2013年6月12日(水)〜15日(土)
『トワイライトエキスプレス』に乗って、道南地方を回る


はじめに

 孫が、5歳になり、親から離れて、旅行ができるようになった、と言っても今回が初めての試みで、大丈夫かな?と言う心配もあった。

孫は電車が大好きで、すでに『カシオペア』に乗ったことがあるので、今回は『トワイライトエキスプレス』に乗りたいというたっての希望である。

以前、国鉄時代に、大阪〜東京の寝台列車に乗ったことがあるが、新幹線ができてからは、寝台列車に乗ったことがなかった。
ちょうどいい機会なので、爺、婆と孫の3人で、3泊4日の北海道旅行を楽しんだ。孫は5歳なので乗車券は不要。

行きは、日本海岸を走る『トワイライトエキスプレス』に乗ること、帰りは新青森駅発の『はやぶさ』に乗ることが、孫の願いであったので、まず切符の手配から挑戦した。

トワイライトエキスプレスは、スイートルームと、ロイヤルルームB個室ツインB個室シングルツインBコンパートメントという5種類(5ランク)の部屋がある。

まずは、切符(寝台券)を一か月前の日の10時から、JR駅やみどりの窓口に行くか、旅行業者に頼んで端末機で入力して確保してもらうことになるが、この切符を取ることが宝くじに当たるような至難の業になることを知った。
申し込んでも、まずは取れないと思った方がいい!!。
今回は、東京の渋谷駅の窓口で、多分キャンセルだと思うが、10時に取れなかったのが、12時ごろに取れたという知らせをもらい幸運にも確保ができた。

これだけ、申込者が多いのなら、もっと列車を増発するとか、車両の連結を増やすとか、お客さんの要望を聞く姿勢があってもいいのにと思う。
詳しくは、後ほど解説します。

何とか、無事に切符が取れたので、レンターカーホテルをインターネットで予約して、出かけた。

札幌の手前の、南千歳駅で下車し、駅レンターカーを借りて、まず、ノーザンホークパークスという馬の牧場に行き、馬に乗ったり、馬車に乗ったり、園内を散歩したり、ロバのショーを見たりして、昼食を取り、その後、むらかみ牧場で、牛のちちしぼり体験や、バターつくりや、牛のエサやりや、生まれたばかりの小牛を見たりして遊んだ。

初日は、トワイライトエキスプレス(夜行列車)で移動だったので、早くホテルにチェックイン。初日のホテルはANAクラウンホテル千歳

翌日は、支笏湖を通過して、隣のオコタンぺ湖まで行ったが、小雨で霧が出て良く見えなかったので、戻って、支笏湖を見て、南に下がり白老町のアイヌ民族博物館の見学をした。ここでゆっくり過ごした。孫はスタンプラリーが気にいったようだった。

その後、洞爺湖に移動して、観光遊覧船に乗り中島を見て、ゆっくりと洞爺湖万世閣ホテルに入った。秋までは毎日、湖上花火大会が開かれている。
花火観光遊覧船が湖面に出て、花火は船やモーターボートで上げる。
湖面に向かって、左手の方から順に、どのホテルからも見えるように移動して打ち上げる方法を取っていた。

泊まったホテルは湖面に窓があったので、花火は初めから終わりまで全部見えた。少し小雨が降っていたので、花火がガスに反射して、また違った風情を醸していた。8時45分から約30分ぐらいだったかと思う。

翌朝は、函館駅まで164kmを一気に道央自動車道路(対面高速)を走り、無事に函館に着き、レンターカーを返して、スーパー白鳥で新青森に向かい、新青森から東京に『はやぶさ』で帰った。途中、盛岡駅で秋田新幹線こまちはやぶさドッキングすると言う場面に出くわした。
5分間の停車。ドッキングの場面を見るのも、孫の要望で、見たいということで、ホームに降りて、ドッキングの様子を見て、写真に撮った。
と言うことにメカに興味を持っているので、男の子だなあ!とつくづく感じる。

東京で、娘に孫を返して、そのまま、東海道新幹線、のぞみで帰阪した。
孫は大変はしゃいで喜んでいたが、今回の経験をどこまで覚えているか、
楽しみだ。

トワイライトエキスプレスの走行ルート

 大阪・札幌間を約22時間、ほぼ一昼夜かけて日本海沿いを走るトワイライトエクスプレス。京都を出ると、湖西線に入り、敦賀に出る。青森駅では牽引車をEF81形からED79形に付け替え、進行方向が逆になって津軽線へと入って行く。
更に北海道の五稜郭ではこの機関車をDD51形に付け替え、終点の札幌を目指す。日本で一番長い距離を走る長距離寝台特急「トワイライトエクスプレス」、走行距離は1,495.7km。

今回の旅行の写真
6月12日(水) 
   
機関車の全面につけられた
トワイライトエクスプレスの飾り
   
エンブレム
  最後尾のスイートルーム
1号、2号車に一部屋しかない。
超デラックスな部屋、
料金は509800円 
 
豪華なダイニングルーム
フルコースディナーが12,000円
 
豪華なダイニングルーム
朝食はここで食べられる
 
サロンカー(サロンテュノール)
 
サロンカーは自由に利用可能
ここをうまく使うと、リラックスできる
   
B個室ツイン部屋
2段ベッドで、上段はボタンを押すと
モーター駆動で昇降できる。
ベッドの幅が狭苦しい。
ソファーは広げるとベッドになる。
   日本海に沈む夕日、
まさに、トワイライトと言いたいが
夏で日が長くて、まだ太陽が高い
  北陸新幹線の陸橋を照らす夕日
新幹線は着々と伸びている 
6月13日(木)
   ノーザンホースパークス庭園
広い公園のような園内には白樺や
いろんな木々が植えられている。
つつじが満開であった。
  ノーザンホースパークス園内
園内を巡回する馬車
馬の足の毛がソックスを履いている
ようで、何ともかわいい。 
  ノーザンホースパークス園内 
馬にまたがり、ご満悦な孫
約70mぐらいを一巡するコース
  むらかみ牧場
この牝牛は5歳で650kg あるそうだ。
お腹には赤ちゃんを身ごもっている。
牛は2歳になると、一人前になる。
おとなしいので、乳搾り用として使う。
顔に白い?模様があるので、愛称は
はてなちゃんだそうだ。
一日に25リットルのミルクを出す。
日に2回搾乳し、12,3L/回搾る。
ボディータッチして喜ぶ孫
   
お姉さんに絞り方を教わり、早速
乳搾り。真剣な顔で、小さな手だが
うまく乳が搾れている。
右は小牛に藁をやっている。
少し、腰が引けているぞ!
6月14日(金) 
   
支笏湖の隣の小さなオコタンぺ湖
展望台から。

右は支笏湖の看板
   支笏湖を背景に3人でパチリ。
少し天気が雨模様でした。
   白老ポロトコタン
アイヌ民族博物館入り口
  博物館内展示
冬眠中のクマを狩るアイヌの男性 
   博物館内展示
衣類を折るアイヌの女性
よく見ると、口ひげのような刺青
(いれずみ)をしている。
これは、一人前の女性の証拠。
刺青は数年かけて入れたそうだ。
今は禁止されている。
   
館内の衣類の展示
民族楽器を演奏する女性
ビューン、ビュンという音が出る。
  広い園内には、わらぶき屋根の
家が立ち並んでいる。 
   オコタンベ湖の畔の東屋
  博物館入り口を入ると、巨大な
アイヌの男性の像が立っている。 
   
洞爺湖遊覧船
夜は花火見学船に代わる
  洞爺湖の中島
4つの島からできている中島

湖面が鏡のように凪いでいる。 
 
洞爺湖花火大会
モータボートから、花火を打ち上げたり、
点火した花火を湖面に投げて、高速で走り
花火はその後で爆発するという湖面花火が
大迫力だった。
 
連日、雨天決行で打ち上げている。
外国人観光客が多い。
彼らはオプショナルツアーで、船から
花火を見る人が多い。
6月15日(土) 
  泊まった洞爺湖万世閣ホテル
大きなホテルだった。
部屋はスイートを準備してくれた。
アジアの外国人で、ロビーが占領
状態になっていた。

中国人、韓国人、インドネシア人
などが多い。彼らは大変賑やかで、
声が大きい。人目をはばからない。 
   帰りのスーパー白鳥28号
函館駅ホームにて
   
新青森駅新幹線ホームにて
はやぶさ12号
   盛岡駅で、秋田新幹線こまち
はやぶさの連結作業を見る乗客

これが子供に人気のようだ!
   
はやぶさが先頭で、こまちが後続
ホームは人で一杯、危険だ!

トワイライトエキスプレスに乗って、道南旅行の感想 
 トワイライトエキスプレスは大人気のようで、きっふがなかなか取れないという
状況のようだ。現に、我々も苦労して、大阪、東京と業者さんにお願いしたが、
なんとか運よく東京で取れた。こんなに人気があるなら、新車両を造って、運行すればいいと思うが、そういう発想は今のところ聞いていない。

日本もゆとりの旅ができる環境になっているのではないかと思いますが・・・。
スピード競争ばかりが目立ち、時速300kmを超え、リニアカーは時速500kmを出すと言われています。そういう速さを競うことも大切ですが、ゆったりした快適な時間を味わえるゆとりの空間の提供も提供してほしいものです。

現用の車両は、平成元年のもので、古くなり、造りも良くなくて、とにかく狭い。
ベッドはもう10cm幅があればいいのだが、肩が当たるので疲れる。
今回は、孫を同伴したので、上段に家内が寝て、下段のソファーベッドに孫と二人寝なければならなかったので、どうしようかと思案した結果、足と頭を互い違いにして、横になった。幸い孫はまだ小さいので、眠れなかったが、何とか一夜を明かした。もう少し広ければ、この方法で子供となら何とかなる。

以前、阪九フェリーの特1で、大阪南港から北九州阪九フェリーターミナルまで往復夜間便に乗った。こちらの部屋は、思ったよりゆったりしてくつろげた。
今回のB個室ツインは、スーツケースを置くと、部屋の中を歩くのも狭いという感じだった。二人なら何とか我慢できるのかもしれないが・・・。

切符が取れれば、スイートやロイヤルルームは快適だと思うが、こちらは数が少ないので、宝くじに当たるような確率になる。まずは取れない。しかも高い。
JRさんにお願い、もう少し快適なトワイライトエキスプレスを運行してほしい。

サロンカーは自由に使用できて、窓ガラスが広く、屋根の上に回り込んでいるので、見晴らしがすばらしい。このサロンカーは良くできている。
スイスの氷河特急などの展望車を思い出した。
テーブルが4つ、周囲がソファー、4人がゆったり座れるので、16人がけ、窓際に2人掛けの椅子が5脚ある。
自分の部屋が狭いので、昼間はこのサロンカーで過ごす人が多い。

昼食は駅弁などを持ち込む人が殆どのようだ。
夕食は事前に申し込めば、本格的なフルコースディナー(12,000円)や、日本海会席御膳(6,000円)が食べられる。会席御膳は部屋食になる。ゆとりとお金がある人はこの贅沢をして堪能すればいいと思う。

途中で、この列車のグッズの販売や、コーヒー、アイスクリームなどの販売がある。孫にトワイライトエキスプレスのNゲージ機関車を買った。

いつも海外旅行して、日本の景色と外国の景色が大きく違うのを感じる。
特にヨーロッパ各国は似たような大地が広がり、延々と続くことが多い。そこは広大に広がる、なだらかな丘陵地になっていて、麦畑や、トウモロコシ畑や、ジャガイモ畑や菜の花畑が延々と続く。

日本はどこに行っても、水田が目に付く。水を溜めるため田んぼはおのずと水平面になっている。だから傾斜地は必ず適当な広さに区切って、畝を作り真っ平らにしなければならない。広大な水田は広い平野ならある程度可能かもしれないが、傾斜地や山の田はどうしても狭く区切った段々畑や田んぼになる。
急傾斜地では、それが千枚田となる。

そいう景色は日本や水稲栽培をしているアジアの地域しか見られない。
特に、日本は昔はよく手入れされた整然とした水田が広がっていたので、大変きれいな田舎の風景であった。

今回、車窓から眺めると、田植えが終わり水を引いた田んぼには稲の苗が植わっている。水田のあちこちで休耕田が目立ち、雑草が生い茂っている田んぼや畑が目に付いた。何か、さみしさを感じて帰ってきた。
農業政策を転換し、おいしい日本米を海外に輸出するような政策を展開し、日本の農業を再建してほしいものだ。
TPP反対が農業団体から叫ばれているが、現状のままではますます休耕田が増えてゆくのではないか。待ちの姿勢から、農業を産業として転換し、攻めの農業に転じることが大切だと思う。TPPは必ずしも農業にマイナスではないか。

日本の米を中心に、日本の農産物は世界一だと思う。トマト、リンゴ、ミカン、イチゴ、野菜などどれをとっても、味わいと言い、甘さと言い、香りと言い一流品だ。世界にこの農産品を輸出する!農業立国を考えるぐらいの力強さが欲しい。
日本の農業は弱小でダメと言う、だれが決めたのか、自ら烙印を押したような姿勢では、TPPに関係なく荒んでゆく。大転換を期待したい。

今回は、道南地方を回った。南千歳駅のJR駅レンターカーを借りたが、このレンターカーはJRに200km以上、乗車すれば、乗車券が20%オフになるという特典が付いている。大阪、北海道をJRで往復するので結構この特典が大きなメリットになった。

最近、LCC航空券が超安値で販売されているので、飛行機には値段的にも、時間的にもかなわないが、ゆったりした時間が取れれば列車の旅もいいものだ。 
 もう少しゆったりした『空間』を提供してくれれば、日本の長距離列車の旅行に火がつくかもしれない。