2009年8月14日 高コストはこんなところに |
民主党は高速道路の原則、無料化をマニュフェストで謳っている。これに対していろんな意見が出ている。 欧米各国の高速道路は一部の有料区間を除いて、殆ど無料のところが多い。無料の高速道路の利点は、一般道路と接続する出入り口が簡単に造れるので、開通後に必要に応じて出入り口の増設が安いコストでできる。料金徴収所が不要になり、徴収員も不要で、人件費が削減できETC設備も不要になるので、ゲートがないので、ゲートで車速を下げる必要がなく、渋滞が起き難くい。 イギリスでは出口を出て、少し走ったところに一般のサービスエリア的な広場があり、ちょっとしたショッピングセンターのようないろんなお店が並んでいた。もちろんここにトイレが設置されている。日本のような高速道路上に隣接する立派なサービスエリアは見当たらなかった。 インターネット上に西日本高速道路の石田孝会長は27日、定例会見で「現実味がないのではないか」と厳しく批判した、という記事が掲載されている。日本の高コスト体質を改めるために高速道路の無料化は運送費の低減、物流の活性化という意味で大きなメリットがある。 石田会長によれば、就任時に高速道路のトイレはデパートやスーパ並みの綺麗なトイレに改修しろという命令を出したとされている。会長は高速道路は金を払って、短時間で移動や運送ための道路で特別な道路なので、そこを利用する人には特別綺麗なトイレを用意して気持ちよく走ってもらうことが高速道路株式会社の上質のサービスだと言われた。トイレは汚いところと言うイメージがあるので、そこをホテル並みの綺麗なトイレに改修することはサービスの向上とされているが、改修や維持管理に従来以上の経費がかかり、そのコストは高速道路料金に跳ね返ることになる。高速道路のサービスエリアのトイレは便器の数が使用者の数に応じ、必要かつ十分であれば、使って特に汚くなければいいのではないか。 それより如何に高速道路料金を下げる努力をするか、ローコスト運営をするか検討を加えて頂きたい。 高速道路が無料化すると、渋滞が起こり、排気ガスが増加して環境に悪影響をするという意見が表面化している。高速道路が無料化すると本当にそうなるのか? 期限付きで無料化すれば駆け込み的な需要で、一気に高速道路の利用が高まるが、いつでも無料ですとなると、いつでも使えるから今行く必要がない、ということで、(無料化された当初は利用率は高くなるが)しばらくすると、落ち着いてくる。最近、若者が車離れしてきたと言われるが、今までのように車で走りまわると言う生活スタイルから脱却が始まっている。日本は大人の国になりつつある。現状は土日1,000円という期間限定で値下げを実施しているため、土日に集中して車が増える現象をきたしている。むしろ、無料化した方が一気に車の増大がなくなり、平均化されて今までの利用状態に少し上乗せした程度に納まるものと思う。他の交通機関とのコストの比較において利用状況は変わる。 グローバル競争の中、日本の高コスト体質をいかに改善するかが大きなテーマである。この解決に向かって、あらゆる知恵を出し、聖域を設けないであらゆる取り組みを同じ目線で実行しなければ、日本のあらゆる産業は世界に伍して行けない事になる。即ち企業はローコストを求めて海外に移転をし続ける。企業は商品やサービスを通じて、お客様から喜ばれたり、逆に見放されたりして企業の盛衰が決まる。政治家はその姿勢によって、選挙で国民の宣託を受ける。行政(役人)は誰の宣託を、そしてどうような評価を受けるのか?行政(役人)は国民から評価を受けるべきだが、直接的には政治家により評価を受けて、行動の方向を国民の望む方向に一致させないとこれからの日本の将来はないと考える。 |