ニュージーランド紀行

2011年12月16日〜25日

一部、内容を改定しました。

『取っていいのは写真だけ!、残していいのは足跡だけ!』の国

今回は初夏のニュージーランドを訪れる計画をしたが、当初予定の日取りが催行にならず、年末の忙しい時期の旅行になってしまった。これが幸いしたのか、天候に恵まれ、旅行には最高の天気 であった。出国まで現地の天候は低気圧がへばりつき雨が続いていたが、出国日から高気圧が張り出し、旅行中は晴天続きであった。(Yahooの世界の天気で確認)

今回もJTB旅物語の世話になった。 
タイトルは『ニュージーランド ロイヤル紀行10日間』

この旅の売りは、8日間コースをベースに、7日目がクライストチャーチからピクトンまで列車で5時間半かけてゆったりと車窓の景色を楽しむこと、ピクトンからウェリントンまでフェリーで3時間半のクルーズを楽しむことであった。(8日間コースは、この間を飛行機で1時間弱で移動する。)

車窓の景色は、南島の丘陵地帯と太平洋岸の比較的温暖な地域を進むため、緑豊かな牧場や山々が連なっていた。太平洋は穏やかな状態で、海水は大変きれいであった。

列車はテーブルを囲むように椅子が2席、2席向かい合わせに並んで、ゆったりとした座席だった。展望車が連結されていて、天蓋だけで窓がなく直接、外の景色に触れられるので、写真を撮るには好都合であったが、冷たい風がもろに当たり大変寒かった。

クルーズは、クック海峡を3時間半で渡る航海で、途中はほとんど爆睡していた。

それでは、以下に旅行の全貌についてご紹介します。 

ニュージーランド国旗
英国連邦を示すユニオンフラグ(クロス十字)の右に南十字星を配したもの。
〔参考〕オーストラリア国旗はユニオンフラグの下に星がも一つ加わる。

ニュージーランドNew Zealand)は、南西太平洋のポリネシアに位置し、2つの島と多くの小さな島々からなる。北西に2000km離れてオーストラリア大陸がある。
南に2600km離れて南極大陸がある。北はトンガ、ニューカレドニア、フィージーがある。イギリス連邦加盟国で、英連邦王国の一国で、立憲君主制を採用している。
 

全行程の概略

空色の点線:NZ航空路線
赤茶色実線:バス;全行程2500km
濃い青色:鉄道
空色実線:フェリー


全行程とその内容

日程  行 程   内 容
12月16日 関空⇒オークラント
所要時間11時間 
ニュージーランド航空NZ98 
時差は4時間プラス
12月17日 オークランド着(5:30)、入国審査
国内線空港までバスで移動
クライストチャーチ着(8:30) 
オークランド空港で荷物をピックアップ、
リムジンバスに各自の荷物を積み込む
ニュージランド航空国内線 
クライストチャーチ⇒テポカ
大型バスで移動
 
約220km/3時間余り
湖畔の『善き羊飼いの教会』見学
15:00ホテル着
12月18日  テカポ⇒マウントクック 約110Km/1.5時間
世界遺産マウントクック国立公園散策
フッカーバレーハイキング(3時間)とケアーポイント ハイキング
(1時間)の両コースを走破
夜は南十字星を観測、ガスがかかり見えず
12月19日  マウントクック⇒ワカナ⇒アロータウン
早朝の遊覧飛行はガスのため中止
約220km/3時間
ワカナ湖畔には沢山のレストランがある
アロータウンはゴールドラッシュで沸いた小さな町
 アロータウン⇒クイーンズタウン 約25km
ロープウェイでポイントボブズヒル(790m) へ上る
12月20日 クイーンズタウン⇒(ラムズゼン⇒
ティアナウ)⇒ミルフォードサウンド 
約310km/5時間半
ミラーレイクと世界遺産ミルフォードサウンド観光
フィヨルドクルーズ約2時間
 ミルフォードサウンド⇒クイーンズタウン 約310km/5時間半 
12月21日  クイーズタウン⇒クロムウェル
リンデス峠⇒ブカキ湖⇒テカポ湖
約62km/1時間
フルーツの店に立寄り、ショッピング 
約196km/3時間
 テカポ湖⇒クライストチャーチ 約226km/3時間 
12月22日  クライストチャーチ⇒ピクトン トランツコースタル号(列車)  5時間半
 ピクトン⇒ウェリントン インターアイランダー号 (フェリー)3時間半
市内のビクトリア山頂展望台
国会議事堂、旧政府館観光
12月23日  ウェリントン⇒トンガリロ 約336km/5時間
世界遺産トンラリロ国立公園観光 
 トンガリロ⇒タウポ NZ最大の湖タウポ湖
フカ滝見学 
 タウポ⇒ロトルア ロトルア市内観光 マリオ村、間欠泉
キウイ飼育館、ガバメントガーデン 
12月24日  ロトルア 羊の毛刈りショー見学 
  ロトルア⇒ワイトモ  約165km/2時間半
ワイトモ鍾乳洞、ツチボタル見学
 ワイトモ⇒オークランド 約200km/3時間
オークランド市内観光
ハーバブリッジ、港風景観光 
 オークランド⇒関空
所要時間11時間半
ニュージーランド航空NZ97 
23:59発 
12月25日  関空着 7:30 時差は4時間マイナス 


余談

オークランド空港は国際線と国内線の場所が大きく離れていて、リムジンバスで約10分
かかる。入国手続きを国際線空港で済ませた後、荷物は各自でバスに積み込み、
国内線カウンターまで運び、再度、チェックインするという手間がかかる。
人はバス移動でも結構だが、荷物は何とかバゲッジスルーとしてほしい。

16日から21日までバスの走行距離:1800km;バスは大型ベンツ;男性ドライバー
22日から24日までバスの走行距離:700km;バスは三菱HUSO;女性(60才超)

参加者は18名、夫婦連れが8組と、一人参加者が男女各1名
バスはゆったりとして、大変楽な旅行ができた。

行程のスポット写真

12月16日
関空出発、直後

和歌山県上空 NZ98便でオークランドへ、
機材はB767-300


12月17日
オークランドからクライストチャーチまで飛行機で行き、そこからバスの旅が始まった。

まずは国道1号線を南下して、途中で79号線に入りテカポ湖へ到着。



きれいな水のテポカ湖、広さは、宍道湖と同じくらい
200万年前の氷河に水が溜まってできた湖
氷河を水源にしているので、美しいブルーの色
真夏でも9度前後と冷たいので、水泳はできない。



テポカ湖畔に建つ『善き羊飼いの教会
結婚式を挙げている時は入場禁止になるそうだが、当日は開放され
ていたので、中に入れた。ここから祭壇を通してテポカ湖が見える。




 
テポカ湖畔に咲き乱れるルピナス(昇り藤)の群生
在来種はでなく、イギリス人が種をまいたところ、気候と土壌が
マッチしたのか急激に繁殖した草花。各地で群生している花を
見た。特に、道路沿いに多く咲いていた。紫色が多いが、
白や黄色やオレンジ色など色とりどりでカラーフルできれいだ。


12月18日

テポカ湖から79号線を走ると、プカキ湖が見えてくる。この
湖を見ながら北上するとアオラキ・マウントクック国立公園に至る。



NZの最高峰 標高3754m アオラキ・マウントクック
年間降雨量が4000mm、149日雨が降ると言われるが
今日は晴天で、大変ラッキーであった。しかし常に雲が
横にたなびていた。



宿泊した有名な THE HERMITAGE HOTEL
標高764m、周囲の人口が200人足らずの小さな町、
住民はホテル従業員、登山関係者などで小さな小学校がある。
他に、ユースホステル、コテージがあるだけ。
ホテルから家内と二人でフッカー氷河を見にハイキングした。
フッカーバレーハイキング


途中にあった石を積み上げた戦士の墓標


ハイキングコースは岩、石ころだらけの厳しい道が続く
前方にマウントクックがそびえている。



一番目の吊り橋
スニーカでは足を痛めるので、底のしっかりしたトレッキイング
シューズを履くほうが安全。今回はしっかりした底のシューズを
持参していたので助かった。



二番目の吊り橋
フッカー湖から流れる川に架かる吊り橋、一列で対向が無理、

フッカー湖


いよいよ、目標地に到着、ホテルを出て1時間45分かかった。
マウントクックのフッカー氷河の先端が音を立てて崩れ落ちていた。
フッカー湖は、乳白濁していて、氷河の氷の断片が浮いていた。


常時、横にたなびく雲がかかるアオラキ・マウントクック
この時は、幸運にも雪に覆われた頂上が見える

フッカーバレーの道端に咲くマウントクックリリー




ハイキングコースにひっそりと咲いていた花々
 

これは気に宿るコケ類かも、白い花のように見える。



ケアポイントハイキングコース
フッカー氷河ハイキングコースを走破して、キャンプ場に戻り、
さらに次の目標であるケアポイント(956m)に向かった。
このコースは2時間と言われているが、1時間半で往復した。


マウントクックの左手に連なるマウントフットストール(2767m)と
マウントセフトン(3159m)がすぐ近くに迫る
ケアポイント展望台


木の枝に白い綿のような珍しい苔が生えていた。
この辺はよく雨が降り、湿気が多いのだろう。

二つのハイキングコースを走破して3万歩を越した。
この日はさすがに足の裏に豆ができるほど歩いた。


12月19日
オプションでマウントクック遊覧飛行を申し込んでいたが、山岳地帯のガス
のため、飛行中止となった。午前10時のホテル出発となった。
国道8号線で南下し、ワナカ湖に到着。ワナカ湖畔のレストランで昼食。



レストランの庭でミニゴルフを楽しむ? チビッコゴルファー


レストランの庭に植わっていた珍しい木
ランスウッド(Lancewood)
枝(葉)が下向きになっている?NZの固有種

  





ワナカ湖畔で日光浴を楽しむ人々
向こうに、ビキニスタイルで甲羅干している姿も見える?



真夏の日差しの中のクリスマスツリー、何か違和感を感じる

ワナカを出発して、
アロータウンに到着


昔、砂金が取れてゴールドラッシュで賑わった街。今は小さな観光の街。
道路の両側にカラーフルなお店が並んでいる。



ここのアイスクリーム屋で買ったアイスは大変おいしかった。
店員さんがいきなり大阪弁で話したのにはびっくりした。



アロータウンを出発して少し走ると、
クイーンズタウンに着く。
さっそく、ゴンドラに乗って標高790mのポイントボブズヒルに登る。
途中にバンジージャンプ台も見える。







ポイントボブヒルのレストランから、クイーンズタウンの眺望
この絶景を見ながら早い夕食をいただく。至福の時だ。
午後7時を回っているが、まだまだ昼間の明るさ。



沢山のハンググライダーが5,6機旋回飛行していた。二人乗り?
ムービー撮影中、手を振ると、気づいて手を振っていた。
NZはこういうアクティビティが盛んである。
バンジージャンプも、NZが発祥の地だそうだ。


12月20日
今日はクイーンズタウンからミルフォードサウンドに向かう。地図上の
直線距離は70kmほどだが、山岳地帯とワカチプ湖に遮られ
直行できる道がないので、大きく周回して約5時間半かかる。
走行距離にして約310km、ラムズゼン、テアナウで休憩


バスを降りて休憩、リフレッシュ、ストレッチ、屈伸、歩く・・・

世界遺産ミルフォードサウンド観光の始まり




ミルフォードサウンドの鏡のような湖面、ミラーレイク

湖面に空と、たなびく雲と、山が映っていた


氷河が切り裂いた山々のすり鉢状の絶景
北欧やスイスでも同様な景色が見られる



ミルフォードサウンド国立公園内の散歩道


澄み切った水、緑豊かな両岸の木々

いよいよ、フィヨルドクルーズ


ミルフォードサウンドのフィヨルドクルーズ、出航直前の桟橋


クルーズ船上からの景色
北欧のフィヨルドクルーズを思い出したが、両岸の山の景色は
緑の木々が生え、ここは気候が温暖なことを感じさせる。
船尾のNZ国旗は赤地になっている。これは青地の正規の
国旗では海の色と同化して見えにくいので、船上の国旗は
赤地を使っている。



両岸の幅は狭いところで200m、水深は300mもあるようで、
氷河が削ったV字の形がよく理解できる。

クルーズ終了後、来た道をクイーンズタウンまで引き返す。
約310km、5時間半かけて!!


12月21日
今日はクイーンズタウンからクライストチャーチまで約500kmを走る移動日。
途中、クロムウェルで自家栽培の果物屋に立寄り休憩、
色とりどりの果物(キュウイ、リンゴ、オレンジ、・・・)、野菜、豆類、




巨大な松ぼっくり!!
手の大きさの2倍(30cm)ほどもある。日本の松とは違い、
枝が幹からたくさん生えていて、風変わりな松である。

バスは国道8号線を北上、リンデス峠を越えてオマラマへ、
プカキ湖付近で小休止、リフレッシュするメンバー




再びプカキ湖付近を通過
綺麗に澄んだ湖



プカキ湖
マオリ語で、Puは隆起した、 Kakiは土地、山の意味
氷河が削った谷を土地が隆起して湖になったという意味

立寄った土産物店内のポッサムのはく製


道路のところどころにイタチぐらいの動物の死骸がある
ポッサム(Possam)という名の動物で、有袋類、外来種、
オーストラリアでは保護種になっているが、NZでは野鳥の卵を
食べるので、捕獲対象になっているが、夜行性なのでなかなか
うまく捕獲ができす、多く繁殖している。ただ、この毛は繊維が
空洞になっていて、とても保温性がよく、洗っても大丈夫なため
羊毛に混ぜて織り込まれる。手触りもやさしい。

再び、テカポ湖に到着、湖畔のレストランで昼食、
昼食後、湖畔を歩いていたらトラックターが放置されていた。



好天だったので、屋外で昼食を楽しむ現地人たち


テポカ湖を出発、国道79号線から1号線を北上する。
走行距離は約230km、約3時間

途中でバスを止めて、羊の放牧されている様子を見る。
年中、放し飼いで、もう毛が相当伸びている。



クライストチャーチは2年前の大地震で大きな被害が出た。
家の修復をしているところ、



分かりにくいが、電車のレールのまっすぐ向こうに行ったところに
地震で倒壊した
クライストチャーチ大聖堂がある。今はクレーンが
建っているが、この写真では見えにくい!



クライストチャーチ市内の公園の噴水


イングリッシュガーデン風のつくり
 

 
クライストチャーチ公園内で、ボール遊びをするかわいい姉弟
余りにかわいかったので思わずパチリ!
大移動の一日だった!


12月22日
今日も大移動日で、クライストチャーチからウェリントンまで
早朝6時にホテルを出発、でも夏のNZは明るい、
駅の待合室でパンやジュースやクッキーの朝食をとる。
クライストチャーチ駅のホーム


トランツコースタル号でここからピクトン駅まで列車旅が始まる
5時間半
最高時速が70km/hとのんびりとした田舎を走る列車
武骨なディーゼル機関車が客車を引っ張る
レールは狭軌なので、スピードは出せない



機関車に引っ張られる可憐な窓の大きな客車
車内はゆったりのテーブルを挟んで4席向かい合い座席
全部指定席、 X’mas休暇の人々で満席だった



太平洋沿岸地帯を北上、ひた走る。右が太平洋海岸


ピクトンに到着直前の景色
左側にピクトン市街が展開する。

ピクトン駅から歩いてフェリー乗り場へ移動


ピクトンの港で語らう人々


分度器型の海洋情報板
CALM-LIGHT-MODERATE-HEABY-STORMの表示がある。
今日はLIGHTだからまずまず波穏やかという表示!
絶好のクルージング日和、これから3時間半の船旅が始まる



フェリー船上からピクトン港を見る


フェリーのデッキで風景を楽しむ人々
ただ、風が冷たく、きつくてとても耐えられない!
彼らは平気な顔で、おまけに半袖の人もいる



途中で大型フェリーと行き交った。
我々が乗っているフェリーと同型船!


いよいよ、北島、首都ウェリントンに到着した。
バスは一回り小さい三菱HUSOバスに代わった。
女性ドライバーさんで、御年は60才超のおばあちゃん、
こちらの女性は男と同様に働くと聞いたが、まさにそのとおり。
お孫さんがいるのに、まだバスのドライバーさんです!



首都ウェリントン市のビクトリア山頂展望台から市街の眺望



 
ビクトリア山頂にあるモニュメント
後方の三角錐の頂点上に南十字星が見えることを示している。
+印の少し左上にあるのが南十字星、ひし形の中に小さな星が
一つ見える。 よく間違うのは+しるしの右上方にあるひし形を
南十字星と勘違いする。 小生も今まではそう思っていた。






首都ウェリントンの円形に見える国会議事堂
周囲に何の囲いや、守衛の姿が見えない
この国の開放的な姿、治安の良さを感じる。


12月23日

今日から本格的に北島の観光が始まる。
朝7時にホテルを出発、一路トンガリロ国立公園を目指す。
約336km、5時間のコース、国道1号線をひた走る。

トンガリロ国立公園内のベイビュー・シャトー・トンガリロ ホテルで昼食



ベイビュー・シャトー・トンガリロ ホテルの庭園からの眺望
ここからNZの富士山が見えるが、山頂は雲で隠れている。



同じホテルの別の角度からの映像、

昼食後、移動してタウポにあるNZ最大の滝であるフカ滝に着く。


澄み切った水が大音響とともに流れ落ちるフカ滝
落差は大きくないが、水のきれいさと流量に圧倒される。



水の色は氷河の切り口の青い色と同じで、とてもきれい

フカ滝の滝つぼに向かって突っ込むスリリングなボート



さらに北上して、ロトルアへ、市内観光


テ・プイア(TE・PUIA)
マオリ人が住んだ村の祈りの場所、集会場のような建物



マオリ人の住んでいた家の遺構
入り口が狭く、外敵の侵入を妨げた?
前に火を焚いた石組みがある



ポフツ間欠泉
世界的に有名な間欠泉で、1時間に1、2回、約30mの高さまで
水を噴き上げる。 噴出時は周囲は水しぶきで一杯



ンガモカイアココ鉱泥泉
九州別府で見られる坊主地獄と同じポコポコと泥が噴き出す
ヨーロッパ人は、カエルが飛び跳ねる様子と似ていると例えて
カエル池と呼ぶ。



トッイ(Tui)という鳥で、別名Hoeyeater(ミツスイ)
写真の木はフラックスというツボ状になった花を咲かせ
蜜を蓄えている。鳥が蜜を吸うと受粉する。



夕食後、マオリ人の伝統的な踊り、ハカを楽しむ
フラダンスのようであり、男性的な戦いの踊りのようでもあり
複雑な感じの踊り、ハワイのフラダンスのようなのんびりした
ものではない。


12月24日
早くも今日は最終日になった。
ロトルア市内観光

名前を調査中?
左右対称のお城風の建物



タカへ ?
多分、親子連れ、飛べない鳥



ロトルア市内にあるアグロドームで羊ショーを見学
舞台上にはたくさんの種類の羊が紹介される。
毛の質、長さ、毛の色など、肉が食用に適するかなど
用途に合う改良がなされてきた。壇上は18頭の羊たち。


18頭の羊の一部のアップ

ショーの後、ワイトモ渓谷に移動、約165km、2時間半



ワイトモ鍾乳洞の出口
ここは写真撮影禁止なので、出口の写真のみ、

ワイトモは「水の流れ込む洞窟」の意味で、鍾乳洞や石灰石の
形成物により太古の迷宮の不思議な魅力を持つ鍾乳洞。
洞窟内を流れる川、その洞窟の天井には無数の
ツチボタル
が生息し、淡い薄青い光が見える。普通のホタルのように
明滅せず常に光を出し続ける。この様子はまさに満天に輝く
星空のようで、真っ暗闇の中に無数に輝いている。
ここは世界一の
ツチボタルの生息地である。
ツチボタルが生息できる条件は、温度が15度前後と一定なこと、
食する虫(蛾や蝶など)がたくさんあること、風が強くないこと。
特に粘り気のある糸を吊り下げて昆虫を捕食するので、風が
強いと糸が絡み合いうまく捕獲できないかららしい。

今回の旅行で一番感激した場所と光景だった。

 

 
左はツチボタルの幼虫が粘性のある糸を垂れ下げて虫を捕獲し食する。
右の写真はツチボタルの成虫、卵を産むと、幼虫の糸に自分の体を着け
幼虫(子供)の餌になる、けなげな親の子供への愛??
〔注〕この3枚の写真は公式サイト、または看板を撮影したものです。

ワイトモを後にして、いよいよ最終地、オークランドへ移動。
約200km、3時間

オークランドはNZ最大の都市、シンボルのハーバーブリッジ




オークランドの港風景
中央にテレビ塔が見える、左にはX’mas電照



オークランド港には無数のヨットが停泊している。
大きなヨットにはレーダ、GPS、ソナー、電波方位無線など
先端電子機器を搭載し、外洋航海ができるクルーザーが
沢山係留されていた。3人に一人はヨットを所有しているとか。



アメリカンカップKZ1クラスでNZが優勝したヨット
帆の長さ(高さ)が48mもある、見上げる高さ
紋甲イカのお化けのような形に見える??



港内を帆走するヨット


カメラを肩にミニスカートのよく似合うNZ美人?

 
レストランで呼び込みをするかわいい女性
X'masで赤い帽子がよく似合っています。

この近辺で夕食をとり、オークランド空港に向かい帰国の途に就く。


旅行の概要

関空14時半出発で11時間の飛行、現地時刻5時半(日本時刻1時半)到着はホテルにチェックインしたので、思いっきりゆっくり過ごして、鋭気を回復した。

この旅行のキャッチフレーズは『ロイヤル紀行』となっていたので、何がロイヤルなのかと思っていたが、ホテルのグレード、広さ、設備、食事は確かに今までのツアーでなく良いものだった。しかもゆったりと旅行ができた。

この夏のニュージーランド(NZ)は寒くて、気温がなかなか上がらなく確かに肌寒いな!という感じがした。NZは一日に四季があると聞いていたので、それなりの気温の変化に対応する服装の用意はして行った。

紫外線はオゾンホールの影響で、日本の7倍も強いそうで、日焼けした。
女性はサングラスと、日焼け止めクリームは持参する方がいい。

NZの一般情報

NZは約27万uで、日本の国土の75%(3/4)、北島と南島に分かれ、何となく日本の北海道と本州に似たような形の国で、それだけでも親近感が沸いてくる。
南島には700kmに及ぶサザーンアルプスがあり、3000m級の山が19、 2000m級の山が30連なっている。最高峰はアオラキ・マウントクックで3754m。富士山よりわずかに低い。
アオラキとは現地人マオリ語で、『横にたなびく雲を突き抜ける』という意味らしい。常に山腹に横にたなびく雲がかかり、頂上は雲の上に聳えるという山を象徴している。

赤道をはさんで日本と対峙する場所に存在するので、気候が夏冬正反対となる。NZの夏はサマータイムで1時間早くなるので、12月の時差は4時間であった。

人口は約436万人で日本の1/27、羊が4500万頭、牛が950万頭で、人より多い。人口密度は1平方キロあたり14人と、日本の1/15、福祉が充実していて住み易い。オークランドが最大都市で、クライストチャーチ、ウェリントンと続く。

公用語は英語とマオリ語の二言語、先住民マオリとうまく融合している珍しい国。
しかし、ここに至るまでマオリ人とヨーロッパ人の間には争いが起きてきた。
NZはマオリ語でAotearoa(アオテアロア)という。 aoは雲、teaは白、roaは長いの意味白く長い雲がたなびく地ということらしい。NZにはマオリ語の地名がたくさんある。
英語と併記したものもある。 マオリ人は親日家が多いそうだ。 それはお互いに共通する文化を持っているからだ。 たとえば、互いに島国で100%日本人、彼らもヨーロッパ人が来るまではそうであった。宗教的には精霊や妖精を信仰し、八百万(やおよろず)の神を信じる。自分達は祖先があって自分が存在するという立場をとる。
言葉も日本語と同じ母音を使うなど共通点が多い。

貨幣はNZ$(ニュージーランド ドル)で、1NZ$=64円ぐらい添乗員さんのコメントでは、ヨーロッパやアメリカに行く時は関空で両替する、アジア方面、オセアニア方面は現地に着いてから両替する方がレートがいいということであったが、確かに現地の各所でレートを見たが62円〜64円と関空よりもずいぶん良かった。 これは一つ勉強になった。

水道水は飲める! アルカリ性が少し強いので、がぶ飲みは注意したい。

電圧は240Vで周波数は50Hz、の字の形のプラグが必要。コンセントにスイッチがついているところが多い。プラグを差し込んでスイッチを入れないと通電しない。

電力は70%が水力発電、20%が火力発電、地熱と風力が2%ずつで、原子力発電はゼロ。自然の保護を第一に掲げているNZでは、原子力に対して、発電のみならず原子力潜水艦や原子力空母の入港も認めない。生態系を守ることをかたくなに守ろうとする態度が非常に強い国である。

一般的にチップは不要、特別世話になった場合は心付けは気持ちで。

高速道路は殆どない。 2車線または4車線の対向車線の一般道路で、制限時速100kmで走る。 カーブは手前に必ず制限速度表示がある。車が少ないのでスイスイ走れる。 一部、市街地で少し渋滞した程度。

交差点はイギリス式のラウンドアバウト(Roundabout)方式で信号はない。ラウンドアバウトは交差点に進入した車は定められた向きに周回し行きたい道路へ進むのはロータリー交差点と同じ、流入車両に対し、ロータリー内を周回する車に優先権があり、流入する際は一時停止を求しなければならない。交差点での事故は大変少なくなる。信号機はない。日本の一般の十字交差点と一長一短がある。
車は日本と同じ左側通行。
 旧大英帝国の連合国の名残だろう。

自動車のNZ生産はゼロになった。すべて輸入車で日本車、ヨーロッパ車、アメ車だったが、最近、NZでも韓国の現代自動車が増えてきたそうだ。
確かによく見かけた。ここでも韓国企業が急速にシェアを拡大している。日本車が多く、三菱自動車が以前は一番多かったが、今はトヨタ、ホンダ、日産、マツダなど各社が競っている。NZ人は車を大切にするが、高いので新車より中古車を長年使い続けるそうだ。

鉄道はあまり発達せず、主に観光用、または貨物輸送用として使われる。理由は時間的に車の方が早く目的地に着けること。都市部では一部電車もあるが、殆どがヂーゼル機関車で牽引する。 時速は70km前後。単線が殆ど、複線区間は主要都市近辺だけ。鉄道を走る列車は貨物車が多い。 

習得した知識


何を飼っている牧場か!見分ける方法は?
牧場には、牛、羊、馬と最近は鹿が増えてきた。羊や牛は価格が安くなり
あまり儲からなくなったそうだ。羊毛は合成繊維に押されて家格が下がり
牛はアメリカやオーストラリアで大量に飼育されていて、単価が安い。
そこで注目されているのが『鹿』だそうだ。鹿は肉も食べられるし、雄の角は
漢方薬の材料として重宝されるので、一頭当たりの単価は羊の7倍になる
と聞いた。では、牧場で飼育している家畜を見分ける方法は?
柵を見れば分かる。
羊はおとなしいので、低い柵で十分用を足す。羊に比べて鹿は跳躍力が
凄いので、柵を高くしないと、飛び出すそうだ。柵の費用が高くつくという話。


ブドウ畑になぜ、バラを植えているのか?
ブドウ畑には、どこもバラの木が植えられている。バラを愛でるためではない。
バラの木や葉には、アブラムシやその他の毛虫類が発生しやすい。それらの
害虫はまずバラの木に発生するので、バラの木を見ていて、害虫が発生
し始めれば、ブドウの木に薬剤散布をすればいい。
バラは害虫のセンサーになっているのです。



キュウイハズバンドとは?
キウは鶏ぐらいの大きさで、羽根は退化して飛べない。NZ固有の鳥で国鳥
メスは体重の25%にもなる大きな卵を産む。 卵を温めて、子育てするのは
オスの仕事になる。これになぞらえ、NZ人の男性でよく家事の世話をする人
キウイハズバンドと呼ぶらしい。
夜行性で目がよく見えないが、くちばしの先端に鼻孔があり、ひげを持ち、
鋭い臭覚で餌を探す。地面にくちばしを突っ込んでミミズや昆虫の幼虫、果実
などを探して食べる。今回の旅行では、観光用施設内で、昼夜を逆転し暗い
部屋で飼育し、くちばしを土に刺して餌を探している姿を見ることができた。

この写真は借用したもの
建屋内はカメラ撮影厳禁のため


牛や羊はどのように飼われているのか?
パドックという囲いに、まず牛を入れる。牛は背の高い草を好んで食べる。
それが食べつくされると、次はその場所に羊を入れる、羊は牛が食べ残した
草を食べる。羊が食べつくした後のパドックには山羊を入れる。山羊は草を
根こそぎ食べる。何もなくなると1、2年パドックを放置すればまた、芽が出て
その中に牛を入れる。この繰り返しをしながら放牧する。だから広い土地に
バラバラ牛や羊が飼われているのではなく、ある広さの囲いの中で飼われ
ている。その他の土地は空き地で自然に放置した状態になっている。

もちろん、農地として野菜などを作っている土地は耕して手入れをする。
農家は牛や羊や最近は鹿を飼うのが増えてきた。 鹿は高く売れる。しかし、
鹿は跳躍力がすごいので、囲いの塀の高さを十分高くする必要がある。
多種類の家畜を飼い、価格の変動や気候の変動に対応している。


NZは雷が少ないらしい?  何故、そんなことが分かるの?

 
左の写真はNZの配電線、          右の写真は日本の配電線

送電線や配電線には、架空地線という電線を一番上(高いところ)に
1本(高圧送電線は2、3本の場合もある)張り、この電線を接地する。
架空地線の役割は落雷による送配電線路の破壊を防ぐことにある。
ところがNZでは、配電線に全くと言っていいほど架空地線がない。
高圧送電線にもないものが多い。  これは雷が少ないからである。

電柱はコンクリート柱もあるが、田舎に行けば今なお、木柱もある。
日本の電柱は殆どが鉄筋入りコンクリート柱になっています。


ニュージーランドがラグビーが強いわけは?
小学校には必ずラグビーのポールが建っている。体力を鍛えるため。
子供の頃からラグビーに力を入れているからだ。


 ミルフォード・サウンド = ミルフォード・フィヨルド

NZではフィヨルドサウンドと呼ぶ。フィヨルドという呼び方を知らなかったので、サウンドとなった。フィヨルドはノールウェイ語の呼び方で、英語にはなかった。
ノールウェイのソグネ・フィヨルドは海水が内陸部に200kmを越える奥地まで入り込んでいて、両岸の岩肌も鋭く削られた世界一のフィヨルド。
ゲイランゲン・フィヨルド
も同様であった。
今回のNZのミルフォード・サウンドはフィヨルドで海水が入り込んでいるが、両岸の景色は緑の木々が生えて、短いもので迫力に欠けたように思う。

旅行後の感想

(1)国土は日本の75%、人口密度は約1/30、GDPは高くないが暮らし易い。農産品が中心で、自然とうまく折り合 っているという感じがする。今後もNZは豊かな農業国として安定に持続する国だと思う。

(2)日本は明治以来、開国、富国強兵、敗戦、復興、発展の歴史を辿ってきた。いま、少子高齢化社会を迎え、どういうシナリオを描き、将来に対処するか大切な時期に来ている。

(3)日本が得意だった工業製品、電化製品や自動車は次第に韓国や中国にその地位を奪われている。その姿は海外旅行をするたびに肌で感じるようになった。ホテルの客室やロビーのテレビがSonyやPanasonicからサムスン、LGに代わり、自動車は急激に現代(ヒュンダイ)が増えてきている。
これは数十年前、アメリカに日本製品がドンドン輸出され、特にアメリカの電気メーカであったRCA、モトローラ、など超有名メーカが駆逐された時と似ている。
空港や町中を見てもSamsung、LGの広告塔がやたらと目につく。これは時代の流れなのかもしれないが、我々としては放置できるものではない。

(4)日本は、素晴らしいものをさらに素晴らしくするような努力を人一倍やってきた。たとえば、日本の農産物、特に果物類はどの国に行っても、日本の果物が一番おいしいし、実は大きくて、見た目もきれいである。TPPは日本の農業をダメにすると言われるが、日本の農産物ほど美味しいものは海外で味わい、見たことがない。

(5)特に、日本のリンゴ、イチゴ、ミカンなど果物類は比類のない美味しさである。
  それなら日本の農産物をどのように世界各国の店に運び、お客さんの口まで
  届けるか、そのインフラの仕組みを整備する必要がある。
  農家を守る!という大義名分を従来どおり唱えていても解決策は見つからない。


(6)
工業製品はデジタル化が進んで、どこでも高品質で高性能の製品が作れる時代になってしまった。(あえてこういう表現をしよう)液晶テレビの液晶表示板はどこから買い入れて、テレビに組み立てれば同じようにきれいに映る。
ブラウン管テレビの時代は、ブラウン管が画質を決定していたのでテレビメーカ各社はブラウン管工場を自前で持っていた。逆にブラウン管工場を持たないようなテレビメーカは一流ではなかった。ブラウン管の出来不出来で、画質や寿命や信頼性が大きく左右された。そこに高度な開発技術や製造技術や現場のノウハウが息づいていた。いま、液晶テレビやプラズマテレビは、表示板をどこのメーカから仕入ようが高画質で高品質なテレビを作れる時代になった。表示板を必ずしも自社で作る必要がなくなったのである。その理由は、すべて『デジタル化された商品・モノづくり』という製造の進化である。

(7)そういう商品・工業製品(電化製品や自動車もその他、様々な商品)はデジタル技術の特質上、高い教育やノウハウを持たなくても安定に高品質な商品が世界中で製造できる。高い品質の商品を製造するのが得意だった日本の優位性が薄らいでいる。

(8)このような工業製品(商品)と比べて、農産物は自然を相手に作る商品である。日本ではハウス栽培も増えてきたが、まだまだ主流は露地栽培が多い。NZを廻って、この国の農業は自然の中で息づいている。この国は今後も大きな発展もなければ、衰退もないだろう。

(9)我々日本は農業国から急速に工業国として成功を収めてきた。しかし、デジタル技術は過去のモノづくりのノウハウを必要としなくなった。長年積み上げてきた日本のお家芸がその立場を失いつつある。日本は早急に次の手立てを考えなければならない。

(10)その解の一つは、日本の高い品質の農産物を世界の富裕層の皆さんに買ってもらうことだと思う。農産物は鮮度が大切だから、収穫してから短時間に店頭に並べられるかが勝負だ。国内の流通インフラは大きく改善されてきたが、世界中に短時間で商品を供給できるか流通インフラを構築することが求められる。世界の富裕層に対し、日本の素晴らしい果物を届けられれば素晴らしい事業になる。