特設ページ・南星台の「がけ」撤去工事

工事の全容について 
 約50年前、金剛生駒国定公園内の山を切り拓き、南星台として宅地造成を行った。その名残りで山を削り、崖面にコンクリートを吹き付けて放置していたが、長年の経時劣化で、コンクリートにひび割れ剥がれが生じ、防災上危険な地域に指定されていた。
 
 今回、交野市は、このがけを切り取り、その大量の土砂を近くの全現堂池(ぜんげんどういけ)に運び池を埋める大工事を決定した。 土砂の量は、10トンダンプ;4000杯分と聞いた。
一日の最大運搬回数は50回だそうだ。すると、80日かかることになる。本格的に搬出が始まったのは10月からなので、今年年内には、相当作業が進むと思われる。

 土砂搬出ルート(下図の黄線ルート)   運搬距離1.5Km
 
 参考資料 星田の全現堂池。完全に水抜けてる。謎の足跡もあって干潟みたい - 交野タイムズ (katano-times.com)

  
 全現堂池 現在は右写真のように干上がっている。

 現場のBefore&Afterの記録を残そう”
 ①自然環境(風向、風の強さ、湿気、気温、日差しなど)がどう変わるか? 
 ②工事期間中の騒音や交通渋滞、安全などの課題と対策は?
 ③完成後の姿はどうなったか!


 工事の経過、その記録として残したいと思い、この特設ページを開設した


6月1日
 工事着手を知らせる看板が設置された。同時に立ち入り禁止警告板も設置された。
 現場に立ち入らないよう厳重に周辺を金網等で囲い込んでいる。

 いよいよ、土砂崩れ危険防止工事が始まる。工期は約2年の予定。
 
工事目的は、急傾斜地対策工事&市民創造の森
 
 
ボランティア広場なるものができるらしい! 楽しみだ!
 

 

6月5日
■我が家の2階から撮影
 
『がけ』を見る。これが原(元)風景だ。 写真の△部;山を削りとる部分
  
 工事用小型重機が作業事務所建設のための整地を始めた。
この住宅地?(不許可住宅地と聞いた)場所は、近隣の住民が野菜を作っていた。
重機のある場所は、小生が30数年、畑として野菜を作っていた場所。3年前から使用禁止になった。この風景もそろそろ見納めになる。


6月25日
■南星台バスロータリーから撮影
正面の立ち入り禁止の囲いの向こう側に、土砂搬出道路が布設された。 


6月29日
山の木は、チェーンソーで4、5日で伐採され、丸坊主になった。
黄色の
部;削り取る部分
この山が無くなると、景色が変わるだろう・・・・・

 
 
■我が家の2階から撮影
黄色の部;削り取る山の部分?
チェーンソーで伐採した木や竹は、さらに細かく切断し、重機で積み上げている。

  
木や竹が無くなり、山肌が丸裸になった。左手に竹藪が未だ残っている。
我が家から東向きになるので、朝日を遮るものが無くなり、日の出が早くなった。
周囲が明るくなったように感じる。


7月6日
■我が家の2階の窓から撮影

 山腹で重機(ユンボ)が作業道を広げている。


 来週はどういう展開になるのか? 楽しみです。
連日の猛暑で、作業者はファン・ジャケットを着ています。ジャケットが空気でパンパンに膨れています。
これを着ると涼しいようです。
 先日、エアコン取替をしましたが、電気工事士さんも着ていました。
 

 郷里の有田で、夏場にミカンの摘果作業を行いますが、このジャケットを着ると涼しいと聞きました。
屋外の長時間作業ができるのも、リチュムイオン電池のおかげですね。大ヒット商品です。


7月9日
 梅雨が明けたような晴天。猛暑日になるようなので、早朝、家を出て、いつもの散歩コースから少し遠回りして 全現堂池の工事の様子を見に行った。
 全現堂池は、交差点にあるので、大型ダンプカーがどう出入りするのか見ものだ。
ガードマンが交通整理して安全を確保するしかないだろう!
それにしても、正面の電柱が邪魔になりそうだ。さて、どうする????

 全現堂池の様子
池は写真の正面にあり、電柱の向こう側にある。
 

カメラを少し右に振った写真
中央付近にブロックのポンプ小屋(今は使用していない)がある。
 

このポンプ小屋はそろそろ、解体撤去するだろう。
 

池への導入路、道幅が狭く、この道には大型ダンプは入れない。小型重機が池に入り整地している。
 



7月21日
 崖の撤去工事は樹木、竹やぶの伐採が進み、廃材が搬出されスッキリした。今日は日曜で工事は休み。先週は雨水の排水の配管、暗渠の設置工事が始まった。
 
 今日は、重機についてです。この現場の工事業者が使ってる重機は日立建機製のもので、小型、中型と大型の3種類あります。
 重機と言えば、KOMATSU(コマツ/小松製作所)やKOBLCO(コベルコ/神戸製鋼)やSUMITOMO(住友建機)やCATERPILLAR(CAT)が有名ですが、その一角にHITACHI(日立建機)も入っています。

 どこがトップシェアを握っているのか知りませんが、世界的には多分、KOMATSUだと思います。KOMATSUは石川県小松市に本社があり、工場は枚方市にもあります。工事用重機や建機、石炭、鉄鉱石などの資源掘削、運搬などの重機は世界中で使われ、たくさんの種類を製造しているメーカです。

 このガケの工事を請け負っている佐々木産業(寝屋川市)という会社は日立建機を使用しています。
日立建機のホームページを見ると、林業用仕様の紹介があります。それによると、林業の現場は狭く、作業は『つかむ』・『寄せる』・『積み込む』という林内作業、原木の搬出作業等、独特の作業が行われ、それに適した仕様で作られている。
 
 オレンジ色の日立建機の重機類

 

 

 重機が巧みに動く姿を眺めていると、つい見入ってしまうが、初めて気づいた事がある。
それは、重機のアームの先に取りつけるショベルや、油圧ハサミ等いろんな器具の取り換えは、人の手では大変、時間がかかるが、日立の重機は運転席でレバーを操作することで、あっという間に取替ができる。

 つい先ほどまで大きなショベルを取り付けていた重機が、しばらく目を逸らすと、ハサミに代わっています。多分、これが日立建機の林業仕様の特徴なのかもしれません。

 今は未だ、土砂を掘削し、ダンプに乗せ、搬出する作業は行っていません。本格的に工事が始まると、もっと大型の重機が入るかもしれません。どんな重機が入るかも楽しみです。

 一昔前、重機と言えば、ブルドーザーが中心でしたが、最近はユンボ(油圧ショベル)に変わりました。ユンボはアームの先に着ける工具を取り換えて、いろんな作業ができる点が優れているのでしょう。
 
 また、アームを使い段差を乗り越えたり、急角度の傾斜地でも作業が出来たり、トラックに重機を積み込み、積み下ろしもアームを使ってできることなどユンボは優れているのでしょう。
 人の手足のような関節を持ち、複雑な動きがマイコンで自在に油圧制御ができるようになった技術の進歩があります。
7月25日
 今朝も熱帯夜で夜が明けました。既に30℃近くあります。日の出が早く、途端に気温が上がりますので、今朝は早い目に散歩に出ました。
  
 
 工事は、晴天続きで順調に進んでいます。今朝見ると、約3m×7m角の遊水池(上;右の写真)が掘られていました。山が整地され、大雨が降れば雨水を流す排水溝が必要になります。道路の雨水桝につなぐ太いパイプを埋める作業をし、大きな雨水枡を新設して埋め込んでいました(上;左の写真)。
 昨日はその雨水桝に繋ぐ形で、遊水池(遊水地)を掘りました。(上;右の写真)
 
 各地で豪雨により道路が水浸しになっている写真やニュースを見ますが、適切な雨水処理の設計をすれば、そういう被害は起きないはずです。

 山の崖の土砂崩れ対策で、崖はなくしたが豪雨で水害が発生することがないよう万全の対策を施しながら工事を進めているようです。


7月26日
 今朝、早朝散歩中、遊水池を見ましたところ、石ころを詰めた網袋がいくつか積みあがっていました。
従来の遊水池は単なる水溜め池でしたが、ここは少し違うようです。出来上がりの姿が分かれば再度アップします。多分、多孔質の石ころを使って、水を沁み込ませ、浄化させるのが目的かもしれません。
それにしても、三角錐を逆にしたような形に掘っているが、これで大丈夫なのか?
少し、遊水池の規模が小さすぎる? さて、どうなるか?
 
 
 遊水池に石ころの網袋を積んでいる。

 
 角度を変えると、こんな感じ


9月5日
 9月に入り、朝の気温が下がり、熱帯夜を免れるようになりました。まだ日中の気温は34,5℃になり、真夏並みに暑い日が続いていますが、蝉の声はクマゼミからミンミンゼミやツクツクボウシに変わりました。季節の変わり目に入っています。

 先日の台風10号は、今まで経験したことが無い面白いコースを進みましたが、幸い何の影響もなく過ぎて一安心です。アマチュア無線をやっていますので、アルミパイプを10m近く継ぎ足したポール2本を建て、アンテナ線を張っていますので強風が吹けば大きく撓ります。折れることはないですが見ていて不安を感じます。余計な話になりました。

 崖の山を切り崩す工事は9月に入って進み始めましたので進捗状況をアップします。
撤去する山の木は伐採を終えていましたが、いよいよ頂上から土砂をユンボで削り取り始めました。ユンボのバケットが大きいので、一度に大量の土がすくい取られ山肌に捨てられます。土砂崩れ防止のために吹き付けられていた表面のコンクリートはバケットの先で撥ねると、バリバリと音を立てながら落下します。その際、ドスーンという大きな音が響きます。一日で、頂上付近の土砂を2mほど削ったようです。(目測)

 まだ、切り崩し工事が始まったばかりですが、大型重機の威力はすさまじいと思いました。
切り取った土砂は下に落ちて積みあがっています。これから本格的に工事が行われますと、大量の土砂を全現堂池に運搬することになりますが、未だ池の周辺は搬入のための取付道路ができていませんので、今は山を削った土砂を現場に積み上げた状態です。

 
 重機(ユンボ)が山の頂上に登り、土砂を削っている。

 
 ユンボのバケットが土砂を掬い取る。

 
 ユンボのアームを回転して、バケットの土砂を捨てる。

 
 山の頂上付近が削り取られ、平坦になった現場。下に積みあがった土砂が見える。
いよいよ、これから本番の工事が始まる!!


9月7日
 朝から2台のユンボが頂上に登り、土砂の切り崩し作業を行った。朝、山頂に登り、切り崩し工事をして、昼食時に下に降りて、ユンボに注油する。一日の作業が終わると、ユンボは下に降りて駐機する。

 一見上の写真と同じに見えるが、2台で丸一日フルに働いてもこのとおり。山の土砂の量は凄い。
でも、上・下の写真をよく見比べると、下の写真の方が頂上付近の平坦部が広がっていることが分かる。
 下に積みあがった土砂の量もずいぶん増えてきた。
 

 未だ、搬出先の全現堂池の取付道路は手が付けられていない。



9月17日
 埋め立て工事前全現堂池の地質調査のためボーリングをしていた。
軟弱な池を埋め立て、宅地に転換するので、しっかり地質調査をして対応している。

 


10月17日
 埋立地;全現堂池の埋め立て状況
ダンプカーが通る地盤に鉄板を敷き、池の面積の約1/10ほど埋め立てられた。
ダンプカーが土砂を運び、荷台を立てて、土砂を下ろすだけでなく、その土砂をユンボで均して、ローラで固めて
次々と埋め立てを進めている。丁寧な作業が続いている。
 



10月6日
 工事の完成予想図看板が設置された。
 

  山が次第に削られて低くなっている。(我が家の2階の窓から)
 
 

10月17日
 全現堂池の埋め立て状況、池の約半分まで土砂が搬入された。
 池の奥から、土砂の搬入場所の方を見る
 

 全現堂池の排水溝付近から、土砂搬入場所の方を見る
 

 池の一番奥、堤防付近
 アマチュア無線のタワーが建っている
 

 山の土砂に加えて、砂利を敷き詰めて、排水対策?をしながら埋め立てが進む
 大変、丁寧に作業が行われている
 


10月15日
 大型ユンボが3台並んで、土砂を左から右へ受け渡ししている。まさにユンボの3重連だ!!
右のユンボは、ダンプカーに積み込み作業をする。
 


11月18日
 11月に入ってから、ブルドーザーが登場した。これで一気に作業が進みだした
ユンボ(パワーショベル)は全て日立重機だが、ブルドーザーCATだ。ブルドーザーのキャタピラーのキャラキャラキャラという金属音がやかましい。しかも、ブルドーザーは動き回るので、ユンボとは性格が違う。力強く一度に大量の土砂を削り、押しながら進む。平坦な土地を削るのは圧倒的にブルドーザーに軍配が上がる。ユンボは、余り移動しないで、留まって首を振って、土砂を掬い取り、ダンプに積み込んだりするのは得意だ。また、山の急斜面を登って、道を切り拓いたりできる。アームとショベルをうまく使って、どんな場所にも移動できる強みがある。この二種類の重機を組み合わせて、効率よく作業を進めている。

 

 
 CATのカタログより使用機種;D5
 ブレード(押し板)の幅は3m、高さは1.3mとなっている。
 このステージは角度が変えられる。エンジン;7000cc、ジーゼルエンジンで170馬力(126KW)



11月21日
ブルドーザーの登場で、あっという間に作業が進みだした。 
平らに近づいた山の姿
 



 2025年1月20日(月)

1月も下旬に入り、大寒なのに、今年も暖冬のようで、今日は日中の外気温は15℃もあった。とんでもない季節外れの気温だ。
年末も、崖の切り崩し工事は順調に進み、土砂の搬出も予定どおりのようだ。全現堂池は殆ど前面に土砂が敷き詰められ、かさ上げが進んでいる。もう少しで、池だった凹んだ面が道路と平面になる。池は地盤が軟弱なため、埋め立て工事は慎重に地面を固めながら進めている。これならすぐ家を建てても沈下しないだろう。
 
 下の写真が昨日(1/19)現在の山の様子。
 

 下の写真の青いラインが完成時のグランドレベルになると想像している。
未だ土砂を削り取る工事が続きそうだ。
 

 自宅2階から工事現場を見る。
大型のユンボが3台、ブルドーザーが一台稼働中。
 

 山の土砂は、砂の塊のような土質で、ツルハシでは、歯が立たない。一度掘ると粉々になる。風が強い日は、土砂が砂ぼこりとなって飛んでくる。70m程離れているが、窓を閉め忘れると大変なことになる。大分、山が低くなり、工事も大詰めに近づいてきた。一部、排水溝の設置も始まっている。

1月23日(木)
 工事は順調に進んでいます。一段と低くなりました。
 この2,3日は暖かい日が続き、作業が捗っているようです。
 




2月7日(金)
 やっと、最終の姿が見え始めた。
 余った土砂は、ピラミッドのように積み上げています。どこか別の場所に運び出しているようです。

 全現堂池の埋め立ては終了したようです。
 

 全現堂池の現状
 
 すっかり埋め立てられた全現堂池、広いグラウンドのように変わった。
 約10000㎡(約3000坪)の住宅地に変わった。これから敷地の整備が始まるだろう。
聞くところでは、約60軒余りの戸建住宅になる。

 
 未だ重機は置いたままになっている。池は排水溝を除いてフラットになった。
余った土砂は高く積み上げられている。多分、周囲の排水溝工事が終われば埋め戻すためだろう。

 
 関係者以外立ち入り禁止になっている。ここからダンプが出入りしていた。

 ガケ山工事の進捗状況
 
 我が家の2階からの山の景色(今朝)
 仮置き場(ピラミッド)にユンボが3台稼働している。

 
 山が削られて、平たん部が広がってきた。
 
 ユンボから、工事場用ダンプカーに土砂を積み込み、仮置き場(ピラミッド)に運んでいる。

 

2月26日(水)
 ガケを削った斜面をユンボに大きな小手板を着けて、押さえつけ平らに均しています。削る位置、削りとる量、斜面の傾斜角などをGPSを受信して、ユンボのショベルをゆっくり動かし、図面どおりに工事を進めています。最近の土木工事の重機は大変進化しています。

エンジン音は低騒音型を使っていると聞きました。確かに、気にならない程度のエンジン音しか聞こえません。斜面の際(きわ)にU字溝を設置して雨水を流すようになっています。沢山のU字溝が積み上げられています。

 

 
 緑色の部分は階段です。

 
 掘り上げた土砂は工事現場用特殊ダンプトラックでピラミッドに運んで積み上げています。
太い大きなタイヤを履いて、4輪駆動の特殊車両です。ユンボのショベルに一杯の土砂を4杯分積んでいます。

 
 山(ピラミッド)の上まで運んで、ダンプ台を傾けて排出しています。
右隅には、10トンダンプカーに土砂を積み込んでいます。
全現堂池は埋め立てが終わり、余った土砂はどこかに運び出しています。