2017年3月23日~24日
日本3美人の湯「龍神温泉」に、帰りは高野山に!

 和歌山県有田川町(旧・吉備町、その前は田殿村)生まれ、高校生までここで育ち、その後、京都に出て、大阪に就職して後、大阪人として人生を送っている。
 最近、妻の母親が歳を老い、時々見舞に出かけるのですが、近くまで行きながら、一度も行ったことがなかった『龍神温泉』に足を延ばして一泊しました。

 金屋から林道だった道が綺麗に整備され、424号線の林道を南下し、更に371号線で少し東進すれば奥深い山、日高川のせせらぎの中に寂れた温泉街があります。
ここが龍神温泉です。

 島根県の『湯の川温泉』、群馬県の『川中温泉』とならび『日本三美人の湯』とし知られた温泉です。
 
 元湯は、(有)龍神温泉元湯が運営する源泉掛け流しの共同浴場となっています。
入浴料金は700円と安くありません。
 お湯は毎日入れ替え、泉質は、ナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)で、肌がツルツルになり、しっとり感があります。 効能は良く温まり、特に冷え性、神経痛、肩こり等に効果があると云われています。
 確かに、入ってみますと、肌がツルツル・スベスベになりました。美人になったかどうかは男には分かりませんが、家内は少しきれいになったような気がします。
 
 この温泉郷には、十数件の宿がありますが、中でも『上御殿』は由緒のある温泉宿です。少し下流域に『下御殿』があります。宿の規模は『下御殿』の方が大きくて鉄筋コンクリート造り?の新しい建物ですが、『上御殿』は純和風木造づくりの老舗旅館です。

上御殿は、江戸時代初期(明暦3年・1657年)に当時の紀州藩主である徳川頼宣公が、龍神温泉へ湯治に訪れるために建てられた御宿です。
旅館ができた後、龍神家は徳川公にお宿の管理を命ぜられ、さらに上御殿の屋号を承りました。

「御成りの間」は、徳川公がお泊りになられた部屋であり、現在も当時のままの形で残っています。
現在の上御殿当主は、源三位頼政の5男である頼氏より数えて29代目にあたり、820年続く上御殿の歴史を今も尚受け継いでいます。国宝級の襖です。

有吉さんと一緒に記念写真 文豪も愛した上御殿
『恍惚の人』や『複合汚染』などの作品で有名な
有吉佐和子さん。
彼女も大変馴染み深いお客様で、上御殿にて
龍神温泉を楽しまれていきました。

 
 温泉街の道路は道幅が6mほどの狭く、両側に古い佇まいの宿が建ち並んでいます。に沿った

 上御殿は木造かわらぶきで古く年代を感じさせます。引き戸や窓や縁があり、玄関先に提灯と立て看板がこの旅館の風情を醸し出しています。 

玄関を入りますと、左手に大きな木の板が掲げられ、『日本三美人の湯』龍神温泉、川中温泉、湯の川温泉の案内板があります。
 
  
 



玄関の立て屏風や額
 由緒ある骨董的な雰囲気を感じる玄関

 

 








 
 玄関を入った右の部屋

昔懐かしい火鉢や大きなお皿が棚に飾られています。

暖房の石油ファンヒータが時代錯誤の違和感がありますが、・・・。
 
 廊下を抜けると、新館につながります。新館と言えども木造で、木のぬくもりを感じる建物です。
 今は新館を宿として使っているようですが、特別に頼めば、旧館の「本陣」にも泊まれるようですが、部屋にトイレがなく設備的には昔のままということになります。もちろん、宿泊料金は少々高くなりますが、思ったほどではありませんので、興味のある方は、一度泊まっては如何でしょう。


 上御殿から約100m下手に『下御殿』があります。

 日本三大美人の湯で有名な温泉は、日高川の渓流に面した露天風呂や、ひのき風呂、御座敷風呂等を楽しめます。
囲炉裏の付いた特別室、清流日高川を眺めながらご入浴いただける露天風呂客室等をご用意しております。客室はすべて日高川に面しており、四季のうつろいを感じていただけます。    

 龍神温泉元湯の建屋です
入浴料金は700円
源泉かけ流しの湯です。

 











日高川上流に建てられた温泉街

上流に向かって撮った写真
秋の紅葉の季節は絶景になると思います。
今は枯葉の状態です。
周囲の山林は、杉と桧です
 
 





 夏はアユ、ヤマメなどが釣れる清流です。
写真は川下の方向に向かい撮りました。
石が転がっているような場所はアユ釣りに最高です。

 








龍神村の案内標識です

 泊った『上御殿』での夕食は、山菜や漬物など山の幸が中心で清楚な料理です。
中でも、熊野牛のしゃぶしゃぶは、肉が分厚く、適度な脂肪が乗りおいしかったです。

 朝食は、これもまた山菜が中心で、一般的な和朝食という感じでしたが、朝夕食とも、ご飯がとてもおいしかったです。おかみさんに聞くと、「特別なコメを使っている訳ではないが、多分、天然水で炊いている性でしょう」という話でした。
 そう言えば、大阪の知り合いが、龍神温泉にコーヒー用に水を汲みに月に何度か行くという話を聞いたことがあります。
 何か特別な成分が含まれているのかも知れません。

 秘境の温泉ですが、それにしても宿泊客が少なくて、翌朝、散歩がてら、この温泉街を歩いて一巡して見ましたが、他の湯治客には一人も出合いませんでした。
 木曜日だったからかと思いますが、金・土曜日は賑わうのでしょうか?
 山深い土地柄ですので、朝の気温は低く4度ぐらいでした。山間からウグイスの鳴き声が聞こえましたので、この地にも春が来たようです。

 最近、日本各地の温泉客が減っているようですが、龍神温泉もその影響を被っているのかもしれません。ここは秘湯ですので、今後、たくさんの外国人が訪れるところではないと思います。大阪から来るにしては交通の便が悪くて外国人には無理だと思います。
 
 その方が、いつまでも日本らしい落ち着きが保てますが、旅館の経営は大変だろうな!という感じを受けました。

 翌朝は、護摩壇山の横をとおり、高野山に向かいました。途中外気温がゼロ度まで下がり、道路の両側に残雪がありました。やはり標高が高く寒いところです。

 高野山は、世界文化遺産に登録され観光客が非常に増えたということです。行ってみてびっくりしたのですが、25年ほど前に行った時の風景と大きく様変わりしました。大門は昔のままでしたが、宿坊が立ち並ぶ道路の両側の店や建物がきれいになり、すっきりとした素晴らしい観光地に生まれ変わりました。これなら世界から来られる観光客に十分満足をしてもらえるなという感じでした。
 高野山のホームページは素晴らしいですね!
 
 今まで有名な世界の観光地を回ってきましたが、高野山はその中でも十分価値ある観光地になっていると思います。
 高野山には宿坊に泊ってみる予定をしていますので、今回は龍神温泉の紹介だけとします。

 帰り道は、480号線を走り、花坂で左折し、かつらぎ西ICから京奈和自動車道に入り、和歌山JCTから阪和高速道路を走って近畿自動車道に入り、いつものコースで帰りました。
 京奈和自動車道は一部開通ですので、今は無料になっています。対面高速道路ですから、速度制限は70kmです。注意して走りましょう。