2021年1月12日(火)
「魔訶般若心経」の素晴らしい説法」をご紹介

 パソコンに向かい、YouTubeの画面を見ることがある。そこで出くわしたのが、須磨寺の小池陽人(副住職)の説教だった。

 有名な『魔訶般若波羅蜜多心経』(般若心経)のお題目の意味を分かりやすく、お話されている。小池上人の話は、お坊さんという感じではなく、普通の講演会の講師のように歯切れがよく、聞きやすいお声で、要点をしっかり伝えてくださった。素晴らしいお話だ。

 般若心経は、262文字で、御釈迦様の教えの神髄を集積したものだという。漢字ではその意味が理解不能だが、小池上人のお話を聞いて、深い意味があることを改めて教えて頂いた。

今回は、『魔訶般若波羅蜜多心経』のタイトルの意味についてのお話だった。
 合わせて、
 
経・律・論のいわゆる三蔵のお話
 ・知・情・意のお話
 
我執(がしゅう)のお話
 ・仏教と、キリスト教、イスラム教の根本的な違いのお話

それらが、大変新鮮で、分かりやすくお話されたので、思わず聞き入った。

ぜひ、下記のURLで、YouTubeをご覧下さい。
 https://www.youtube.com/watch?v=EGfxoSy1kyA

 もし、上記のURLをクリックしてつながらない場合は、URLをコピーしてブラウザーのURLに貼り付けてください。又は、YouTubeで小池陽人と検索して下さい。小池上人は、YouTubeで沢山の発信をされています。





2020年12月16日(水)
朗報! メガネの曇り止め法

 本格的な寒さがやってきました。日本海側は大雪となっているようですが、太平洋側は寒くなっても晴天で、有難いことです。
 毎日の日課として、朝夕、家の近くを7000歩ほど歩くようにしています。今朝は2度以下でしたので、出かける際は厚めのシャツに毛糸のセータを着て、その上にモンベルの分厚いダウンを着て出かけましたが、これで丁度いいような塩梅でした。首が冷えますので、襟巻のような便利なものを首に巻いて、毛糸の帽子をかぶって、もちろん手袋をして完全防寒姿です。これだけ着込んでも、汗ばむことがありませんでした。

 今日の記事は、大変役に立つものだと思います。
若いころからメガネをかけていますが、この歳になって、本を読む際は不要になりました。しかし、出かける際は従来どおり、近視用の凹レンズの乱視補正が入った眼鏡をかけています。冬に困るのは、マスクをすると息でレンズが曇ることです。毎年、この時期にメガネがなければいいのになあと思いつつ、歩きながら手袋をした手で、眼鏡を拭いていました。

 今年はコロナでマスクは欠かせませんので、いつもポケットに入れていますが、マスクをすると、眼鏡がくもるのです。
 そこで、あることを発明しました。実にたわいないことです。

 

 ダイソー(その他の100円ショップ)に行けば、窓の隙間を塞ぐ『隙間テープ』を100円で売っています。いろんな材料のテープがあります。100円で買えるのが味噌です。

 

 いろんな幅や、クッション材料などを試しましたが、ダイソーで売っていたTSUCHIYAすき間テープ(SKU-003)という商品が一番良いように思います。
 ウレタンフォームの厚みが5mm、幅が15mm

 これをマスクの幅(約17cm)に合わせてに切って、両面テープの離型紙をはがして、マスクの上面内側に貼り付けます。

鼻の部分は、鼻に合わせて曲げて密着させ、マストを顔にかけると、息が上に漏れないので、眼鏡の曇りを防ぐことができます。完全ではないにしても、殆ど曇らなくなります。

 この商品は、長さが4m
 ・基材;ポリウレタンフォーム、
 ・粘着剤;アクリル系、
 ・離型紙;紙

 MADE IN JAPANと書いていますから、衛生面も大丈夫だと思います。
 マスク、20枚以上使えます。

 その他にも、すき間テープはいろんなものがありますので、試してみてください。
 しっかり、マスクをして、ウイルスの侵入を防ぎましょう。
 




2020年11月16日(月)
三峡ダムのその後の状況は?

 7月13日で、ブラックスワンになるかも?三峡ダムというニュースをアップしました。それくらい今年の夏の豪雨は、日本ばかりでなく中国も韓国もすごかった。これは地球温暖化の性だと言われていますが、今年の雨季が終わり、何とか倒壊事故もなく過ごせ何よりだが、来年の夏はさらに豪雨の規模が大きくなる可能性もある。

 あれだけ騒がれた三峡ダムについて、中国の科学者(技術者)である徐開欽氏が語っている記事を見つけたので紹介する。
 

 三峡ダムについては海外メディアなどで集中豪雨による危険性が指摘されてきました。
ダムの貯水量に関するリスクはあるのでしょうか?。


徐開欽氏(以下、徐氏):
 この質問に答えるには、まず三峡ダムに関する基本情報と洪水対策期間、貯水時期などを整理する必要があります。

 三峡ダムは長江三峡のうち最も下流にある西陵峡の半ばに建設された重力式コンクリートダムであり、総貯水量は正常貯水位175mで貯水量は393億m3に達します。
これは黒部ダム湖の約200個分に相当します。

 湖水面積は1084km2で琵琶湖(約670km2)の約1.6倍湖長は約660kmで東京と
姫路間の距離です。
 堤頂部の標高は海抜185m、長さは2335m、幅は40mにもなります。ダム下流平均水位66mを考えると、目で見えるダム全体の高さは47階建ての高層ビルに相当します。

 三峡ダムの建設には17年の歳月を要しました。この計画の主な目的は、長江中下流域の洪水防御です。三峡ダムを洪水対策で運用する期間は毎年5月末から9月末まで。
10月からは正常貯水位である175mまで水をため、渇水期にその水を使うことで5月中旬には145mまで水位が下がるサイクルとなります。したがって、毎年10月末ごろに175mまで水がたまっているのです。

 今夏、中国では洪水被害が目立ち「水位175mに近づいた」とメディアが騒ぎました。
8月22日時点では、三峡ダム運用以来、洪水対策期として最高水位となる167.6mに達しました。しかし、175mまでの貯水位は長江の水位維持や水力発電、水資源調達などに利用するためのものです。この167.6mという水位は正常貯水位175mまで余裕があります。

 仮に、正常貯水位の175mに達しても吐水による対応が可能です。167.6mの水位で崩壊するようなダムなら、毎年秋以降に水位175mまで貯水するような運用はあり得ないでしょう。


 という話です。
 本当であれば、科学的にきちんと設計され、基準を守って工事がされていれば、十分、安全に耐えるだけの構造強度があると言えます。

 世界を飛び交う情報は、ありとあらゆる立場で発信されていますので、その中から何が正しいかを判断しなければ、一方の情報だけで判断すれば誤ることも増えてきますね。

 今回の『三峡ダムのブラックスワンが起きるかも?』という情報は発信元は分かりませんが、興味本位の話で終わりました。しかし、三峡ダムが万一、決壊や倒壊した場合の被害は、想像もつかない巨大な被害になることは間違いないでしょう!




2020年11月17日(火)一部修正・追記
2020年11月16日(月)

『政治家の覚悟』 菅 義偉著 を読んで



文春新書
本体800円+税

 安倍総理の体調不良による突然の辞任を受け、新総理に就任した菅内閣官房長官の著書『政治家の覚悟』がベストセラーになっているので読んでみた。
 
 菅官房長官は「安倍総理と7年8か月の間、タッグを組んで日本経済の再生、外交、安全保障の再構築、全世代型社会保障制度の実現という課題に取り組んできた」と記している。

 政界では、剛腕な政治家と言われ、恐れられているところがあるようだ。
 しかし、顔つきは実直で、没突として、ガンガン前に出たがるような風貌ではなく、穏やかな感じを漂わセルが、頑固さの表情も見える。とにかく、いろんなことが語られているので、ご自身の著書を読んでみた。

 自己紹介によれば、秋田県のイチゴ農家の長男として生まれ、親父さんは町会議員を努められていたそうだが、雪深い秋田の田舎の原風景が描かれている。
 年代的に小生よりわずかしか変わらないので、そこに描かれた風景は昔の田舎の生活を彷彿とさせてくれる。地元の高校を卒業して東京にあこがれて上京し、いろんな仕事を経験する中で、世の中は政治で動いていると気づき、一念発起して、2年後に法政大学の二部(夜間)に入学され、卒業後は国会議員の秘書などを経験し、市会議員、衆議院議員と政治の世界に入られ、次第に政界の高みを歩んでこられた。不遇な子供時代とは言えない環境の中で、自分で親元を離れ、自立したいという人並外れた大変強い信念をお持ちの方だと思う。そこに政治に対する考え方が生まれたのだろう。 『自助、共助、公助』はどうやら座右の銘的な考え方のようだ!

 本書によれば、今まで取り組んでこられた実例をたくさん紹介されている。
 事例
 ①地方分権改革推進法の成立
 ②ふるさと納税制度の創設
 ③若手官僚を市町村に派遣
 ④税制の改革;平成20年度税制改正要綱、法人二税の見直し
 ⑤ICT分野の国際戦略;ICT国際競争力懇談会設置
 ⑥南米に地上デジタルテレビ放送日本方式の売り込み
 ⑦朝鮮総連の固定資産税減免措置の見直し
 ⑧高金利政府資金の繰り上げ返済
 ⑨年金記録問題を総務省で
 ⑩NHK受信料の義務化と2割削減
 ⑪NHK会長、担当課長の入れ替え人事
 ⑫省庁のノンキャリアを局長に抜擢人事
 ⑬携帯電話料金の引き下げ
 などなど、その他たくさんの事項に取り組んでこられた事例が紹介されている。
一つ一つはなるほどと共感できる内容が多い。
今までの政権や政府が手をつけなかった『おかしなこと』について、解決してこられた。

これからの取り組みとして挙げられていることは、最優先課題は、「地方創生」
 東京圏(1都、3県)以外の消費は70%、地方の所得を引き上げ、地方の消費を活性化しなければ、日本経済全体を浮揚させることは不可能。その一例が、外国人観光客の誘致拡大、ビザ緩和策の導入、

 「当たり前」を見極める政治
いずれも、やり遂げるためには並大抵のことではできない課題である。社会のシステムとして、そぐわないことや、おかしいと気づいた点を一つずつ取り組んできた。

 菅さんは、『こうあるべきだというビジョンありき』の政治家というタイプではなさそうだ。
まず身近なところにある課題、あたりまえでないこと、おかしいと思われる制度などを見つけて、それを一つずつ解決して進めるタイプのようだ。

 リーダがビジョンを掲げることは非常に大切であり、それはともすれば格好よく見えるが、掲げたビジョンを実現するとなると、根回しや周囲を動かし、反対者に理解を求め、説得し大変な努力が要る。場合によれば、人事の変更が必要になる。

 世の中は、『今までどおりが一番いいのだ』『変えたくない』という意見や風潮が強く、既得権益や、今までの利害が生じ受益者がこぞって強烈に反対する。今後はこうあるべきだというビジョンを語っても、強い壁に遮られ、何も動かず、変わらないというジレンマに陥る。

 ビジョンや制度改革を訴える人はたくさん居るが、実現された事例は少ない。世の中に定着したいろんな制度や、仕組みや、課題を変えることは、それほど難しいと言える。

 そういう中で、菅総理は今までの政治家と少し違っている印象を受ける。菅さんは、壁を打ち破るには人事権を行使すると言っている。

 まだ菅政権がスタートしたばかりで、半年、いや1年、行動や結果を見なければ分からないが、(少なくとも華々しさに欠けると言えば失礼だが)、着実にやるべきことは、実行する気がする。大いに期待したい。
 
 国民の代表者という高い意識を持って、「何が国民のためになるか」という事を常に考える人でないと耐えられない。菅さんはそういう強さを持っている方のように見える。政治家が立派なことをいう人が多いが、実行する人は数少ない。だから大いに期待する。

 ここで、基本的なことで引っかかる点は、前任者が残した「森・加計問題」と「桜を見る会」の問題の真相がうさん臭いままになっていることだ。

 
 この事案が残っている限り、いくら立派なことを行っても、都合が悪いことは、隠すのか?という評価になる。
 『悪いことは、悪い!』『間違いは、間違い!』ときっぱり、潔くけりをつける。
『火のないところに煙は立たない』、煙が立っているのに、火は知らんでは通らない。
関係者をあきらかにし、処分して、再発防止策をしっかりと立てるべきだ!。
 
 それは、品質管理でよく言われる『4W・1H』手法で処理すればいい。
 「Who When What Where & How」
 この課題を、国民誰もが『なるほど、よし分かった!』とすっきりさせることが必要だ。

 そうすることが、本当の本書のタイトルである『政治家の覚悟』であるまいか? 
国民はそれをしっかり見届け、理解できれば、今後の菅総理の手腕に大いに期待することは間違いない!

 



2020年11月8日(日)
トヨタの一人勝ちが意味するもの?

 トヨタの一人勝ち、経営戦略のすごさ! どこまでやり切るのか?

 10月の自動車販売速報が発表された。乗用車部門ベスト10で、なんと登録車10車種中、トヨタが8車種に及ぶ。ホンダが、やっと、フィットとフリードの2車種のみランクアップ。
その他の自動車メーカはベスト10に入ってこなかった。

2020年10月車名別販売台数ランキング
乗用車ベスト10
 1位 トヨタ「ヤリス」:1万8592台(ー)
 2位 トヨタ「ライズ」:1万3256台(ー)
 3位 トヨタ「ルーミー」:1万1487台(前年同月比165%)
 4位 トヨタ「カローラ」:1万275台(前年同月比91.8%)
 5位 トヨタ「アルファード」:1万93台(前年同月比196.7%)
 6位 トヨタ「ハリアー」:9674台(前年同月比536.3%)
 7位 ホンダ「フィット」:9001台(前年同月比287%)
 8位 ホンダ「フリード」:7849台(前年同月比179.7%)

 9位 トヨタ「ヴォクシー」:6258台(前年同月比142.4%)
 10位 トヨタ「シエンタ」:6077台(前年同月比65.3%)

軽自動車ベスト10
 1位 ホンダ「N-BOX」: 1万6052台(前年同月比101.7%)
 2位 ダイハツ「タント」:1万3099台(前年同月比118.3%)
 3位 スズキ「スペーシア」:1万2245台(前年同月比98.5%)
 4位 ダイハツ「ムーヴ」1万472台(前年同月比137.4%)
 5位 ダイハツ「タフト」:7471台(ー)
 6位 日産「ルークス」:7069台(ー)
 7位 スズキ「ハスラー」:6536台(前年同月比140.8%)
 8位 ダイハツ「ミラ」:6161台(前年同月比114.8%)
 9位 ホンダ「N-WGN」:5943台(前年同月比3229.9%)
 10位 スズキ「アルト」:5325台(前年同月比82.7%)

軽自動車を含めてトップは、ヤリスだった。2位は、相変わらずホンダのN-BOXが続く。

このように、殆どトヨタ車一色に塗りつぶされたのは初めてではないか?
「他の自動車メーカは何をしているのだろう?」と疑うような結果だ!

 この理由はいろいろ考えられるが、一つは今年5月から、ディーラで取扱できる車種をブランドで分けすることをやめたこと。トヨタの各ディーラは全トヨタ車が扱えるようになった。
 各販売店にとっては扱うモデルが倍増し、トヨタ系列店同士の競合がなくなったので「商売はし易くなった」と表面上は喜んでいる。これはトヨタ販売店にとってはメリットといえる。

 ただデメリットもある。
 「扱い車が一気に2倍以上も増え、各モデルの商品内容を覚えるのが大変。同じ車種を扱っている店舗が近くに沢山できたので売れ行きのよくない拠点は他店舗に吸収され消滅してしまう可能性がある」ということが挙げられる。


 言い換えると、トヨタ系列のどこの店でも、トヨタ車なら何でも買えるということになった。ユーザは、近くのトヨタ系列店に行けば、欲しい車に試乗でき、買うことができる。今までは、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の4系列店と、レクサス店があり、それぞれの名列店が販売できる車種が決まっていた。

 現在、トヨタ(レクサスを除く)ブランドで販売している車種は、なんと51車種
 トヨタのHPから車名を拾い上げると、(こんなにたくさんあったのかと驚愕する!
アクア、アリオン、アルファード、エクスファイア、カムリ、カローラ、カローラスポーツ、カローラツーリング、カローラフィールダー、クラウン、グランエース、コペンGR SPort、コースタ、シエンタ、CH-R、JPNタクシー、GRヤリス、スープラ、タウンエース、ノア、ダイナ、ハイエース、ハイエースコミュータ、ハイエースワゴン、ハイラックス、86、ハリア、パッソ、ピクシスエポック、ピクシスジョイ、ピクシストラック、ピクシスバン、ピクシスメガ、プリウス、プリウスα、プリウスPHV、プレミオ、プロボックス、MIRAI、ヤリス、ヤリスクロス、ライズ、RAV-4、RAV-4PHV、ランドクルーザー、ランドクルーザープラド、ルーミー、ヴェルファイア、ヴォクシー、ウェルキャブ、
 (注)下線のモデルは軽自動車(ダイハツOEMらしい)

その内、人気車種は8車種となっている。
アルファード、クラウン、ヤリス、GRヤリス、ヤリスCROSS、ハリアー、ハイエース、ROOMY

系列店の特徴を調べると、

トヨタ店
 戦前戦後にかけてトヨタの発展を支え、約70年以上の歴史を持つトヨタ車販売のパイオニア的なチャネル。歴史と伝統に裏打ちされた上質なおもてなしを展開している販売チャネル。クラウンなど役員送迎用の高級セダン、営業車・ライトバンやトラックなどの商用車を中心に取り扱う、主に富裕層や法人向けのディーラー。
キャッチコピーは「最上の出会いをトヨタ店で」。


トヨペット店
 1953年に設立されたトヨタで2番目のチャネル。コロナやマークⅡを中心に時代を切り拓き、常に日本のミディアムカー市場をリードしている販売チャネル。
40~60代程度の子育てが一段落した、ある程度、年齢層が高めで、比較的裕福なファミリー層に向けたディーラー。
キャッチコピーは「もっとクルマの話、しませんか。 Answer, for you. TOYOPET」


カローラ店
 1961年にパブリカを扱うパブリカ店として営業を開始、その後1969年、カローラ店に名称を変更。ロングセラーを続けるカローラをはじめ、豊富な品揃えの量販チャネル。
20~30代程度の小さな子どもがいる比較的若いファミリー層に向けたディーラー。ミニバンやコンパクトセダンなどエントリー層向けの大衆車を多く扱っています。店舗によってはダイハツの軽自動車も取り扱っています。
キャッチコピーは「うれしいこと、全力で。あなたの街のカローラ店」。


ネッツ店
 2004年にネッツ・ビスタ両チャネルが融合し、新しい「ネッツ店」が誕生。ヴィッツ等のコンパクト車種や、ヴォクシー・ヴェルファイア等のミニバン車種などをラインナップし、トヨタの新しいお客様層を拡げていくチャネル。
10~20代前半のスポーティーなモデルを好む若年層向けのディーラー。
キャッチコピーは「-the Creative-」。


レクサス店
 年収1,000万円以上の高所得者層向けに、トヨタが世界65カ国で展開している高級車ブランド。
キャッチコピーは「EXPERIENCE AMAZING」


 ユーザは、次々と車を乗り継ぐので、以前に買ったセールスと互いに親しい関係にあることが多い。セールスは、自分の得意様(ユーザ)に、次も乗り換えてもらいたいので、訪問をしたり、情報提供したりサービスするが、そのユーザがトヨタの他の車に興味を持った場合、自分の店で取扱いできない車種は販売できなかった。
 そこで、今回、店による販売車種の規制を完全撤廃し、どの店(ディーラ)でも買えるようにした。

 この話を聞いたときは、全国にあるたくさんのトヨタディーラ同士で食い合いが起き、値引き競争が激しくなるのではないか?と思ったが、結果はそうなず、良いほうに転がったといえる。

 トヨタは、世界NO.1自動車メーカであるが、珍しく車のデザインの統一性を重視しないように感じる。言い換えると、いろんなデザインがあり、何でもありの状態だ。

 レクサスだけが、デザイン性を統一性を保っている気がするが、トヨタ車はバラバラのデザインになっている。これがトヨタの販売の幅を広げているのかもしれない。

 マツダは『魂動』をコンセプトとして、すべての車で一目見ればマツダ車だと誰でも分かる。大きな口を張ったフロントグリル、小生は『ジンベーザメ』と言っているが、このマツダのデザインの評価は欧州においても高いと聞いている。個人的には好きになれないが。

 ドイツ社のベンツ、BMW、VWなどは落ち着いた洗練された美しい形にまとめているが、日本の車、特にトヨタ車は、『これでもか!』という目を引く(目立つ)顔つきや、口を開けたデザインにまとめている。洗練された上品さが感じられないが、デザインは個人の好みだから売れるデザインがいいのかもしれない。

 ホンダはトヨタとマツダの中間的なデザイン志向で、何かの統一したデザインにしたいという感じを受けるが、まだ『これだ!』という確たる形に行き着けていない感じがする。

 トヨタ車はデザインがバラバラなので、今回の販売系列の見直しの成功の一つの要因ではないか。しかし、メーカとして、これだけたくさんの車種を製造し、販売することは、工場の工程管理や部材調達管理や、営業の受注管理作業が膨大になり、大変な業務負担になっているはずだ。それを上手くこなしてやっているのだから感心する。
 ITを徹底して活用した結果、できることだと思われる。

 ディーラの販売モデル規制をなくしたのは、今後の自動車の販売量が減少するのを見込んで、先手を打った経営戦略のはずそれが、コロナウイルスの流行で各店の生き残りがかかり、懸命に販売に努力した結果が出たのだと思う。このコロナ禍の中で、一番早く業績を回復させ、業績の悪化を最小限に留める経営力はさすがにすごい!。

 それにしても、自動車会社として、(兄弟・姉妹車)もあるが、51車種を製造・販売し続けることは大きな課題だと思う。

 一モデルに数色の塗装色も用意し、その他グレードもあるのだから、その組み合わせは天文学的な数字になる。トヨタも他の自動車会社も、シャーシ(車体)やエンジンやモータや、その他部材の共用化を図り、部品点数を少なくする取り組みに力を入れてやっている。

 トヨタ一人勝ちの販売力が、車種のバリエーションの多さで、ユーザの『どんな好みにも応えられる』ということで売れているのなら、車種を絞りこめば販売が落ち込む心配が出る。

 販売量が増えている間は利益が出るが、売りが伸びなくなってきたときに、効率や、管理にかかる費用がどう利益に影響するか見どころである。その時、トヨタ自動車の経営がどういう方向に向かうかが注目に値する。

 5月以降の全車種取り扱い措置は、近い将来車の需要の成長の鈍化、または減少を見通した車種の絞り込みを狙ったものとみるのが妥当かも。




2020年11月3日(火)
大阪市存続が意味するもの?

 『大阪維新の会が錦の御旗として取り組んできた大阪都構想の一環で、現大阪市の廃止による新しい区割り法案の大阪市民の住民投票の2回目が行われた。

 前回は少数差で否定された。その結果、提案者で大阪市長だった橋下徹氏が政界を去り、今はテレビのコメンテーターや本業の弁護士を務めている。その後、『大阪維新の会』は、松井一郎代表(大阪市長)に引き継がれ、副代表は吉村洋文氏(大阪府知事)になり、『大阪維新の会』のTOPが二人三脚で取り組んできた。

 各新聞やテレビで語られていますが、今夏までは賛成派が反対派を上回っていたとみられる中、10月に入ってから急速に反対派が増えてきた理由の一つに「現状維持バイアス」が挙げられます。「現状維持バイアス」とは、行動心理学におけるプロスペクト理論に基づいたバイアスの一つで、未知なるものや未経験なものに対して、それを受け入れることに対する心理的な抵抗が現状維持を呼び起こし、変化しないことを選ぶというものです。
 (注)prospect;可能性、見通し

 この結果を受けて、松井一郎 大阪維新の会代表は政界引退を表明し、吉村洋文代表代行は自分が再度、この問題に取り組むことはないと明言しました。

 それはさておき、今回の住民投票は各党の課題を明らかにした点で興味があります。

 『大阪維新の会』は、橋下徹氏が大阪都構想として、大阪府と大阪市の二重行政による財政コストや、行政手続きや、業務の重複など、行政改革を掲げて発案したもの。
 
 これにより、大阪市の区割りの変更が課題になるので、今回と合わせ2回の住民投票を実施した。今回は賛成多数で新大阪市が生まれるか!と期待したが、前回より多数の反対票が投じられた。その結果、各党に大きな余波が及ぶ。

 『大阪維新の会』は党の存在意義、大阪都構想という錦の御旗を下ろすことで、今後どういう政策(ビジョン)を掲げて、どういうスタンスで存続するのでしょう。現状では、それが見えません。早く再構築しないと、国会で『日本維新の会』が自民党協賛政党?として、是々非々と言いながら頑張っていますが、肝心の党の立ち位置(一丁目一番地の大阪都構想)が崩れかかっている状態で、非常に不安定な姿になりました。

 次に、『公明党』ですが、大阪の創価学会は鉄の結束により、常に一枚岩を誇って取り組んできましたし、選挙で実績をあげてきました。今回は『大阪維新の会』とすり合わせが成立し、賛成の立場を表明しました。これで、大阪市は新しい区割りになることがほぼ間違いないと思いましたが、なんと、投票日の出口調査によれば、学会員(党員)の半分が反対を投じたそうです。公明党は創価学会を基盤とした政党で、このような分裂行動は今まで見られなかった現象です。学会の方針は党の方針と合致し、会員や党員はそれに従ってきたはずです。今回の住民投票で、それが崩れたことに大きな時代の変化が感じられます。

 『自民党』は、市民の不安心理をうまく突いて、新しい区割りで住民サービスが良くならないこと、行政コストが増える点など、維新の会が十分説明しきれなかった点をうまく突いたと思います。加えて、毎日新聞が区割りの変更で218億円(4割)コスト増になるという終盤の記事が住民の不安感を一層注いだのでしょう。

 『立憲民主党』は大阪維新の会や、公明党が凹んだ分、漁夫の利を得ることになるかも知れません。しっかり、菅自民党政権に対峙する政治理念と、ビジョンと政策を打ち出せば伸びる可能性が生じたと思います。
 
 いずれにしても、住民投票の序盤戦は賛成有利、中盤戦は拮抗互角、終盤戦は逆転という構図になったと思います。府民の視点で見ていてもそういう感じがしました。
 
 大阪都構想は、低迷する関西、大阪経済圏を立て直し、東京に対し、大災害等があれば西の大阪都としての国政の代替機能も視野に入れ取り組んできたはずですが、『大阪維新の会』があと一歩の詰めができなかった点と、公明党の賛否の分裂行動が今回の結果を生んだ要因だと思います。
 やはり、政治は最後の最後まで、結果が出るまで手を緩めてはならないという事例です。

 この記事は今回の大阪市民住民投票の結果についての個人の感想です。
 



2020年10月31日(土)
やっと、送電線の複線化の動きが始まるか?

 政府は2050年に炭酸ガス排出ゼロを政策決定しした。やっとという感じがする。地球温暖化が進み、17,18世紀の産業革命以来、石炭をはじめとする化石燃料エネルギー消費が膨大になり、この300年足らずの間に、人類は今まで考えられなかったような量の化石燃料エネルギーを工業や生活の便利さに消費してきた。その『付け』がいよいよ地球規模の気候変動などに、顕著に表れてきた。

 スイスのアルプスに行けば分かるが、この数十年で氷河が消える可能性すら指摘されている。今まではこの辺まで氷河があったという場所でも、今は石ころだらけの単なる谷川になっている所が随所に見られる。また、ロシアの永久凍土が溶けてドロ状になっている場所もある。各国で大規模な森林火災が起きている。気候変動で巨大な雷が発生し落雷で森林火災を起こすと言われている。日本沿岸の海流の場所や温度が変わり、取れるはずのサンマや魚類が殆ど取れなくなっている。それほど顕著に地球温暖化が進んでいることが分かる。さらに、近年の海水温度の異常高温による台風の巨大化や、集中豪雨も、過去の記録を破るような被害を毎年繰り返しもたらしている。
 我々は一度、立ち止まり今までやってきたことの反省をすべき時期に差し掛かっている。

 そういう中で、我々人間が文化的な快適な生活を維持しようと思えば、必要なエネルギーを得なければならないという課題もある。
 地球温暖化への対応と、エネルギー問題の両立をいかに図るかが問われている。

 原子力発電は、炭酸ガスを排出しないクリーンなエネルギー源だと一時言われてきた。しかし、ウラン原子の原子核分裂反応熱を利用する原発は、封じ込めて制御できる場合は、手間暇がかからない理想的なエネルギー源とも言える。放射性廃棄物の処理保管の問題は残るが、・・・。

 原子核分裂反応は、原子が他の原子に変わることを意味する。これはまさに神の世界の出来事だ。だから、人間が制御できる状態であれば、良いが一たび、制御不能に陥れば、原子核分裂は手が付けられなくなる。
 火災は防げる。3つ所要素の一つを無くせば火は消える。
燃えるモノを撤去する。燃える燃焼温度を下げる(冷やす)。酸素を断つ。

 原子核分裂は一度制御不能に陥れば、手に負えない。
 幸い、福島原発一号機は、炉心溶融(メルトダウン)に陥ったが、30cmの分厚い鋼鉄製の炉心が爆発しなかったから、膨大な量の放射性物質の放散が紙一重で防げた。
もし、鋼鉄製の炉心が爆発していたら、関東一円に人は住めなくなったかもしれない。
 幸いが重なり、爆発は水素爆発であった。それと燃料棒を炉心から取り出して保管していた一時保管プールの水が、満たされていたことだ。もし、このプールに地震でヒビが入って、水が無くなってしまったら、燃料棒は発熱し臨界状態に達し、膨大な放射能を空間に放出する処であった。炉心爆発が防げたこと、一時保管プールの水が残っていて燃料が冷やされていたことなど、今から思えば不幸中の幸いが重なった結果、今の状況で推移することになった。

 『人はのど元過ぎれば熱さを忘れる』が、『もし、あの時!』最悪が重なっていれば、関東地方や東北地方に人は住めないことになった状況は十分考えられた。

 そうならないために、将来の子供たちにお荷物を背負わさないために、今何ができるか、今何をすべきかを真剣に考える必要がある。
 政治は、外交、経済、医療生活など大切な点は沢山あるが、将来の姿を見定めて、今何に取り組むのかのビジョンを描いてほしい。
 
 
 電気エネルギー問題で、最大の課題は再生可能エネルギー拡大であり、その妨げとなっている要因の一つは送電網の弱さである。海外旅行すれば分かるが日本の送電網、送電鉄塔などの数は世界中でも一二の状態にある。それでも肝心の点ができていない。

 やっと、政府は送電網を複線化に動き出す。
各電力会社と来年春までに計画を策定して具体的な場所や規模を詰める方針で、まず東北や九州などが候補になる。2050年までに温暖化ガス排出量を「実質ゼロ」にする政府目標の実現に向け、欧州に比べて遅れている送電インフラの整備を急ぐ。

 電気は発電所から送電線を通り各地域に電力を送る。送電網が貧弱だと太陽光や風力など再生可能エネルギーの電気を十分に送れない。繋げられない。特に都市部に送る送電網の容量の貧弱さが目立つ。

 東北から首都圏に送る送電線容量は615万キロワットで東京電力のピーク電力需要の11%にとどまる。地方と都市部を結ぶ連系線は他の地域でも需要の1割前後しか送れないケースが多い。要は送電線に余裕がないのだ。

東日本と西日本は、明治初期の発電機の導入国の違いから、周波数が50と60Hz違うため接続するためには、周波数変換装置が必要だが、その周波数変換装置の能力は120万キロワットと、東電のピーク需要の約2%分しかない。これでは役に立たないと言っていい。

 経済産業省は温暖化ガス排出ゼロに向けた実行計画をつくり、これに合わせて送電網の増強計画をやっと策定するらしい。電力会社と連携し地域を越える連系線や、地域内の主要路線の基幹系統の状況を調査をし、2021年春をメドに優先的に整備する地域を示す。
 現時点では東北や九州が有力候補だ。東北では大手電力が原発や火力発電用に送電網を確保し、十分な容量を確保していて、実際は空いるにもかかわらず再生エネ事業者が使えない。秋田など日本海側では洋上風力の建設計画が進み、今後も再生エネの発電量が増える。やっと、政府は送電網の利用ルールを見直すとともに、東北や新潟と首都圏を結ぶ連系線の複線化を検討する。

 太陽光発電が拡大する九州では電気を使い切れず太陽光事業者が出力を抑える事態が生じている。何とも、もったいない話だ。これと同様なことが牛乳の廃棄問題だ。
 搾乳して余った牛乳はチーズやバターの乳製品にすればよいのに、JAは買取せず、生産者は溝に牛乳を捨てている光景を見たことがある。

 牛乳も、電気も、生鮮食料品のような点で似ている。電気は発電しすぎても蓄える装置がなければ系統につなげない。もし余剰電力を送電線につなぐと電力系統が不安定になる。
 19年度は計74回発生し、1回あたり最大289万キロワットと原発約3基分の電力を送電線につなげないことがあった。電力不足と言われながら、一方で発電した電気を無駄にしている。


 そこで提案だが、国営の全国幹線送電網(ネットワーク)を日本の背骨として、太平洋側と日本海側に建設する。もちろん、周波数変換装置も巨大な容量が必要になる。
 幹線網が完成すれば、全国どこの発電所からでも連携接続ができる。連系線を増強して送電できる量を増やせば出力抑制をする必要はない。要は全国的に電利用料を平準化すること。特に自然エネルギーは、風が強く吹く場所と時間太陽光発電は晴天のところと雨天曇天のところと、発電量が不安定で、地域差が大きいので、平準化が必要になる。
 平準化は広域的な平準化と、蓄電による平準化が考えられる。

 九州から本州へと結ぶ連系線は238万キロワットと、九州電力のピーク電力の15%程度で設備を複線化して増強することなどを検討する。投資額はそれぞれの地域で数百億~数千億円の見込み。実際の工事は大手電力の送配電部門が実施する。費用は6月に成立した電気事業法改正法に基づき、電気の利用者が負担する仕組みを適用する。すでに工事を始めた宮城県と首都圏をつなぐ連系線では、約450万キロワット増やす工事の投資額が約1500億円。30年超にわたって全国で分担すると、1世帯あたりの負担額は毎月数円になる見込みだ。

 国内でこれまで送電網の整備が遅れてきた背景には電気事業法が全国10電力会社(北海道・東北・北陸・東京・中部・関西・中国・四国・九州・沖縄)の地域独占事業として認められていたからだ。だから電力会社の独自の独占的な姿勢があった。連系線を拡充すれば地域を越えた販売が容易になり競争が激しくなる。地域独占が続いていた各社は増強に後ろ向きだった。

 東日本大震災で東京電力福島第1原子力発電所が重大な事故を起こし、東電は計画停電を実施した。送電線を増強して他地域から融通を増やす対策に東電などは「数兆円の投資がかかる」と二の足を踏んだ。震災から約10年がたった今も拡充は遅れている。大手電力は送電網の拡充について「災害時に停電リスクを減らせる」といった声がある一方、再生エネの流入で自社の発電量が減ったり、他社の越境販売を後押しして顧客を奪われたりすることなどを警戒する声が根強い。

 菅義偉政権は温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を打ち出し、実現のため再生エネの導入加速がさらに欠かせなくなった。主に電力会社に委ねる従来の体制から切り替え、国の主導で強力に推進することで、どこまで電力会社を動かせるかが焦点になる

 国のエネルギー基本計画で政府は、30年度の電源構成に占める再生エネの割合を22~24%とする。自然エネルギー財団は、送電網の増強への政府の後押しや、電気をためておく蓄電池のコスト低下が進めば、再生エネの設備が30年度に2億キロワットと2019年度の2倍以上に増えると予測する。全体の発電量に占める比率は45%まで引き上げることが可能とみる。

 再生エネの普及で先行する欧州では、国をまたいで電力を融通(売買)する国際送電網が発達している。各国が平均1割ほどの電力を輸出したり輸入でまかなったりする。
 電力の過不足を融通することで天候などに発電量が左右される再生エネの弱点を補う。

 島国の日本では海外との連携が難しく、国内の地域間ですら融通量が限られている状況の改善は喫緊の課題だ。

 以前から、小生は全国の送電線網は国営管理にすべきだと考えている。
日本は、東日本が50Hz、西日本が60Hzと周波数が富士川を境に分かれてしまった経緯があるため、そのまま送電線を接続できない不便さがある。そこで、50と60Hzの境界地点に大電力周波数変換所を設けることが必要になる。要は、日本列島に北海道から九州まで、送電線の背骨を施設する。少なくとも、超高圧100万ボルト送電線を複線(2)回線で施設する。

送電線は高信頼性でなければならない。信頼性については、一回線の送電線の信頼性が99%とするなら、故障率は1%であるが、複線化して2回線送電線を施設すれば、故障率は計算上、(1-0.99)×(1-0.99)=0.0001で、故障率は0.01%となる
いかに、複線化が信頼性を上げるのに役立つかが分かる。

 早く実現してほしいこと!
 ・脱原発;原発ゼロ
 ・再生可能エネルギー化
 ・日本列島縦断超高圧2回線送電線網(ネットワーク)施設

 ・都市部の地中化配電線(無電柱化)

 これらを実現するために、技術開発が必要であり、先進技開発に大きく寄与できる。





2020年10月12日(月)
コロナウイルスとPCR検査

コロナウイルスについて


 正式名称は、COVID-19

 病原体である細菌やウイルスは小さいので、肉眼で見ることができない。 その大きさは細菌が1μm1/1000mm)程度で、ウイルスはさらに小さく、細菌の1/10から1/100ぐらいの大きさ。
現在、流行している新型コロナウイルスは、太陽のコロナのように突起が出ている丸い形をしているので、『コロナウイルス』と呼ばれている。
このコロナウイルスと同様なウイルスは他にもたくさん存在する。

細菌とウイルスの違い
 細菌は単細胞生物で自ら増殖し数を増やすことができる。その形は一定ではない(ふにゃふにゃしている)。
ウイルスは自分だけで、単独では増殖できず、他の生物の細胞(宿主細胞)の中に入り込んで増えることができる。ウイルスは一定の形を保ち、これを精製して抽出すれば結晶になる。結晶とは、ある分子や原子が規則正しく整列した状態で、例えば、水晶は石英の分子が整然と並んでできたもの。結晶は無機物(無生物)を意味する。
ウイルスは生物と無生物の両面を持った不思議な物質と言える。

 細菌は(光学)顕微鏡で見えるが、ウイルスは小さすぎて光学顕微鏡では見ることができない。電子顕微鏡によりその形状が明らかになった。しかし、電子顕微鏡は大がかりな装置で、真空中で高い電子線に晒されるので、検体を生きたままで見ることができず、設置場所は限られ、簡単に検査器として使うことができない。

遺伝子とは、どういう定義なのか?
    生物の形・質を決めるもの
    親から子に伝わるもの

遺伝子発見の歴史
 英国人 グリフィスは、肺炎双球菌(細菌)のS型菌(病原性あり)とR型菌(病原性なし)を使い、煮沸したS型菌と生きたR型菌を混ぜると病原性が現れることを発見した。R型菌にS型菌の何かが作用して病原性を持つように変化することを発見した。これを形質転換と呼んだ。(実は遺伝子のことだった)

DNAが遺伝子である』ことを提唱したのは、1930年代、エイブリーであった。
彼も肺炎双球菌(細胞)の研究をしていたが、ある酸性物質(核酸=
DNA)が形質転換(遺伝)に作用していること、そしてその核酸(DNA)は、たった4つの単純な物質から成り立っていることを発見した。

4つの物質とは、A(アデニン)T(チミン)C(シトシン)G(グアニン)という核酸で、『ヌクレオチド』と呼んだ。

高分子

構成単位

種 類

機 能

核酸(DNA)

ヌクレオチド

4種類

遺伝情報の担い手

タンパク質

アミノ酸

20種類

生命活動の担い手

ヌクレオチドは熱に強い
タンパク質は、熱に弱い
ATCGは互いに結合しやすい化学構造を持っている。水素結合をしやすい。

その後、アーウィン・シャルガウは、『シャルガウ法則』を提唱した。
動物や植物や微生物など全ての生物は、どのようなDNAであっても、その構成は4つの内、AT、 CGの含有量は等しいということを発表した。

即ち、 Aの数=Tの数、 Cの数=Gの数
例えば、
ACACACATAAGCATAAGCGCGCCGCGGAGAAC :センス鎖
TGTGTGTATTCGTATTCGCGCGGCGCCTCTTG アンチセンス鎖
センス鎖    A12T2、 C9G7
アンチセンス鎖 A2T12、 C7G9
 
合計  A14T14C16G16 
    
AT CG シャルガウの法則

研究者は「この条件を満たすには、どういう分子構造をしているのか?」を求めて研究に没頭した。

 
従来の学説に固執するベテランの研究者は、『複雑な遺伝情報がたった4文字で成り立つはずがない、他にまだ見つかっていないタンパク質があるはずだ!』という立場で反論が多くあった。当時はアナログ技術の時代で、デジタル情報理論が進んでいなかったので、たった4文字の組み合わせで膨大な遺伝情報が伝達できる認識が出来なかった。若い研究者たちは、X線回折画像解析や化学データなどをもとに、実験により理論を構築し、反論を崩していった。
 全く新しいことに挑戦する場合は、必ず反論が出る。それに耐えて自らの主張を論理構築することで、ある瞬間に大発見につながる良い事例だ!。

二重らせん構造の発見、提唱
1953年 ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックの若い二人により、今まで謎の難問の『鍵』が発表された。その内容は、DNAは二重ラセン構造をしており、互いに他をコピーした対構造になっているというものだった。
 

 二重ラセンがほどけると、ネガとポジ(鏡の実像と虚像)のような関係になる。
ポジを元に新しいネガが作られ、元のネガをもとに新しいポジが作られる。
そして新しい二対の二重ラセンが生まれる。このポジとネガのラセン状の帯が遺伝情報として生命の自己複製の仕組みとして働く。

細胞内でDNAが複製される時には極めて複雑な連鎖反応が生じている。
数十以上の酵素や機能タンパク質により、その反応が支えられている。
まず、
DNAの二重ラセンを特別なしくみでほどく。
ラセンをほどく際に生じるねじれを解消するしくみも必要になる。
ほどかれた地点には複数の酵素群が集結し、核酸の材料となるヌクレオチドを集めて一つの鎖を鋳型にして新しい鎖を合成し始める。
細胞の狭い核の内部では数々の空間的な問題が生じる。
それを解決しながら
DNAの複製が進められる。
この反応は、ほんの数分で行われる。

DNAを見えるようにするには、10億個以上のDNA分子が必要になる。
DNAを増やしたい場合は細胞の力を借りる。特別な大腸菌を使い、その内部でDNAを増やしてもらう。

この方法は手間暇がかかり、医療現場では役に立たない。簡単にウイルスの有無や、種類を検査できる方法が求められた。

PCR検査器の発明

PCR検査はその難問に見事に応えた。PCRとは、ポリメラーゼ・チェイン・リアクション(ポリメラーゼ連鎖反応)1988年、米国のパーキン・エルマー・シータス社が開発した。任意の遺伝子を試験管(チューブ)内で自由自在に複製・増殖する技術である。

PCRの原理
 事前にチューブ内にポリメラーゼ(酵素)と、プライマー(人工合成した一本鎖DNA)と、十分な量のATCGのヌクレオチドを入れて置く。

反応のプロセスは以下のとおり

  複製したいDNAが入ったチューブを短時間、100℃近くまで加熱する。
②ATCGの結合が外れ、バラバラになる。


DNAはセンス鎖と、アンチセンス鎖に分かれる。 

 チューブを一気に50℃まで冷やす。
その後、再び徐々に72℃まで加熱する。
ポリメラーゼ(酵素)はセンス鎖の一端に取り付き、プライマーの助けを借りて センス鎖を鋳型にして対構造のDNA鎖を4つの文字で紡いでゆく。

⑦この合成反応は約12分程度で終わる。これでDNA2倍になる。


⑧この工程を繰り返す。DNAは倍々で増え続ける。
⑨1サイクルは、数分で終わる。
DNA10サイクルで、210乗で1024倍、20サイクルで100万倍。30サイクルで10億倍になる。30サイクルに要する時間は2時間足らず。PCR検査は開始から終了まで、約2時間で結果が得られるPCRマシンは単に温度を上げ下げするだけの装置で、DNAがもつ転写機能をうまく活用したもの。ただ、庫内の温度を100℃近くまで上げるので、ポリメラーゼ(酵素)が活性を失わないよう耐熱性酵素(ポリメラーゼ)を使う。

PCRの優れた点
 ごくわずかなDNAがあれば、それだけを抽出して増せること。この特性を利用して、犯罪捜査で鑑定に活用されている。 この場合のカギは、2種類のプライマーを用いることプライマー1は、ごく短い10から20文字程度の一本鎖のDNAで、任意に人工合成したもの。(この程度の短いDNAは人工合成ができる)
人間の30億個のゲノムの中のどこかに1000文字程度の特定の遺伝子を取り出し増幅したいとする。元になるゲノムは、ごくわずかな量である。プライマー1は約10文字から成り、この端の部分のアンチセンス鎖に対合するよう配列を合成している。

以下順次、反応を示すと
100℃に加熱すると、わずかな量のゲノムサンプルは、センス鎖とアンチセンス 鎖に分離する。周囲にはプライマー1が大量に入れられている。

・次に、50℃まで下げると、大量のプライマー1は一斉にゲノムの中に散らばり自分とマッチングする配列を探す。もし、対合が成立するとプライマー1はそこに落ち着く。

・長い一本鎖のDNAに、短いプライマー1が結合した状態となる。

・ポリメラーゼはこの場所をきっかけに初めてのDNAの合成を開始できる。

・プライマーはポリメラーゼが反応を引き起こすための土台として働き、ポリメラーゼはプライマーに新たな文字をつなげてゆく。

プライマー1は対合するアンチセンス鎖の文字を鋳型として決定されてゆく。

・ゲノムの構造は膨大で、類似の配列は何か所かあり、プライマー1はいくつかの場所に結合する。

・ポリメラーゼによる合成は複数の場所で起きる。

重要なことは、プライマー1にアンチセンス鎖状の1000文字部分の左端に必ず対合するということ。

・プライマー2というもう一つのプライマーを用意する。

・プライマー2は、1000文字配列を挟んでプライマー1と反対側の端の配列に対合する10文字から成っている。

プライマー2は、プライマー1とは逆に、センス鎖に対合するように配列を作っている

・センス鎖に結合したプライマー2はポリメラーゼが反応のきっかけをつくり、新しいDNA鎖の合成を引き起こす。

プライマー2はセンス鎖に対合しているから、合成の方向はアンチセンス鎖と対合している先ほどのプライマー1とは逆方向になる。

・プライマー1から開始される合成反応と、プライマー2から開始される合成反応は1000文字の配列を互いに挟み込むように向かい合いながら、それぞれ別の鎖を合成するように仕組まれている。

・その結果、出来上がるのは1000文字配列を含む新しい二本鎖のDNAである

・このサイクルを理論上、無限に繰り返えすことができる。
・その都度、
1000文字鎖は増幅される。
プライマー
12が互いに働く場所は、この1000文字を挟む部分しかない。 
・この部分だけが増幅される。
こうして、目的のDNAが得られることになる。

 1本の髪の毛や、一滴の血液や汗から、DNAを増幅して、犯人の特定ができる。また、検体から新型コロナウイルスの存在の有無を調べることができる。

PCR検査が進まないわけは?

 PCR検査器は庫内の温度を上げ下げするだけの単純な機器で、電子レンジ程度の大きさの器具。最近は測定の自動化が進んでいる。
日本には自動PCR検査機を製造しているメーカがあり、すでに欧州に大量の輸出を行っている。

 日本製のPCR自動検査器が海外でたくさん使われているのに、なぜ日本では使われないのか?
 一つは、医療機器の縛り(医療機器法による規制)
 一つは、感染症法により特定伝染病の検査は保健所が行うことになっている。
 その結果、保健所に検体の収集、検査作業、結果の報告などの業務が集中し、人員不足も含め円滑な処理できなかったこと。

今後の社会活動の再開に向けて!

 やっと、政府は20万件/日の検査ができる体制にすると発表したので、今後、検査体制は増強され改善される見込み。
 
高齢者施設や、病院や、学校、さらには『Go to キャンペーン』やスポーツ観戦など参加者はPCR検査を受け、陰性を確認することで感染予防、クラスターの発生が未然に予防できる。
 特に、高齢者施設や医療関係者の定期的なPCR検査によって、感染拡大が防げるはずだ。さらに、旅行に出発直前に感染陰性を確認した人だけ参加できるツアーなどが実施されれば、ツアー客同士や旅館やホテル、旅先の関係者の感染予防が図れる。
 その他、抗原検査や抗体検査等を併用すれば、社会活動を感染予防しながら進めても、クラスター発生が防げるのではないか?