわけでありますし、まさにその考え方にのっとって私は政治資金の処理をしているということははっきりと申し上げておきたい、このように思います。 そして、夕食会の主催者は安倍晋三後援会であり、同夕食会の各段取りについては、私の事務所の職員が会場であるホテル側と相談を行っております。事務所に確認を行った結果、その過程において、ホテル側から見積書等の発行はなかったとのことであります。 そして、参加者一人当たり五千円という価格については、八百人規模を前提に、その大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事実等を踏まえ、ホテル側が設定した価格であり、価格以上のサービスが提供されたというわけでは決してなく、ホテル側において当該価格設定どおりのサービスが提供されたものと承知をしております。 なお、ホテル側との合意に基づき、夕食会の入り口において、安倍事務所の職員が一人五千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたものとしておりまして、安倍事務所には一切収支は発生していないということでございます。 また、既に御報告をさせていただいておりますが、明細書につきましては、ホテル側が、これは営業秘密にもかかわることであり、お示しをすることはできない、こう述べている、こういうことでございます。 そして、領収書につきましては、これは一部新聞等にそのときの領収書が写真つきで出されているということを承知をしておりますが、これはまさに、出席者とホテル側との間で現金の支払いとそして領収書の発行がなされたものであり、私の事務所からこれは指図できるものではない、こういうことでございます。 ○辻元委員 前回もお聞きしましたけれども、全日空ホテルで三回、ニューオータニで四回、七回とも本当にその方式だったんですか。 ○安倍総理大臣 これはもう既にお答えをさせていただいておりますが、この方式で行ったということでございます。 一度、全日空に宿泊者がいる中において、ニューオータニで夕食会が開催されたということがあったわけでございますが、それも、その時々のホテルとのやりとりにおいてホテル側から提示された金額で行われたものである、このように承知をしております。 ○辻元委員 普通、ホテルは、明細書、領収明細書というか、ビールが何本でこういう食事でこうこうですからこれが請求書ですよと明細書を出すと思うんですけれども、ホテル側から明細書の発行はなかったということですか。 ○安倍総理大臣 ホテル側から安倍事務所に対する明細書の提示はなかったということでございます。 ○辻元委員 領収書も、ホテルが、宛名を白紙で、そして金額だけ手書きした領収書を全員に配ったというふうに答弁されているんですけれども、宛名のない領収書をそんな全員に配るということを信じられないんですよ。 ホテル側はやらないんじゃないですか。いかがですか。 ○安倍総理大臣 これは、私自身、領収書そのものは見ておりませんが、夕食会で受付を担当した職員によれば、領収書はホテル側が発行したものであり、事前にホテル側に準備をいただいたと報告を受けております。 領収書は、ホテルの担当者が金額を手書きをし、宛名は空欄であったということであります。しかし同時に、担当者がその名前をそこに記している、そして摘要を書きということでございました、それを渡したということであった、このように承知をしております。 ○辻元委員 ちょっと同僚議員の時間をいただいて、私、腑に落ちていないんですよ。これを皆がやり出したらどうなるのかと本当に心配していますのでね。 そうすると、それだけ、明細書はホテルからもらっていない、宛名のない領収書をホテルが発行したというように何回も何回も繰り返し答弁されていますので、それが事実でなければ責任をとられるというお覚悟でそこに座っていらっしゃいますか。いかがですか。 ○棚橋委員長 ごめんなさい。辻元君に確認いたします。 持ち時間を過ぎておりますが、会派内で調整される、そういう趣旨ですね。 ○辻元委員 はい。 ○棚橋委員長 わかりました。(発言する者あり)御静粛にお願いいたします。特に本多君。 ○安倍総理大臣 ここにおいて、私、総理大臣として答弁をさせていただいております。私が把握していることを正直に述べているということでございます。 ○辻元委員 いや、ですから、それが事実と違ったらきちんと責任をとられるということですね。それがトップ、頭、リーダーのすることですよね。じゃないと、全国広がりますからね。 どういうふうに責任をとられるとお考えですか。 ○安倍総理大臣 私がここで総理大臣として答弁するということについては、全ての発言が責任を伴うわけであります。そういう観点から答弁をさせていただいているということでございます。 ○辻元委員 私、どうしても納得いかないので、ホテルに問合せをいたしました。ANAインターコンチネンタルホテル東京、全日空ホテルから文書で回答が参りました。ちょっと読ませていただきます。二〇一三年以降の七年間に貴ホテルで開かれたパーティー、宴席についてお伺いします。この七年間の間に、これですけれども、七年間の間に三回総理は前夜祭を開いております。貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうか、この七年間に。回答、ございません。主催者に対して見積書や請求明細書を発行いたします。 総理の答弁と違うじゃないですか。いかがですか。 ○安倍総理大臣 それは、安倍事務所にということですか。 ○辻元委員 二〇一三年から七年間に開かれた全日空ホテルでのパーティー、宴席全てについてでございます。 ○安倍総理大臣 それは、安倍事務所との間でどうなっていたかということについてお問合せをいただきたい、こう思うわけでございまして、その場においては、事務所から、それはいわば人数が多いものでありますから取りまとめを行ったということでございますが、明細書はいただいていない、こういうことでございます。 ○辻元委員 次に、領収書の話です。個人、団体を問わず、貴ホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収書を発行したケースはあったでしょうか。回答、ございません。弊ホテルが発行する領収書において宛名を空欄のまま発行することはございません。文書で回答が来ております。 これも総理の答弁と真っ向から違います。虚偽の答弁だとは断定はいたしません。しかし、全日空ホテルからは宛名が空欄の領収書は発行されていないんじゃないですか。 ○安倍総理大臣 それは、私の事務所で開いたものということでおっしゃっているんでしょうか。恐らくそうではないんだろう、こう思うわけでございまして……(発言する者あり) ○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。 ○安倍総理大臣 ニューオータニ側においては、安倍事務所との関係においてはそうした領収書を発行していると述べている、こういうことでございます。(発言する者あり) ○棚橋委員長 お願いですから、御静粛に。 ○安倍総理大臣 ということで、述べているわけでございます。 そして、ニューオータニ側は、私の事務所においては、今申し上げた形でこれは領収書を出している。つまり、宴会場においては全て手書きで出していて、金額を入れ、担当者の名前を入れ、出しているということでございます。 また、全日空ホテルについても、我々、全日空ホテル側と事務所が話をしているわけ、いわばこの件についても問合せをしているわけでございますが、その点を事務所の方としては問い合わせて確認をしているということでございました。 ○辻元委員 全日空ホテルでは、七回のうちに三回、二〇一三年、一四年、一六年、行っております。全日空ホテルに問合せをしたら、明細書も発行していない、そして、宛名のない領収書を全日空ホテルが一人一人に手渡しをした、そのように職員が確認をしたということでよろしいですか。 ○安倍総理大臣 全日空側は宛名なしの領収書を発行したということで間違いはございません。(発言する者あり) ○棚橋委員長 御静粛に。辻元君の声が聞こえません。 ○辻元委員 これは、私が問い合わせましたのは、もう一度申し上げます、二〇一三年以降の七年間に、貴ホテル、全日空ホテルで開かれたパーティー、宴席全てについて問い合わせておりますので、この中に総理の三回の前夜祭も入っているんです。請求明細書、これは請求書のことですよ、発行している。領収書、宛名のないのなんか出しませんとおっしゃっているわけですよ。 そして、これも聞きました。ホテル主催ではない数百人規模のパーティー、宴会で、代金を主催者ではなく参加者個人一人一人から会費形式で貴ホテルが受け取ることはありましたか。回答、ございません。ホテル主催の宴席を除いて、代金は主催者からまとめてお支払いいただきます。 総理が、一人一人と契約をして、会費を、参加費をホテルが、があっと集めたものをごっそり持っていって、支払いだと。一人一人からということは、ホテル主催の宴席、自分のところがやっている宴席以外は一切やっていないと言っているんですよ。この答弁も、総理の答弁が事実と違うんじゃないですか。いかがですか。 ○安倍総理大臣 今、主催者とおっしゃいましたよね。ですから、私が従来から答弁をさせていただいておりますように、主催者は安倍事務所ではないわけでございます。そして、安倍事務所が……(発言する者あり) ○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。 ○安倍総理大臣 いや、主催者は安倍事務所ではないわけでございます。(発言する者あり) ○棚橋委員長 お願いですから、お静かに。 ○安倍総理大臣 そして、いわば契約主体は個々の参加者であるということでございまして、この件におきましても、事務所側は、ニューオータニ側とも、また全日空側とも話をしているところでございまして、繰り返しになりますが、宛名のない領収書で書いている、いわば支払いを行っているということにおいては間違いがないということは申し上げておきたい、このように考えます。 ○辻元委員 それは、全日空側と職員が打合せをして、そして、普通とは違う特別なやり方を安倍事務所側がお願いしたということでよろしいですか。 ○安倍総理大臣 これは繰り返しになるわけでございますが、これは、そうした参加者一人当たり五千円という価格につきましては、八百人規模を前提に、その大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情を踏まえましてホテル側が設定したわけでございまして、そうした形式につきましてもホテル側が了解をしているところでございます。価格分以上のサービスが提供されたというわけでは決してなくて、ホテル側において当該価格設定どおりのサービスが提供されたものと承知をしております。 そして、ホテル側との合意に基づいて、夕食会場入り口の受付において、安倍事務所の職員が一人五千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされた。これは、ニューオータニにおきましても全日空におきましても同じであるというふうに承知をしております。 ○辻元委員 そうしますと、全日空ホテルからの回答、主催者、これは安倍晋三後援会です、この場合は、安倍総理の場合は。見積書や請求明細書を発行いたします、これ、言ってみれば、安倍総理が全日空ホテルを使った期間全部にやっていると言っている。そして、宛名のない領収書は発行いたしませんと言っている。そしてさらに、ホテル主催の宴席を除いて、代金は主催者からまとめて支払う。私は、参加者個人一人一人から会費方式で受け取ることはあるかと。ございませんと回答しているんです。これ、総理の前夜祭も入っていますよ、この七年間に。 では、一般はこうだけれども、安倍事務所は全日空ホテルと特別に、この間も特別の関係みたいな話がありましたから、一般とは違うやり方でやった、全日空ホテルはこう言っているけれども、安倍事務所は特別に御配慮をいただいたという理解でいいですか。 ○安倍総理大臣 それは、辻元さんの事務所と全日空ホテルがどういう前提でどういうやりとりをされたかということを、私、承知をしておりませんから、お答えのしようがないのでございます。 例えばニューオータニとのやりとりにおきましても……( 辻元委員「いや、全日空の話だからニューオータニは要らない」と呼ぶ)(発言する者あり) ○棚橋委員長 頼むから、静かにお願いします。 ○安倍総理大臣 いやいや、御党におきまして、五千円で可能か、こういう形で五千円で可能かといえば、可能ではないという回答があったということは承知をしております。でも、そのときにさまざまな前提条件もつけられたと伺っております。 そういう中においてはそういうことになるわけでございますが、今、しかし、ニューオータニは、その後、いわば条件によってはそういうことも可能だということを述べているところでございまして、いわば辻元委員がこの私の事務所を含めてということを先方に聞いたのかどうかということでございますが、そういうことではないのではないかと思うわけでございまして……(発言する者あり) ○棚橋委員長 お願いですから、お静かに。傍聴席の方には特に申し上げます。 ○安倍総理大臣 まさにこれは、今、辻元委員から御質問をいただきましたから、全日空側にも我々も確かめさせていただきたい、このように思います。 ○辻元委員 私は条件はつけておりません。二〇一三年以降の七年間に、貴ホテルで開かれたパーティー、宴席、全てについてどうだったかということしか聞いておりません。 そして、もう一問聞きました。主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから対応は変えたことはありますかという質問をいたしました、この七年間。回答、ございません。 総理、ごらんになりますか、これ。どうぞ、ごらんになったらどうですか。どうぞ、いかがですか。 ○棚橋委員長 辻元委員、恐縮ですが、強要なさらないように。 ○辻元委員 私、いや、何にも条件をつけていないんですよ。この七年間にあった宴席やパーティーはどうですかと、全て。(発言する者あり)何か、パフォーマンスということを誰か言った。誰。 ○棚橋委員長 もし議員席で……(発言する者あり)お静かに。議員席で不規則発言があったのなら、お静かに。御静粛に。今、こちらに注意しております。本多君に注意しているわけではありません。(発言する者あり)ですから、私には聞こえておりません。辻元委員がおっしゃったから、与党席はお静かにと申し上げたんです。はい、戻ってください。(発言する者あり)委員長の権限ですから、委員長の議事整理権です、お戻りください。もう一度、お戻りください。私の方でもう一度発言をいたしますから、お戻りください。よろしいですか。閣僚席も、与野党、それぞれ不規則発言はお慎みください。では、辻元清美君。 ○辻元委員 私は、間違いがあってはならないと思って、文書で質問をし、そして文書で回答を全日空ホテルから正式にいただきました。 そして、裏づけるような報道も既に出ております。これは毎日新聞ですけれども、一三年以降、明細書など料金の総額がわかる書類を主催者側に例外的に発行しなかったケースがあるか。これは全日空ホテルに取材しています。なかったと明言と。ほかの報道も、宛名のない領収書を当ホテルが発行することはありませんと、毎日新聞の取材にも答えている。 私は、真っ向から、総理のおっしゃっている答弁が、全日空ホテルのこの回答では根底から覆ると思いますよ。 総理大臣として全ての発言に責任を持っているとさっきおっしゃいましたね。おっしゃいましたね。いかがですか。 ○棚橋委員長 いや、だから、質問するなら、そこで一回切ってください。 ○辻元委員 おっしゃいましたね。いかがですか。 ○安倍総理大臣 先ほど答弁したとおりでございます。 ○辻元委員 国権の最高機関である国会で真実と異なる答弁を幾度となく繰り返し、さらには、政治資金規正法違反の疑いが濃厚になったんじゃないかと、私は、この全日空ホテルからの文書による答えをもらって、背筋がぞっとしました。 先ほど総理は、確認してみるとおっしゃいましたね。そうしましたら、午後の委員会までに確認をしていただきたい。そして、引き続き、同僚議員に、この点について明確な御答弁をいただきたい。 もう一度申し上げますけれども、主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから、対応を変えたことはありますか、この七年間に。文書で私は問合せをいたしました。ございませんが全日空ホテルの回答でございます。ですから、先ほど、よく聞いてみるとおっしゃいましたので、よく聞いて、午後にしっかりと答弁をしていただきたいと思います。 そして、委員長も、この私と同じ質問を委員会で出されたらどうですか。同じ答弁が来ますよ。答えが来ますよ。 午後までに、総理、調べていただけますか。最後、確認させてください。 ○安倍総理大臣 この後、先方に当たって、事務所から当たらせたいと思います。 ○辻元委員 終わります。 これからさらにゴタゴタを続けるのか? あまり時間がないはずだ! |
2010年月1月13日(月)
旧約聖書と新約聖書の違いは何か?
最近、『世界の3大宗教』という本を読みましたが、キリスト教とイスラム教はルーツが同じで、その源は『旧約聖書』であることを知りました。 ですから、キリスト教とイスラム教は、兄弟のような関係ですが、見かけは全く別々の宗教に見えます。長い歴史の中で、地中海の東西にわたり宗教の覇権をめぐって戦ってきましたので、犬猿の仲のような感じを受けます。しかしこの二つの宗教は源流が同じだということです。 その源流はユダヤ教にあります。これは信じがたいことです。 その紹介は以前も少ししましたが、詳しくは次の機会に譲ります。 ここでは、キリスト教の新約聖書と、ユダヤ教の旧約聖書について調べてみました。 大変分かりやすく解説した記事を読みましたので、それを紹介します。 旧約聖書と新約聖書の違い 1番目のポイント;「契約」の「約」です 旧約聖書と新約聖書の「約」は、翻訳の「訳」ではなく、「契約」の「約」です。平たく言えば、「約束ごと」という意味です。 新約、旧約というのは「旧い(古い)契約」と「新しい契約」という意味です。 その旧い契約と、新しい契約の両方を含んでいるのが『聖書』です。 ユダヤ人が『聖書』と言えば、「旧約聖書」の事です。なぜなら、ユダヤ人は「新約聖書」を受け入れていないからです。 2番目のポイント;「旧約聖書」の内容について 一言で言い表すと、「イスラエルの民の歴史」ということになります。 神は、イスラエル人を選び、彼らを使って、全人類を救おうとされました。 それがイスラエルの民の歴史です。 イスラエル人の歴史を源流までさかのぼると、最初に登場するのは、アブラハムという人物です。アブラハムにイサクという子が生まれ、イサクにヤコブという子が生まれます。ヤコブから12人の息子が生まれます。 そのヤコブに、ある時、イスラエルという名前が与えられました。 だから、最初のイスラエル人はヤコブです。 ヤコブ(イスラエル)から生まれた12人の息子たちが、イスラエル12部族として広がりました。 イスラエルの歴史上最も有名な王であるダビデは、12部族の中のユダ族出身です。 このダビデの家系から『人類の救い主(メシア)が誕生してくる』という約束が与えられました。 これが、旧い契約(旧約聖書)の内容です。 3番目のポイント;「新約聖書の内容は何か」 新約聖書には、「旧約聖書で約束した救い主が到来した」という報せ(知らせ)が書かれてあります。 『イエス・キリストが、旧約聖書で預言しているメシア(救い主)、つまりキリストだ』ということが新約聖書の内容です。 では、約束の救い主として来られたイエス・キリストの役割は何でしょうか。 それは、イエス・キリストは、罪のない完璧な生涯を送られ、私たちの罪のために死なれた。 死んで墓に葬られた。そして、3日目に復活された。 福音とは、「キリストが、私たちの罪のために死に、墓に葬られ、3日目に復活された」ということです。この福音を受け入れ、イエス・キリストを信頼した人が、「神の子」と呼ばれます。 新約聖書には、このグッドニュース(福音、良き報せ)が書かれています。 ここで大切なことは、 ・旧約聖書と新約聖書を別々のものと考えては間違いです。 ・旧約から続く流れの中で、新約を読まなければなりません。 ・旧約聖書で約束した『メシア』がキリストとして現れたとするのが『新約聖書』です。 世界3大宗教は、キリスト教、イスラム教、仏教です。 この内、キリスト教とイスラム教は、経典や教義やしきたりは全く別ものですが、源流(ルーツ)は同じユダヤ教です。 ユダヤ教と、キリスト教の違いは上記のとおりですが、ユダヤ教とイスラム教の違いは、旧約聖書で預言されている救世主(絶対神)『メシア』がムハンマドにお告げがあり、彼が神(メシア)と人間をつなぐ役割をメシアから授かり、その内容を人々に広めたというのがイスラム教です。 ムハンマド(マホメット)は神ではなく、普通の人間です。ただ、彼はメシアに選ばれて、お告げを受けたのです。だから、イスラム教は俗人的なところがあり、本来は親しみ安い宗教でした。 ムハンマドの後継者たちによって、神のお告げが成文化され、経典になりました。 これ以降は、別の機会に譲ります。 仏教は、ユダヤ教の概念、すなわち絶対神はなく、仏陀(御釈迦様)自身が『悟りを開く』というものです。言わば、自力本願です。自力本願は厳しい修行の末に悟りを開くものですので、一般人には受け入れ難い厳しい修行が必要です。 そこで、二つの流派が生まれます。一つは上座仏教(小乗仏教)として、もう一つは大乗仏教に分かれます。 上座仏教は、インドからスリランカに、スリランカから東進して東南アジア諸国に伝わります。 僧侶として、厳しい苦行を行い、自分自身や人々を救うのが上座仏教の考え方です。修行が日々の生活です。妻帯も許されません。人々から敬われ、施しを受けて苦行に励みます。 このような修行は誰もができることではありませんので、人々に広がる(布教する)にも限界がありました。 大乗仏教は、北伝仏教とも言われ、インドから中国や韓国や日本に伝わりました。 仏教を学び、修行する僧侶は人々を救うために祈るのは上座仏教と同じですが、一般人も含めて仏法を信じることで成仏できるという簡便な考え方で、広く人々に広がりました。 僧侶は修行に励み、人々に仏法を教えることで、皆が『成仏』できるという考え方です。 更に、法然や親鸞聖人が考えたのが、「念仏を唱えれば往生できる」という他力本願を布教し、大いに広まりました。 続きは、またの機会に譲ります。 |